【お受験】願書の準備:残念ながら「キャンプ」はみんな行くんだわ。【小学校受験】
お受験予定の皆様におかれましては、そろそろ願書の骨子作りをなさる時期かと思います。
今回は、ネタとして「キャンプ」(代表としての「キャンプ」であり、その他、幼児教室の用意している「体験プログラム」的なものに参加したことを以って書くこと)をお考えの方には、「凡庸だからやめておけ」とお伝えする趣旨の記事です。
5歳の子供にとっての「キャンプ」経験レベル
5歳の子供にとっての「キャンプ」経験レベルとしては、
5: 本人が一人で毎週末のようにどこかに行く
4: アウトドア好きの父親が毎週末どこかしらに連れて行ってくれる
3: 一人で1〜2回行ったことがある
2: これまでに1〜2回、家族で行ったことがある
1: 行ったことがない。(グランピング、コテージ等、施設におんぶに抱っこプランもこちら)
くらいのレベルがあると思いますが、はっきり申し上げて、5か4のレベルでない限り、メインのエピソードとしては書かない方が良いと思います。
就職活動をされた方は思い出してください。
趣味・特技の欄には、インターハイ出場レベル以上とか、そのくらいじゃなければ書くな。あるいは例えば映画観賞が好きだとしても、淀川長治を越えるレベルでなければ書くな。相対的にでも絶対的にでも何かすごいレベルでないのに、趣味・特技の欄に余計なことを書くと、単に「あ、頑張った事柄の無い人なんだな」と思われるだけだ。・・・と、就活ノウハウ本とかで知りましたよね?
あれとだいたい同じです。
「我が家では様々な経験をさせることを大事にしており」とか言ってるのに、大したことしてないなぁ、って思われたらもうダメです。
大言壮語を吐く割に行動が伴っていない家庭、客観視できていない家庭、そういう家庭の子供よりは、実の伴った御家庭の方がいいですし、まだまだ経験不足であることを認めてしまって「これから頑張ります!」と言ってる御家庭の方が余程良いですよね。
「ネタを集めましょう」への誤解
小学校受験のどんな本を見てもお教室での指導にしても、「願書に書く事柄を書き溜めておくと良いでしょう」と言われます。そして多くのお母様方は、「大変よ!あなた、うちは大したことしてないわ。この夏はキャンプに子供たちを連れてって!!」と、見出し集めに走ります。
こんなになんか偉そうに書いていますが、うちも御多分に洩れず、キャンプやら野外教室やらなんかそういうのにだいぶ沢山行きました。月食があれば観察し、立派な野草園にもjaxaにも足を運びました。あの頃、体が2つか3つあったような気がします。
でも、散々行ってみて、わりと賢い我が子の頭にも大して思い出が残らない(あんなにはしゃいで図鑑で予習してたのに!面白そうに見てたのに!寝たらリフレッシュしている!)現実に直面し、願書を書きあぐねた末、わかった事がありました。
誰か?ということよりも、何をするか?ということ
5歳の子供みんながみんな天才児なわけでもギネスに載るわけでもありませんよね。みんな最近までおもらしもしてきたし、お友達と揉めたりするし、鼻もほじります(女子もわりとみんなほじる、というのは衝撃でした)。
親だってそうです。みんながみんな芸能人なわけでも銀行の頭取やIT社長なわけでもありません。医者や弁護士は腐るほどいます。
つまり、肩書きやプロフィールとして表現できる部分で差別化をすることは基本的にできません。なので、持てるものの少ない私たちの頑張りどころはそこじゃないんです。コンテンツ勝負です。キャラです。ストーリーです。
願書でその人となりが見える為には、「キャンプ」で何を見てどう感じたのか、どういう行動をとる子供なのか、どういう会話をする子供なのか、彼・彼女のオリジナリティを掴んで過不足無く書くしかありません。
家庭にしても、肩書きに現れないバックグラウンドをどう捉えてどう咀嚼してきた夫婦なのか、子供が生きる未来をどう観ている親なのか、ということを伝えなければ、学校側もご不安でしょう。
「キャンプ」のような見出しが多くても、一つ一つの経験を掘り下げていない家族より、たった一つの経験をとても大切にして糧にしている子供や家庭の方が素敵だと思われると思います。
どの私立小学校でも、お会いした先生方はそれほどに思慮深い方々だとお見受けしました。
「キャンプ」はお金で買えますが、経験を糧にする知恵はお金では買えません。逆に言えば、「キャンプ」を買わなくても、知恵でどうにでもなると思います。