【モダンマリーザ_05】ダイヤ1〜2攻略_キャラ性能の整理
【目次】
◆キャラの特徴
◆「立ち回り」と「起き攻め」から読み解くSF6の構造とキャラ性能
◆じゃあ実際にはどう攻めれば良いの?
【前段】
なんとかこのゲームのボリュームゾーンであるプラチナ帯を抜け、ダイヤまでやってまいりました。個人的にこのランク帯で感じたことは「経験則のみで戦っていても勝てない」ということです。
より分析的なアプローチをして、知識とパターン把握で勝っていかないといけないと思ったのでした。必然、座学や検証の割合が増え、いよいよ気楽に遊ぼ〜という感じではなくなってきました。反面、各種の細かい検証やそれの実戦確認の面白さは増していくのですが、余暇の遊びの領域を超えたものになっていったのも事実です。
飽くまでゲームとしてライトに関わるなら、プラチナを抜けた時点で十分によくやった方なのでコントローラーを置いても良いと思いました。正直、大部分のプレイヤーにとって、コストとストレスの割合が合っていないのではないでしょうか。
それでもまだここで止まりたくないな、と思ったので諸々を諦めて自分の中で検証と体系化を推し進めていきました。自分がまず始めたのは、やはりマリーザそのものの分析です。どんな強み・弱みがあり、それがどうした勝ちパターン・負けパターンに繋がっているのかをじっとり纏めていきました。
【マリーザの強み弱みの整理】
◆キャラの特徴
簡単に言うならば「立ち回りが弱い代わりに、起き攻めが超強い」、これに尽きると思います。
立ち回りが弱い、に関しては殆どのプレイヤーにとって異論は無いのではないでしょうか。「マリーザが立ち回りの面で有利を取れるキャラ…いる?」そんなレベルです。
ですので、基本的には相手の顔色を窺いつつ、どうにかダウンを取ったら、「超痛い打撃」と「普通に痛いコマ投げ」の高期待値の起き攻め地獄で一気に轢き殺すのがマリーザの基本コンセプトかと思います。
この起き攻めが上手いこと3回くらい噛み合った時、相手の体力は見る間に消し飛び、殆ど交通事故のような形で圧殺できる…というのがマリーザ最大の魅力であり、印象的なキャラ像なのではないでしょうか。
ですが、その爆発力とは裏腹にいざ相手にするとけっこう御しやすいキャラかと思います。キャラ対策が比較的明瞭であることと、スト6における強い要素が大体ブッ刺さっているからです。
そのため研究が進んでいった分だけ、対策をする側としてはキャラの性能を押し付けやすくなり、反面マリーザ側としては様子見や相手のミスを誘うような駆け引きの割合が増えていくのでは…と思っています。
そして、ここにマリーザ最大の矛盾があります。第一印象と最終的に求められるプレイングが真逆という点です。恐らくですが、マリーザを使いたい!と思った時、やはりその豪快なファイトスタイルに惹かれて選ぶのではないかと思います。
ですが、マリーザのことを知っていくうちに、駆け引きの主導権が殆どの場合相手にあり、その細かい対応や我慢を求められ続けるキャラなのだと気づきました。実はチマチマしているということです。ここに耐えられるかどうか、がマリーザを使い続けるための最大のポイントではないでしょうか。
◆「立ち回り」と「起き攻め」から読み解くSF6の構造とキャラ性能
◎立ち回りフェーズと起き攻めフェーズ
個人的にですが、
・Aフェーズ:立ち回り
・Bフェーズ:起き攻め
この2つがぐるぐる回り続けるのがスト6というゲームだと思っています。
「立ち回り」という言葉は非常に広義的ですが、敢えて言うならば「最終的にダウンを取ることを目的として、お互い自由に技を振り合う状態のこと」かと思います。
この立ち回りの中でダウンを取った時に、今度は起き攻めのフェーズに移ります。この起き攻めは基本的に仕掛けた側が有利の読み合いです。間合い管理の概念がほぼなく、「打撃or投げ」のジャンケンをしかけることができます。ここに関しては立ち回りに比べ難しいテクニックは必要なく、プレイヤー間で大きな差が出にくい部分かと思います。試行回数さえ稼げればそれに見合ったリターンがある行為と言えるでしょう。
要するに、SF6とは立ち回りの中で「起き攻め抽選券」を賭けてダウンを取り合うゲームである、というのが個人的な感想です。
そしてマリーザはこの起き攻め抽選券を獲得してからが超強いキャラです。勝敗に直結しやすい部分でシンプルに優れているというのが最大の長所かと思います。そのため、最終的にマリーザを使い続けるかはともかく、この「起き攻めでしっかり稼ぐ」という基本の部分を意識するにはとても良いキャラではないでしょうか。
◎立ち回りに関して
立ち回りは非常に多くの要素で構成されています。
・歩きの速さ
・ラッシュの速さと長さ
・技の出の速さとリーチ
・ジャンプ
・対空
・差し技
・置き技
・牽制技
・突進技
・弾
・弾抜け
等々です。
そしてマリーザは残念ながら、この立ち回りの中ではかなり弱い方のキャラかと思います。
理由としては非常に明確で
・歩きが遅い
・技の出が遅い
・中距離で行えることが少ない
ためです。
反対に強い部分もしっかりあります
●優秀な通常技
・近くでの殴り合いは中P
・判定を置いときたいなら2中P
・殴り掛かりたいなら強P
と、各通常技の性質は明確にして優秀です。
またそれらの通常技から基本的に入れ得のグラディウスがつながるため、反撃を喰らいにくいです。
ただ、ちょっと距離が離れるとファランクスしかやることがありません。それか博打気味にジャンプするかラッシュするかインパクトを撃つか。通常技は優秀なのですが、その間合いに至るまでが難しいということです。
試合全体をコントロールする術が無く「どうにか耐えて近づいて殴る」、これ以外の戦法を持たないのがマリーザの明確な欠点でしょう。
◎起き攻めに関して
さて、マリーザの本懐、起き攻めに関してです。
マリーザの起き攻め、もといコマ投げキャラの起き攻めが強いのは、
①打撃
②コマ投げ
のシンプルな二択をかけられるためです。
投げ抜けの効かないコマ投げの存在から、所謂「遅らせグラップ」での両対応を破壊する事ができます。打撃かコマ投げのどちらかを完全に読み続ける事は不可能ですし、どっちが通ってもまあまあ痛いです。
コマ投げを持っていないキャラの場合はもう少し複雑な駆け引きをする事になります。
①本命の打撃
②ガードを崩すための通常投げ
③遅らせグラップを刈り取るためのシミー
この三択をしかける事になります。これは打撃と通常投げの場合、遅らせグラップで両対応されてしまう事に起因しています。
とりあえずコマ投げを持っていないキャラの場合は、上記三択を通さないといけない訳で単純に考えるとその成功率は三分の一なので33.3%になります。
また通常投げの威力は1200、打撃も大体の場合マリーザより低いでしょう。33.3%のジャンケンを倒したとしても、比較的ダメージを稼ぎにくいという事です。
それに対してマリーザは、打撃とコマ投げの二択を通せば良い訳なので、その成功率は50%です。
またコマ投げのエンフォルドのダメージは、モダンで2000、クラシックで2500、打撃も平均より高ダメージになります。一回の期待値が高いんですね。
※実際は上記に無敵警戒のシミーも含まれるので、もう少し複雑な択になる訳ですが、遅らせグラップと無敵技のリスクは大きな差があります。基本の構造としてはやはり上記のようなことになるのではないでしょうか。
プレイング以前に、どうやっても高ダメージが稼げてしまう…というキャラになっているという事です。またこの起き攻めに関しては、やはり複雑なテクニックは必要ありません。多少のフレーム知識があれば簡単に再現できます。
技術的な難易度は低く、勝ちに直結する部分でダメージを稼ぎやすいという点がマリーザ最大の魅力かと思います。
◆じゃあ実際にはどう攻めれば良いの?
さて次に気になるのはこの点かと思います。
「起き攻めが強いのは分かった。で、どうやったら立ち回りを制してダウンを取れる訳?歩きも遅いし、技を出したら差し替えされるし、攻められないんですけど???」
というのがマリーザ使いの最初にぶち当たる壁かと思います。
◎ガン下がり相手への対応
個人的にはまず覚えた方が良いのはこれかなと思います。
そもそもこのゲームはガン下がりがめちゃくちゃ強いです。弾を持っていないキャラでさえ大変優秀な戦法の一つかと思います。
さらにマリーザ視点でありがちな展開は
・相手:下がって差し返しを狙う
・マリ:距離を詰めたいから焦ってファランクスとか強Pとかを振る
・マリ:当然、下がる相手には当たらないので技隙にフルコンボを喰らう
・マリ:前進して被弾しながらも上げたラインが一瞬でリセット
・マリ:3回くらい上記を繰り返して手も足も出ずに憤死
というのがけっこうありがちなのではないでしょうか。
プラチナに上がるくらいまではマリーザの何となくの火力と連戦ボーナスで勝ち上がっていたものの、プラチナくらいからは対処法を覚えた相手にひたすら差し返されて全然楽しくない、というシーンが全国各地で起きているはずです。
●対応法:距離を保ちつつ歩きガードで黙々とラインを上げる
ガン下がり相手だけでなく、これがマリーザの基本戦術になるかと思います。
ここで意識したいのは、
①焦って明らかに当たらない距離での技を振らない事
②相手の通常技(特に中足の間合い)に入らない事
③細かく歩きガードを刻んでいく事
④対空がしやすい距離をキープして、対空を見る時間を意図的につくる事
⑤相手が下がれない距離に来たら自然と殴り合いに持ち込める
この5つです。上記をさらに細かく説明します。
①焦って明らかに当たらない距離での技を振らない事
下がる相手というのは基本的にこちらの無謀な技振りを期待しています。
インパクトのおやつになるファランクスや、身を差し出すだけの強Pを振ってくれないかな〜と思っています。
ので、まずは「妙な焦りや気まずさからとりあえず前進するタイプの技を振る」ことを止めましょう。
ここで相手はまず一段階やりにくくなります。下がっている相手というのは基本的にマリーザの何らかのアクションを見ているのです。ですがそこで何も起きないと、相手は動き出すきっかけが掴めません。それなのにラインだけはジリジリと下がっていくという嫌な状態になります。
②相手の通常技(特に中足の間合い)に入らない事
その次に意識したいのは相手の通常技の範囲(特に中足)に入らない事です。上記のように黙々と歩きガードでプレッシャーをかけるのは大変有効な手段ですが、同時にずかずか考え無しに歩いていくと、中足ラッシュを引っ掛けられてあっという間に相手のターンになってしまいます。
そこから端に連行されて投げとシミーを繰り返されると大体のマリーザはそのまま死んでしまうので気をつけたいところです。
③細かく歩きガードを刻んでいく事
その対策になりますが、細かく歩きガードを刻んでいきましょう。これだけでこちらの防御力が跳ね上がります。また相手は「このガチガチのマリーザをどう崩せば?」という部分にリソースを割かないといけなくなってきます。そうなると「差し返しモード」を切り替えて、相手は能動的に動かないといけなくなります。
④対空がしやすい距離をキープして、対空を見る時間を意図的につくる事
さて「黙々と距離を詰めてくる・でも中足の範囲にはなかなか入ってこず・ガードも硬いマリーザ」に対する相手方の一番わかりやすい崩し方は「飛び」になります。
改めてになりますが、飛びも恐ろしく強力なアクションの一つです。近距離の差し合いを全て無視して突然0距離を作りだせる行為が弱い訳がありません。
特にこちらにずんずんと前進してくるマリーザに対して前飛びを合わせれば、自然と対応しにくいめくり気味の飛びになります。相手のお手軽さに対して、マリーザ側は難しい対応をせざるを得ません。
そうなるとせっかく上げたラインが飛び一つで瓦解する事になります。
そうした自体を防ぐために、対空がしやすい距離か?というのはラインを上げる時に常に意識したいところです。また対空を見る時は、一瞬見るという中途半端なことをせず、数秒足を止めて「対空だけを見る時間」をがっつり作った方が良いと思います。
そこに実際、相手の飛びがくれば余裕を持って迎撃できますし、飛びが来なくても「上を見てるぞ」というのが相手へのプレッシャーになります。
さらに正確に言うと「飛び」を警戒しないといけない距離はそのままDラッシュとインパクトを警戒しないといけない距離でもありますが、飛びよりも警戒度を落として良いと思います。特にインパクトはガードさえすれば、ちょっとラインが下がって終わりなので、ほぼ捨てても良いかも知れません。
⑤相手が下がれない距離に来たら自然と殴り合いに持ち込める
そうした具合で上を潰しながら、じりじりと距離を詰めていけば次第に壁が見えてきます。そうなると下がれなくなった相手は前に出るしかありません。
今度は前に出てくる相手に強Pやグラディウスなど、こちらの技がヒットするようになります。喰らうかは分かりませんが、最低ガードさえさせれば、攻撃を空ぶって隙だけ晒して終わり、という最悪の自体はまぬがれます。またガードさせているということはDゲージを削れているということです。
そうなるといよいよ相手は待ちに徹する事ができなくなります。殴り合いの時間です。そこを制することができるかはプレイングスキルに依りますが、大事なのは「8割不利だった状況を、五分の殴り合いに持ち込めた」ということです。
五分の殴り合いなら、ダメージレースでマリーザに軍配が上がってもおかしくはありません。マリーザの地上戦に苦しんでいる方は、ひとまずこの状況に持ち込むことを目標にして、ジリジリとラインを上げる技術を身につけていけば良いのではないでしょうか。