令和5年度観光レポートから見る京都観光ビジネスの新たな展望(前編)
令和5年度の京都観光総合調査結果を基に、観光業界における新たなビジネスチャンスと戦略について詳細に分析してみました。
1. 観光客数と消費額の逆転現象:質重視の時代へ
京都って観光客多いでしょ〜と皆さん仰いますが、5年度の数字をみて事実ベースで分析していきましょう。
まず注目すべきは、観光客数と消費額の関係です。令和5年の観光客数は5,028万1千人で、令和元年比で6.0%減少しました。一方で、観光消費額は1兆5,366億円と、令和元年比で24.3%増加しています。この数字が示すのは、観光産業における「量から質へ」の明確なシフトです。
ビジネス戦略:高付加価値サービスの開発
例えば…というようなビジネスプランを作るのが仕事なのでこんなことできるんじゃないかな??というのをいくつか。
プレミアム体験の提供:
例:茶道や華道の師範による特別レッスン(1回2時間、15,000円)
予想収益:月20回実施で月額300万円
長期滞在向けプランの拡充:
例:7泊以上の滞在で市内の美術館・博物館のパスポート付与
目標:平均宿泊数を現在の1.61泊から2.0泊に増加
カスタマイズ可能なパッケージツアーの開発:
例:「京都の四季」テーマの年4回シリーズツアー(1回あたり10万円)
予想収益:100人の顧客獲得で年間4,000万円
一人当たりの観光消費額を現在の30,561円から35,000円に引き上げることを目指すには動詞たらいいのか?を考えたほうがいいですね。
2. インバウンド市場の力強い回復:多様性への対応
外国人宿泊客数は535万7千人で、令和元年比41.0%増と驚異的な回復を見せています。さらに、外国人の平均宿泊日数は2.15泊と、日本人の1.30泊を大きく上回っています。
ビジネス戦略:多言語・多文化対応の強化
多言語対応の徹底:
投資:多言語対応アプリの開発(初期費用500万円?※AI使うなら毎月の費用のほうがかかるかも)
効果:言語バリアフリーによる顧客満足度10%向上
文化体験プログラムの拡充:
例:「1日京都人体験」プログラム(1人2万円)
目標:年間10,000人の参加で2億円の売上
長期滞在者向けサービスの開発:
例:週単位のレンタルキモノサービス(週7万円)
予想収益:月100件の利用で月額700万円
外国人宿泊客数を現在の535万7千人から600万人に増加させることを目指します。
3. リピーター市場の深耕:新しい魅力の創出
日本人観光客の56.5%が10回以上のリピーターであり、初回訪問はわずか2.0%です。この数字は、リピーター向けの新たな魅力創出の重要性を示しています。
ビジネス戦略:「京都通」を満足させる新サービス
隠れた名所ツアーの開発:
例:「京都の裏路地」シリーズツアー(1回5,000円、月8回開催)
予想収益:毎回20人参加で月80万円
季節限定の特別体験プログラム:
例:「旧家で過ごす京都の夏」プログラム(1泊2日で5万円)
目標:夏季3ヶ月で500人の参加、売上2,500万円
京都の職人とのコラボレーション企画:
例:「京友禅デザイン体験」ワークショップ(1回3時間、1万円)
予想収益:週2回開催、毎回10人参加で月80万円
リピーター層の平均訪問回数を年1.5回から2回に増加させることを目標とします。(高単価が続くと日本人は減少しそうですね)
まとめ
令和5年度の観光レポートは、京都観光ビジネスにおける質的転換の必要性を明確に示しています。高付加価値サービスの開発、インバウンド市場への積極的アプローチ、そしてリピーター層の深耕が今後の成長戦略の鍵となりそうです。
次回は、持続可能な観光への取り組みや、観光客の情報源の変化など、さらに詳細なデータを基に、新たなビジネスチャンスについて掘り下げていきます。
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