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Valorant 褒め方について

前回の「教え方について」では、相手の自己効力感を高め練習へのモチベーションを高めるために、褒めることが大切であると説明しました。今回はその方法について説明します。

1.褒めることはコミュニケーション

褒めることとはコミュニケーションの一環です。まずはコミュニケーションの仕組みについて説明します。コミュニケーションとは発信者が伝えたいこと(意図)をなにかしらの手段を用いて相手に伝えることです。手段には言葉以外にもジェスチャーやアイコンタクトなども含まれます。コミュニケーションを取る際に発信者と受信者の間にはフィルターがあります。そのフィルターのせいで伝えたいこと(意図)と伝わったこと(解釈)の間に差が生まれます。フィルターとはコミュニケーション手段や発信者と受信者の関係性、心理的状態などのことです。「醤油を取ってほしいとき」に熟年の夫婦はアイコンタクトだけで意図と解釈を一致させることができますが、会ったばかりの人同士ではほぼ不可能です。フィルターを薄くするためには具体的な言葉を用いて伝えることが必要となります。

①フィルターが厚い場合

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発信者と受信者が持つフィルターが厚いときは意図と解釈が一致しづらいです。「焼き魚に醤油をかけたいので、醤油を取ってください。」といった具体的な言葉が必要となります。日本以外の文化圏の人に対しては「朝食の焼いた魚に味をつけたいので、机の上にある黒い液体が入った入れ物を取ってください。」といった過剰なまでの具体的な言葉を用いなければならない場合もあります。

②フィルターが薄い場合

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フィルターが薄いので、意図と解釈が一致しやすいです。アイコンタクトや「あれが欲しい。」だけで伝わります。

褒める際に嫌味的に捉えられないように、このフィルターを薄くしておくことが必要です。日本はハイコンテクストなので、コミュニケーションを取る際にフィルターを厚くしがちです。また、自分の意図と相手の解釈が一致していないときにも気にせず会話を進行する可能性があるので、伝える側も注意を払うようにしましょう。

※ハイコンテクスト:相手の意図を読み取る能力が優れている文化で、聞き手の能力が重視される。聞き手は相手の意図が理解できなくても無視したり、曲解することが多い。日本は他文化との交流が少ないのでお互いの意図が理解しやすい。

2.伸ばしたいことについて褒める

対象と友好度を高めたいだけならば、とりあえず褒めておくことが大切ですが、人を育てるために褒める際は、成長してほしいことについて褒めなければいけません。例えば「そのタバコの吸い方すごく綺麗だね。ドラマの中の人みたい。」といって褒めても、対象がタバコを吸い続けるだけです。体に良い習慣や将来のためになる内容を身につけさせるために褒めましょう。AIMを褒められれば対象のAIM練習量が増えるので、AIM能力が向上します。

3.具体的に褒める

褒める内容は具体的にしましょう。「ヴァロラントが上手だね。」や「AIMがいいね。」などの抽象的な内容は効果が薄いです。具体的に褒めるためには対象について深く観察することが必要です。「Aポイントを攻めるときのクリアリングが丁寧だね。特にウィンドウを覗くときの照準の動かし方が敵を意識しているってはっきりわかるよ。」といった具体的な言葉で褒めましょう。具体的な言葉は前述したコミュニケーションのフィルターを薄くすることができます。

4.努力していること・自信を持っていることを褒める

絵を自分で描いていないVtuberに対して外面を褒めても効果はありません。彼らは声や話す内容については努力をしていますが、外面についてはまったく努力をする必要がないため褒められても彼らの心に響かないからです。Valorantをしている人に対してもこれは当てはまります。AIM練習をまったくしていない人に対してAIMについて褒めても効果はありません。「普段からAIM練習していないのに、こんなにAIMが良いなんて練習したらどうなっちゃうんだろうね。」と褒めることもありますが、これはAIMではなくゲームセンスを褒めています。対象の努力していることや自信を持っていることを把握するために、対象の普段の練習内容などを聞いて、対象への理解を深めましょう。対象の苦手としている内容について言及をしたい場合は、先ほどの例のように努力していることや自信を持っていることと関連させて褒めると良いでしょう。

5.早めに褒める

人間は忘れる動物です。20分で覚えていることは半分くらいになると言われています。忘れかけていることについて褒められても、対象の感情の揺らぎは少ないです。記憶が新しい状態で褒めることで、対象の感情を最大限に高ぶらせ、楽しかったという良い印象付けができるようにしましょう。

6.反復的に褒める

1事項について1回しか褒めていけないことなんてありません。「やっぱあのときの君の解除の駆け引きは、相手の裏を上手について見事だったなあ。」といったように過去のことを何度も褒めても良いです。前述した「早めに褒めること」を前提として何度も何度も褒めることで、相手をたくさん褒める機会を設けることができます。特に対象の褒めてほしそうなことを読み取れるほどの関係が築けると良いでしょう。関係性が深まるほどコミュニケーションのフィルターは薄くなっていきます。

まとめ

褒めるときには意図と解釈が一致するようにしましょう。そのためには具体的な言葉を使う必要があります。対象が努力していたり、得意だったりするような褒めてほしそうなことを察知できるようにしましょう。また、褒める際はすぐに褒めましょう。一度褒めたことを何度も褒めることも有効な褒め方です。

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