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カルチャーショックリハビリ日記その10 「地震、台風、梅雨、そして…」(2003)

 これを書いている8月中旬、日本は冷夏と言われています。特に私の住む北海道は、雨ばっかり降っていて、寒―い夏を迎えています。私はいいんです。暑いの大っキライだから。前にも寒いの大っキライと書いたかも知れませんが、まあ忘れて下さい。でも米の不作が心配。
そんな私にとって、イギリスこそ理想の気候でございました。夏は暑すぎず、冬も寒すぎず、パラダイスでした… 夏の札幌はロンドンより暑いし、冬の札幌はスコットランドよりも寒いんですよ!だけど珍しくも、今年のイギリスはえらいことになってるらしいですねー。私がいなくなったからかしら?オホホ。イギリスの皆さんご愁傷様。 

4年間イギリスでまったり過ごしてやれやれと日本に帰ってきた私は、大切な事に気が付いたのです。日本は火山国、年がら年中地震のある国じゃないか!イギリスは殆どと言っていいほど地震のない国です。だからあんな古い建物が100年も200年も壊れずに、普通の民家として機能しているのですよ。
札幌に移り住むようになり、新しい住処は14階建ての高層マンション。殆どの部屋が単身向けなのでヤケにひょろ長い。そんな私がある日晩飯の支度をしていたときのことです。魚をグリルに突っ込んで一休み。突然体がゆ~らゆ~らと揺れ始めたのです。め、目眩?!なわきゃない、床に座って胡座をかいてたんだから…でも!とNHKをつけたら早速の地震情報。岩手で結構大きな地震があったって?!札幌は…震度2!そこで慌ててグリルの火を消した私(遅すぎ)。それまでせいぜい2階建ての家にしか住んだことがなかったし、横揺れだったので、地震の感覚がわからなかったのでしょうね。マンションはふにゃふにゃ揺れるでしょ? 

それに、日本にあってイギリスにない物、それは台風。この前も大きいのが日本列島を直撃し、あちこちに被害をもたらして温帯低気圧になっていきました。あれも大抵は北海道に来る頃には温帯低気圧になるものなんですが、どっちにしろ南からやってきて、暴風雨をまき散らし、日本国民の心をかき乱し、去っていく憎い奴… アメリカじゃ女の人の名前がつくらしいじゃないですか。日本は1号2号だもの(こう書くとロンブーみたい)、つまんないですね。 

そして初夏の風物詩、梅雨。イギリスは勿論、北海道にもありません、ごめんなさい。でも私も東京在住時は苦しみましたよ、あのジメジメした何とも言えない不快感… 実は北海道でも、東北の梅雨明けの頃「蝦夷梅雨」と呼ばれるプチ梅雨があるんですよ。でもホントにプチ。 

いろいろ連ねて書いて参りましたが、最後にまとめると、これさえなければ日本はもっと住みやすくなるだろうに…と思う物があります。それは「湿気」です。「北海道って夏もカラッとしてていいよねー」とほざく方がいらっしゃいますが、とんでもない!!!最高気温が25度程度なのに、どうしてこんなに私は汗をかくのだろう?!湿度のせいだ!!イギリスではそんなにダラダラと汗をかいた思い出がありません。いくら暑くてもジリジリと太陽が照りつけるだけで、日陰に入れば温度が全然違うもの。日本じゃどこにいたって同じ温度だと思いませんか?あれは絶対湿気のせいです!洗い立てのジーンズもすぐ臭くなる…耐え難いです…

私は一生忘れません。1989年7月、生まれて初めてイギリスに降り立った時の空気のさわやかさを。その前のトランジットで寄った香港の空港で、日本とは比較にならない暑さと湿気に死ぬ思いをした後だったからかも知れませんが。 ではまた近々…  ポル子

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