英語との取り組み方を変える――「翻訳」から「英会話」へ――ついでにフランス語も始めました
翻訳の仕事を廃業して、5カ月近くになります。
もちろんですが、その後翻訳の仕事は一切していません。
未練も後悔もないのですが、翻訳者として活躍されているみなさんの姿を拝見すると、心がちくっと痛みます。
「私は逃げたんだよな」と。
あれだけ「私は翻訳をやっていくんだ!」と、いろんなものに投資したり(ツールとか辞書とか)、あちこちのセミナーに参加したり、自分なりにがんばっていたのに、やめたとたん付き物が落ちたように執着がなくなりました。
これでいいのだ。
バカボンのパパの声が聞こえてくる。空耳か?
とはいえ、私はやっぱり英語が好き。英語そのものが好きなんです。
むしろ日本語にはあまり関心がなかったかもしれません。
(それでは翻訳者失格)
3月末までNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」を熱心に見ていました。
母、娘、孫の三代にわたり、NHKのラジオ英会話講座が道を開いてくれたという、アレです。
私はすっかり感化されて、「ラジオ英会話」のテキスト4月号を買い(何でも形から入る私)、ついでにずっと勉強したかったフランス語も、同時進行でNHKのラジオ講座を受講しはじめました。
楽し~い!
仕事がらみではなく、純粋な興味だけをもって勉強することの楽しさを、今味わっております。
「カムカム~」では、登場人物がシャドウイング(英語の会話を聞き取り、そのあとを追って自分でも言ってみる)を行っていたので、私もトライしました。
きっつい。
でも楽しい!
おそらく私の英語のレベルは、読み書きだけならビジネルレベルかと思うのですが、スピーキングやリスニングに関しては中の下。
イギリスから帰ってきて20年、ほとんど話す機会がなかったので、すっかり口が衰えてしまったようです。
なので、ビジネス英語よりはもっとジェネラルな題材を、と「ラジオ英会話」を選び、しばらくご無沙汰していた口語表現を新たに学ぶ毎日です。
とても新鮮。
文法に関してはまあまあ自信があるので、とにかく口を動かすことに集中しています。
番組を一通り聴いたら、気になるところをノートに書き、テキストに戻って音読、音読、音読。
発音も気にしながら、とにかく音読。
私はイギリス英語が好みなので(この番組には米英両方のネイティブスピーカーが出演しています)、もっぱらイギリス風に発音しています(そのつもりですが実際どうだろう)。
音読することで脳が活性化するとどこかで聞いた気もするので、そこんとこも意識して。
さて、フランス語の話ですが、文字列だけを見る限り、英語と似ている単語もあるので比較的理解はしやすいのですが、問題は発音。
「R」があかん。どうしてもあかん。
私がトライすると、「カーッ、カーッ」と、今にも「ペッ」と痰が出そうな音しか発せません。
名詞も、駅が女性で病院が男性ってのも訳わかんないです。今は。
だけど「どうして?」と考えるよりは、「こういうものだ」と覚えるほうが楽ではないでしょうか。
イギリスで通っていた語学学校にきっついスパルタ講師がいたのですが、英文法の授業で、
「どうしてだなんて考えちゃダメなのよ!こういうものだって覚えるの!」
と唾を飛ばしていたことを、懐かしく思い出します。
指されて答えを間違えると「アタシはそんな答えには興味はないわ。フン」って言われたっけな。でも、授業を離れるといい先生だった。いっしょにお茶したりして。
話がそれた。
駅が女性名詞で病院が男性名詞である理由を追究するのは、フランス語学者の先生にお任せすればいいのです。
とにかく、英語の基礎があると、フランス語の学習も少しはやりやすいのかなと感じています。
イタリア語やスペイン語なんかもそうかもしれない。
五十の手習い。といってもほぼ独学。
覚えても片っ端から忘れていく私の脳みそ。
だけど、そのおかげで毎日が新鮮に感じられるのはうれしいことです。
さて、明日も冷凍の今川焼をチンして(その理由がわかる人は挙手)食べて、音読音読音読、カーッ、ペッ。