アトピー周辺知識16: 新生児・乳児期の抗生物質処方と小児期の食物アレルギー発症の関連(アメリカ)
乳幼児の抗生物質処方と食物アレルギー(アメリカでの研究)
因みに食物アレルギーの割合はアメリカでは成人で10%程度に対し、日本では1〜2%程度との事。日本だとアレルギーとしてはアトピーや花粉症、喘息の方が割合としては多くなるのだろうか。
ただ以前の私の様に自身で気付いていない潜在的な食物アレルギー患者はある程度いると思われるため、遅延型フードアレルギー検査が一般的になればその割合は増える事だろう(アトピー性皮膚炎患者が食物アレルギーを併せ持つ場合も多く、また割合に関しては症状の軽重によっても多少増減する)。
一応だが健康診断にも含まれる様な一般的なアレルギー検査では出ない項目が、遅延型アレルギー検査では検出され得るという事には留意すべきである(費用も即時型の検査に対し10倍近くかかり、アメリカの検査会社に依頼するため期間も数週間かかる)。
私自身即時型の検査では小麦は出ず、むしろ犬アレルギーが出たが、小麦の遅延型アレルギーを持っているし犬とは普通に生活を共にしている。
こういっては何だが即時型のアレルギー検査はアトピー性皮膚炎の検査としては余り役に立たない。そもそも食事で摂るのでアレルゲンとしては取り込む量が全く異なる上、肌で触れるのと腸内から吸収するのでは影響の受け方も違ってくる。主食や調味料として大量に接種するものなら尚更である。
本当に気になるならば一度何週間か食事から抜き、体調の違いを確認してから数万円かけて遅延型の検査を受けると良い(検査はアレルギー実感のあるものを疑惑から確信に変える為に用いるのが使い方として最も良いし、検査結果だけを見て特に自覚の無いものを敢えて控える必要は無い)。
…皮膚科と違い小児科ではかなりアレルギーと抗菌薬の関連についての研究に興味が寄せられている模様。もしかしたらアトピー患者は皮膚科ではなく小児科に受診した方が良いのかも知れない。
アメリカの状況の推移を見ていると、農・畜産業での農薬・抗生剤濫用からのアレルギー疾患増加、グルテンフリーやビーガン流行への流れは政治的に必然であったのだろうとは思う(新生児や乳児への直接的な投与に比べれば軽度とはいえ、母体への抗生剤摂取も間接的に胎児や乳児の腸内細菌叢へ悪影響を与える、また農薬の影響も同様である模様)。