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フリーライターが何でも屋さんに成り果てそうになった頃の話

会社員と違い、フリーランスは仕事の幅が無限大。
どんな会社のどんな案件でも受けられるし、職種の転換だって自由。
ライターをやっていたけれどPRに興味が出た、翻訳もやってみたい、営業のお手伝いも楽しそう…など、何か新しいことに興味が出てきたら、異動願いを出さずとも自分の好きな職種にチャレンジすることができます。(フリーランスが新しい職種に手を出す方法については、また今後詳しく書きたいな)

そんな自由すぎる環境だからこそ、仕事をむやみやたらに受けていると大変なことになることもあります。
わたしが大変なことになった経験を、少しだけお話しさせてください。

フリーランスになりたての頃、わたしはとにかく仕事を欲していました。
というよりも、フリーランスとして生きていける保証がなかったことから、とにかく仕事をたくさん抱えて安心したかったのです。
そうしてクラウドソーシングに登録し、片っ端から案件に応募。
受かった仕事をがむしゃらに受け、そこから派生した仕事に関しても、何でもOKしてどんどん仕事の幅を広げようとしました。

そんなわたしを待ち受けていたのは、「あれ、わたしって何者だっけ」という迷宮。
フリーライターとして独立したつもりが、いつのまにかSNSの画像制作を受け、雑用みたいなことも受け、秘書まがいな仕事も受け、「フリー何でも屋さん」になっていたのです。

好奇心旺盛なもので、新しいところに飛び込むのは好き。
だから苦ではなかったのだけれど、大事なのはそこじゃなくて。

わたしがフリーランスになった理由のひとつに「わたしという人間を仕事にしたい」というものがあります。
誰にでもできる仕事を透明人間のようにこなすのではなく、仕事をすることで誰かに「比嘉桃子」という名前を知ってほしい。
自分にしかできない仕事を、自分にしかできないクオリティで届けたい。
そう思っていたのに、気づけば透明人間になりかけていたのです。

また、わたしは忙しくなりたくてフリーランスになったのではありません。
人生は仕事だけではない。
プライベートも大切にしたいからこそ、時間を自由に使えるフリーランスという働き方を選びました。
なのに、案件を受けすぎてがんじがらめの毎日。
朝から晩まで、寝る間を惜しんで仕事をしなければならなくなっていました。

何でもかんでも受けていても、理想のフリーランスライフには到達できない。
そう思ったわたしは、そこから仕事を受ける際に「軸」を設けることにしました。

・「比嘉桃子」として胸を張って受けられる仕事か
・人生が仕事で埋め尽くされるリスクはないか(キャパはあるのか)
・以上を犠牲にしてまでも飛び込んでみたい仕事か

3つめの「以上を犠牲にしてまでも飛び込んでみたい仕事か」という軸を残しておくことで、自分のチャレンジを狭めないというところがポイント。
時に、どんなことを犠牲にしてでも挑戦してみたい夢のような仕事が舞い込んでくることもあります。
そうしたときは、この3つめの軸を発動し、がむしゃらに飛び込んでみることが大事だと感じているからです。

こうしてある程度の軸を通した仕事のみ受けることで、少しずつわたしのフリーランスライフは、わたしらしいものへと変化していきました。

今でも受ける仕事の内容やキャパシティを見誤ることはあります。
でも、自分なりの軸を作っておくことで道を大きく踏み外すことは減るはず。
フリーランスはただの「何でも屋さん」ではありません。
自分のやりたい仕事を、やりたいペースでできること。
このメリットを最大限享受できるよう、ぜひ自分なりの軸を定めてみてはいかがでしょうか。

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