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「最後の秘境 東京藝大」 突き詰め続けるとこうなるのか? なんだこの世界は!

めちゃコミで読み始めたら、面白くて止まらず本屋さんで見かけたのでそのまま買っちゃった、「最後の秘境 東京藝大」。

いや、大学を秘境って。何?と思ったんだけど読んでいくと色々納得な秘境感。

藝大というと、音楽と美術の大学で、高い倍率をくぐり抜けてきた、才能のある人々の通うトコロという印象ですが、この漫画を読んだら超人達の大学。。。なのか?

このお話は原作著者の奥さまが現役藝大生で彫刻を学んでいて、いつも不思議なことをしていることから、藝大ってどんなところ?と興味を抱いて取材をしてまとめた小説を漫画にしたものです。

チャプターごとに1人取材していて、幼い頃はどうだったか、なぜ藝大を受験したのか、藝大生の今はどんなことをしているのか、といった内容が書かれていてその一つ一つが大変に興味深いのです。

登場人物達に質問したことをまとめたチャプターもあるんだけど、ここまでこうなのか!(語彙力)という感嘆と感動と笑い、そして時にそのひたむきさに震えます。

美術の方はイメージに近かったけど、音楽の方はここまでらやないとダメなの?みたいな大変なことを幼い頃から積み上げてきた人達も多くて、ぐっときます。幼い頃は親の言う通りに頑張ってきたけど、苦しかったとということを認めてそこから自分で考え抜いてここに至る人も少なくないのだろうと、入学当時18歳ぐらいの若者の強い意志や思いを考えると複雑な気持ちになりますが、藝大生となった今はしっかりと自分を持っている人も多く、この大学に入るまでに乗り越えてきたものを思うと生きることは努力の上に努力を重ねていくことなのだということを思い知らされます。

美術の方ももちろん血の滲むような努力をしてたどり着いた人も多そうですが、音楽よりも少しくだけた雰囲気なのかな?製作物と向き合っていることが多いためか、服装も音楽を学ぶ人達よりカジュアルで、突き抜けまくってる人が多く登場します。

なんだろうな。この人達。

すごく好きで、練習して、場数を踏んでるから失敗をしなさそうで、自分の限界を突破してもなお練習して、ゆるぎのないものを作り上げてる感じ。好きってここまでするのかな?すごいな。がんばるってこんなに労力要るのかな?と疑問ばかり出てきちゃうけど、好きで続けて誰にも負けないものを持った人は、本人の意思関係なく突き抜けちゃうんだよね。このことがもっと自分を強くする。そんな世界なのだろうなと思いました。

ノーマッスルガールの私からすると、ボディビルダーってすごいの一言なんだけど、芸術も筋肉作るのと似てるんじゃないかな。

筋肉は裏切らないって言うし。

命がけでやってきたことって、自信が出てきて自分の努力の形を確立できちゃうんだろうね。

ほんとは人間みんなに、大好きで譲れない努力のかたまりみたいなのがあったら、自信に溢れた人ばかりなんだろうけど、そこには避けて通れない運やタイミングもあったりで、考えさせられちゃう。

自分を含め、何が好きで何がしたいか分からないって人も世の中にはたくさん居ると思う。自分の好きに気付くのだって運なんだろうな。

ストイックに子供をレールに乗せてしまえる親を持つことも、シビアに言えば結果次第だけど、それだって運なのだろう。

美術や音楽頑張ってる人達に手に取って欲しいし、何かをがんばりたいなって人にも読んでほしい漫画でした。

天才だからこそ、努力してんだよね。うん。


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