2020年12月24日 クリスマス・イブ
メリークリスマス。
イブ?イヴ?まあどっちでもいいけど世間はクリスマスで賑わっているらしくて、騒々しい雰囲気が伝わってくる。
Twitterでは4℃のネックレス論争で盛り上がっていると思えば、今年のM-1グランプリの優勝者の漫才は果たして本当に漫才だったのか論争も繰り広げられており、世知辛い世の中になったものだなと月並みな感想を頭に浮かべながらひとりスマホの画面を眺める。
外に出ると既に真っ暗で霧雨が降っていた。
サラサラとした雨は私のことを少し濡らしたけれど、いつも濡れると気になる雨もなぜか今日は少しも気にならなかった。
夜ご飯を買いに向かったスペイン料理屋さんは激混みで、ソーシャルディスタンスなんてお構い無しの蜜具合いになっており、ここに小池百合子が登場したら一気に場が静まるんだろうなとかどうでも良いことを考えながら料理を出来上がるのをひとり待っていた。
「お姉さんどうぞ」と気をつかってお客さんがカウンター席を案内してくれたけど、テイクアウトなので断ったりする会話をした。こういう時に、そうか私ってお姉さんに見えるのかと自分の見え方や輪郭を再確認する。未だにお姉さんと呼ばれることには慣れていない反面、そう言われるのは少しうれしい気持ちもあったりする。
購入したのはパスタのパエリアとご飯のパエリアコロッケ。
注文した後気づいたけどまさかのパエリア被りで、店員さんもこの人めっちゃパエリアが好きなんだろうな思ったに違いないとか考えながら店を出た。
ふと目をやると、京都タワーが緑色と赤色に照らされておりやけに浮かれているように見える。霧雨も相まって白く濁った夜の空と共にどこかいつもとは違う雰囲気が漂っていた。
今日どんな人たちが、どれだけの愛を確かめ合ったのだろうかと考える。
こんなにクリスマス・イブを意識したのは小学生以来かもしれないと、幼少期の頃に思いを馳せたりした。リビングにクリスマスツリーが飾られなくなった頃から、私にとってクリスマスは少し寂しい日になっていたのかもしれない、なんて思いながら帰路に着く。
パエリアとパエリアコロッケはとても美味しくて感謝の気持ちでいっぱいになった。ありがとう、イエス・キリスト。ありがとう、サンタクロース。ありがとう、カーネル・サンダース。
クリスマス・イブの今日から、また書き始めようと思う。