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2020年12月28日 ほうじ茶と冬の匂い

一日中布団の中にいた昨日とは打って変わって、わたしは外に出て自転車を走らせていた。今日はなぜか暖かくて風が気持ちいい。マフラーをしていると暑いくらいだった。

途中駆け足で入ったファミリーマートでほうじ茶のホットを購入して、マスクを外して喉へ流し込む。その時、ふと遠い昔の感情が浮き上がってくる感覚になった。

冬の冷たい風。土と風の冷えた匂い。そしてお茶の香り。
ずっとずっと昔、わくわくしながら陽の当たる冬景色を見た時の感情。いつなのかは思い出せないけど、迫り来る高揚感とそこに居られることの幸せな気持ちがそこにあったことは確実で、とても懐かしい気持ちになった。

こういう冬の昔の記憶を思い出すとき、一緒に思い出す場面は中学生の頃の冬の朝練。

大分と厳しい陸上部に入っていたので、毎朝"朝練"があった。
わたしはスタスタと音を立てながらグラウンドを走っている。寒くて鼻をすすりながら、ペースを上げる。遠くに大嫌いな顧問の先生が見えた。「肩に力入ってるで!」と仁王立ちしながらやたらと大きな声で叫んでいる。なんでそんな足のスタンス広げて立ってるんだよと愚痴を心の中で漏らしながらも、アドバイスを聞き入れて肩の力を抜き、また走る。早く終わらないかなと、校舎の時計に目をやってばかりで走ることには集中できていなかった気がする。

走りながら鼻をすすると同時に冷たい空気が入ってきて、冬を感じて少し嬉しくなったりもした。それなりに朝に走るのは楽しかったのだと思う。雲ひとつない青空が、綺麗だった。

昔から冬は嫌いじゃないな、と思いながらまた自転車に乗り直してペダルを漕いだ。
アルバイト先には、いつもより早く到着した。

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