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2020年12月31日 大晦日
昨夜は大雪が降ったらしい。
天井にしか窓がない部屋に住んでいるので夜中は白い雪が見えず、はたまた昼に起きてしまったので積もった雪は既に溶けてしまっていて、真っ白に積もった雪を見ることができなかった。
風がとても冷たく感じて、自転車に乗っていると顔が痛くなってくる。京都は例年より人が少なく感じて、過ごしやすいのはいいのだけどそれはそれで少し寂しい気がする。
実家に帰るために電車に乗った。
この世の終わりみたいな綺麗な車窓を写真に収めたりした。この型番の電車って高校生の時から乗っているな、とか10年も経てばもう少し新しい車体のものとか走らせたりしないのかな、そんな電車って入れ替わり激しいものでもないか、とか考えたり。
途中乗り換えの駅で降りると、ものすごく寒く感じる。盆地である京都の方が寒いはずなのに、なぜこんなに寒いと感じるのかと不思議に思ったりした。
慣れ親しんだ地元へ足を踏み入れると、五感が敏感になるような気分になってさらに自分と無理矢理にでも向き合わされる感覚になる。あたためた牛乳に膜が張るみたいに、なにか自分の中にある余分な成分が浮き上がって来る感覚もあったりして、あまり気分は良くない。ああ、そういえばこんな場所だったなと思い出すと同時にもうここには戻ってはいけないという警戒心も生まれているのが分かる。
実家へ帰ると玄関先で父親に偶然出会う。「昨日は雪がものすごい降ってな…」「あ、そう」という会話だけを交わしてエレベーターに乗り、無言の時間が終わるのを待った。
紅白歌合戦とオールザッツ漫才を交互に見る。南大阪のカスカップルで大笑いしながらすき焼きを食べる。家だ。The家だ。だらだらと紅白歌合戦を見なくてもいいのに見てしまう。収穫は瑛人の香水が本当にわけのわからない曲なんだなということがわかったことと、嵐のラストステージを見れたこと、そして復活したミイヒちゃんを見ることができたこと。なんだかんだ言いながらみんな紅白歌合戦が大好きなんだなとTwitterの画面を眺めてはぼーっとしている。
今年の大晦日は、過去の自分と今の自分の両方がここにいる気がした。もちろん初めての感情なのだけれど。除夜の鐘が鳴っている。蕎麦を食べろと声をかけられたので、筆をおくことにする。