適応障害で休職になった その2
休職予定終了日の9月30日まで 残り1週間を切った。
とりあえず何も考えずに休める期間も、もう殆ど残っていない。
「とりあえず何も考えずに休める」とはいっても
診断を得てからのここ2週間あまり
何も考えないなんてことができるわけもなくて
気の急く日々だった
友人や恋人から連絡をもらう度に
「彼ら/彼女らはこんなに働いているのに、自分は何もしていなくて 情けない/申し訳ない/面目が立たない」という気持ちが募る
働いている人たちの姿を見るのがあまりに辛いので、
友人からの連絡を一方的に無視して 見ないようにする
辛くなりたくないし 卑屈な態度をとりたくないから
何も見ない
何も言わないのが正解だ
***
傷病手当のことやら、失業保険のことやらを調べてみる
思っていたよりも失業保険を貰うのにハードルが高くて驚く
これは早く働かなくては、と思う
だが前の職場に戻れる自信は全くない
傷病手当金のことを会社に相談しなければならないが
その前にそもそも、休職を続けるのか 退職の相談をするべきかで悩む
なんと連絡を入れたら良いのかがわからない
自分は どうしたいのかが分からない
ただ、収入のないことに焦るだけだ
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藁にも縋る思いで、以前世話になった転職エージェントに連絡をとってみる
「ご自身が本当に転職活動を再開できるコンディションになることが今は一番大事なのではないかと思います」と言ってくれた
言われて はたと考えてみる
そうだ 自分は今 ちゃんと次の仕事のことを考えられる状況にあるのか?
もし内定を得たとして また定時で働きに出られるのか?
精神状況はもう落ち着いているか?
友人からの連絡が来ても、気を病むことなく返事ができるようになったのは そういえばこの1週間で昨日が初めてだったな、と気付く。
よくよく考えてみれば まだあまり良いコンディションではないのかもしれない
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この間 職場に復帰した夢を見た
上司が気を遣いながら自分に指示をしてくれている
考慮がありがたいと思いつつも 腫れ物に触れるような形でしか
指示を振ってもらえなくなってしまった自分に 少し胸が痛む
その上司と、先輩が別件で話をしているのをたまたま見てしまった
職務を途中で投げ出すようにして休んだ自分のことを
かなりの剣幕で先輩が罵倒していて
上司は気まずそうにしながらも相槌を打っていた
リアルな夢
起床後の気持ちが絶望的だった
隣に恋人がいた夜なのに
そんな夢を見てしまっていた自分に少し凹んだ
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昨日は本当に久しぶりに、いつもよく話す友人と
卑屈な感傷に脅かされることなしに
楽しく 馬鹿らしい会話ができた
そんな風に罪悪感を感じずに人と会話できたのは
だいぶ久しぶりのような感覚がした
恋人と過ごして外泊して出かけたここ数日間、
自分の気持ちが満たされていたから
少しは前を向けるようになったのかもしれない
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付き合って初めて迎える恋人の誕生日
恋人に喜んでもらえるようにと沢山の準備をして
沢山恋人に喜んでもらえて
もちろん自分も楽しい時間を過ごした
正しい「休み方」をしたのだ
今の自分でできる行動を承認してもらって
彼からの愛を受けて
今の自分を愛せていた ここ数日は
恋人の存在の大きさを 噛み締めた瞬間だった
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まだ「休養」を取ることが自分にとって必要なのかは分からない
だって体は元気で 気分のいい瞬間だって 今もあるし
でももう少し休んで、もうちょっとゆっくりラクに
ヒマする期間があってもいいのかな なんて
ちょっと楽天的な気持ちも出てきた
休むことへの罪悪感が 少し薄くなった証拠だった
そんな気を持てるくらいには回復してきたってことだと思う
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焦らず 戦える自分に整えてから また労働に向き合うのが
もしかしたら正解なのかもしれない
そんなにのんびりと生きていて、物価高や円安の続くこの日本社会を
生き延びられるのかは分からないし
きっと何もしないままでは立ち行かないから
何かアクションを起こさなければいけないけれど。
でも前よりは焦りがない。
ちょっとはいい傾向が見えてきたなと思ってホッとした
いい洗濯日和
洗濯物を干して
美味しい朝ごはんを作って食べて
エージェントと電話もしたから
もう今日は100点ってことにさせてもらう。
今は人生の臨時休暇だ
この休暇でしか見つけられないものも、きっとあるのだ。