パソコンが故障しているか確認する方法
パソコンの障害や故障は、ハードウェア(パーツの物理故障、配線の問題)とソフトウェア(Windows、デバイス、プログラムの不具合)の2種類があります
この記事では、ハードウェア故障を切り分ける方法を紹介します
パソコン障害時の問題切り分け方法
基本
・大手メーカー製パソコン(HP、Dell、Lenovoなど)はメーカー製のハードウェア診断ツールや、起動時のビープ音などで内部パーツの物理故障を検知できるため故障箇所の特定や修理対応が容易
・マウス、パソコン工房、ドスパラなどのBTOパソコンや自作パソコンは総合的な診断ツールがないため自力で故障箇所の特定と修理対応が必要
・WindowsUpdateの不具合情報を確認して、自分のパソコンで起きている不具合が該当していないか確認する
・ブルースクリーンや強制停止など問題が発生した時間とタイミングを控える
・ブルースクリーンは停止コードが表示されるため画面を撮影しておく
・モニタ、マウス、キーボード以外の機器をパソコン本体から取り外し、最小限の構成で問題が再現するか確認する
・パソコンの電源を入れたまま長時間放置することでプログラムの問題か切り分けられる
・イベントビューアーでエラーや警告が発生している場合、故障箇所が特定できる場合がある
(Windowsアイコン右クリック>イベントビューアー>Windowsログ>システム)
各パーツの診断方法と故障時の症状
ストレージ(SSD/HDD)
故障時の症状
・BIOS画面からWindows起動までの時間が遅くなる
・エクスプローラーが頻繁に応答なしになる
・ブルースクリーンでエラーコード0x0000007A、0x000000EDが発生する
・故障した外付けHDDはUSB接続しているだけでパソコンの動作が遅くなる
・SSDの空き容量が10%以下の場合、空き容量を増やすことで改善する可能性がある(SSDは50%を切ると徐々に転送速度が遅くなる)
診断方法
・イベントビューアーでDisk、NTFSのエラーが多発している場合、ストレージ故障かOSファイル破損の可能性が高い
・CrystalDiskInfoで物理的な劣化状況が確認できる
・チェックディスクで改善する場合があるが、故障したストレージでチェックディスクを実行すると悪化する可能性がある
メモリ
故障時の症状
・PC起動直後は問題なく、長時間の利用でフリーズやブルースクリーンが発生する
・メモリ不足、カーネルエラー
・ブルースクリーンでエラーコード0x00000050 、0x0000007Fが発生
・イベントビューアーに「Microsoft-Windows-Memory-Diagnostic-Task-Handler」
診断方法
Windowsメモリ診断を実行する
メモリオーバークロック(XMP)を有効化している場合はMemTest86でより詳細なチェックが可能だが起動用USBメモリの作成など少し手間がかかる
https://help.corsair.com/hc/ja/articles/4413740029709
GPU(グラフィックボード)
故障時の症状
・画面にノイズが発生する、映像が乱れる
・ゲーム中にPC本体の音が異常に大きくなる
・電源を入れてもモニタに映像が映らない
・ブルースクリーンでコード0x00000117が発生
診断方法
・パソコン本体の蓋を開け、PC起動中にGPUのファンが回転しているか確認する
・グラフィックドライバを問題が発生する前のバージョンに戻す
・一度GPUを取り外して問題が発生するか確認する
システムボード
故障時の症状
・パソコンの電源が入らない、映像が映らない
・Windowsが起動しない
システムボードはPC内すべてのパーツと接続されているため故障の特定が難しい
メーカーで引き取り修理を行ってシステムボード以外のパーツを交換した後も問題が発生する場合はシステムボードが故障している可能性が高い
電力ユニット
故障時の症状
・Windowsが起動する前に電源が切れる
・高負荷時に電源が切れる
・電源故障の場合ブルースクリーンにはならない
診断方法
・パソコンの消費電力はJoulemeterで確認ができる
・搭載している電源容量の50%以下で、一定の消費電力に達した時に電源が落ちる場合は電源故障の可能性が高い
・搭載している電源容量の70%を超える場合電力不足の可能性がある
ノートパソコンは40~100W、デスクトップパソコンは150~400W、モニタは50~100Wほど電力を使用する
コンセントからパソコンまでの経路でコンセントの電源容量(1500W)を越えていないか確認する
その他
温度の問題
パソコン内部のパーツは温度が90℃を越えると安全装置が働き、速度低下や強制停止が発生する
平常時はCPUが30〜40℃、GPUは40~60℃ほどで動作する
CPUの温度はCoreTempで確認できる
GPUはタスクマネージャーまたはGPUメーカーで配布しているGPU管理ソフトで確認できる
SSDは温度により転送速度が低下するため、SSD周りの冷却が十分でない時に大容量データの移動を長時間行っていると徐々に遅くなる
パソコンを放置していても温度が上がる場合は室温が高い、ファンが停止している、ファンが塞がっている、ファンの向きが間違っているなどが考えられる
ケーブル類の問題
パソコン起動中にケーブルを軽く動かして問題が発生するか確認する
LAN/HDMIケーブルは製品によっては電子機器のノイズ影響を受けやすく、電子レンジや掃除機、ドライヤーなど家電の付近に配線していると映像が乱れたりネットワークが不安定になるなど影響を及ぼす場合がある
特に5m以上のLAN/HDMIケーブルや、電源を使わない延長ケーブルはノイズの影響を受けやすく、電力不足で不安定になることもある
本体に電源ケーブルが付いていない(バスパワー非対応)のHDMI切替器、USBハブは電力が制限されるため機器やケーブルの組み合わせにより動作しないことや、途切れることがある
HDMIやDisplayPortケーブルは対応バージョンがあり、モニタとパソコンは最新バージョンに対応していても中間のケーブルやHDMI切替器が古いと古いバージョンとして認識されてHDRや高リフレッシュレート(144Hz〜)などの機能が選択できないことや、画質を上げると映像が不定期に途切れることがある
USB機器
パソコン本体やUSBハブで複数のUSBポートが並んでいる箇所は、電力やデータの送受信速度が共有されている
USBの映像キャプチャーボード、外付けHDD、4KのWebカメラ、スマホなどは1ポートだけですべての帯域を使い切るほど転送量が多く、付近のUSBポートの動作に影響を与える
USB赤外線マウスの操作が遅くなる、USBのWi-fiアダプタでネットワークが切断されるなどの問題が発生する場合はUSBポートを変えることで改善する可能性がある
多くのデスクトップパソコンでは前面USBと背面USBで内部系統が異なるため、マウスやキーボードなどは背面、映像キャプチャーボードは前面に接続することで改善する場合がある
また、USB Type-CやPCIのキャプチャーボード、Bluetoothマウスを使いUSBポートの帯域を減らすことができる