奇跡、あるいは奇跡ではないからこそ美しい何か ChroNoiR One-Man Live "Welcome to Wonder Wander World" ライブレポート
まえがき
有り余る推したちへの愛、コロナ、生活、地理的・経済的理由、そもそも当たらない、などの事象により積もりに積もっていたライブに行きたい思いが強すぎて、告知された夜には飛行機の予約サイトを見ていた。
だってくろのわのワンマンだぜ? しかもただのワンマンじゃない、初ワンマン。地方民からすれば東京と大阪は誤差。キャパも過去イチ広い。行くっきゃねえ! と強い決意を胸に、私生活も抽選も奮闘した。
が、徳が足りなかったのか他で運を使い切ったのか、リセールまで見事に全落ちしネチケに。
悲しかったし悔しかったけど、結果的に現地かどうかなんてどうでもいいくらい楽しめてよかった。本当によかった。
以下、古参でも現地勢でもないくろのわリスナーが思い出とともにライブの備忘録をひたすら綴るだけ。ネタバレを多分に含みます。
・叶さん最推しだけど葛葉さんも推し、くろのわのときはほぼ両担
・いまだにヘテロスタシスに囚われている哀れな字書き
当日までの情緒
『LIGHT UP TONES』(2021)を観て初めて、Vtuberの方々のライブってこんなにも見ごたえのあるものなのか、と思った。
ARの恩恵を存分に味わうことのできる演出、声を張り上げる葛葉さんや華麗に踊る叶さんの臨場感。衝撃だった。このひと達にしか、この時代にしかできない表現があるんだ、と。
あれから二年半。忙しくてあまり追えていない時期もあったけれど、二人のことがずっと大好きだ。
このわずか二年半のあいだに(ライブに限って言えば)葛葉さんのソロイベがあり、『Aim Higher』があり、にじフェスがあり叶さんのソロコンがあり、他にもいろいろあり、遂に来るは待望の初ワンマンライブ。
新規の私でさえ「遂に!」と舞い上がったのだから、古参の方々がどんな心境でいらっしゃったかは想像に難くない。ご無事でしたか……?
刻々と近づく決戦の日。アルバム鬼リピを準備運動とし、財布と相談してグッズを買い、いざ城へ出陣! 怖い! どんな爆弾が降ってくるのか怖い!
そんなこんなで、情緒ジェットコースターだった私が二月くらいに作った幻覚妄想セトリがこちら。
絞るの大変だった。強欲なので歌ってほしい曲が多すぎる。
・ヘテロとジェミはあったら嬉しいけど、本当に来たら私が粉塵爆発するからまだ引っ張ってほしいところはある
・ブラグルはウィンターライブ、スターブラックゲイザーはにじフェス2022でがっつりやったし、今回は無いかもしれない
・同ステで各々のソロがあったから、長丁場のワンマンならワンチャンあるかも
・アンコールは歌い手オタクの自我が出た、ごめん
・Not For Youはさすがに無いか(笑)MV出てないし(笑)幻覚幻覚(笑)
ライブを浴びてから改めて見返すと、いちリスナーの愚かさと公式セトリのやばさが浮き彫りになる。セトリを組んでくれた運営の方々と歌ってくれたお二人に脱帽。
↓ここから少しだけ日記、自我注意
今回、カラオケのモニタールームを予約して一人で(一人で)(友人に限界オタクの醜態をさらす勇気がなかった)観た。
いつも行くところに電話すると「その時間はモニターのお部屋全部埋まってますね~」と言われてファンの波動を感じた。地方でもけっこういるんだ。なんか嬉しい。
その後違うお店に電話してみると、「あっ……! まだ空いてます^^」って温かい声で言ってもらったので多分ばれてる。
情緒がボロボロだったので家を出る準備に三時間かかったし、靴は間違えるし道も間違えるし頭の中で素数を数え始めるし、緊張のあまり手元が狂ってコップの水をぶちまけティッシュとハンカチで事なきを得るし、アクスタの台座を逆に取り付けてた。
あとこちらは当たったら現地で着ようかなと思っていた服。黒くてかわいくてたいへん良かった。
「なんか当たる気がするんだよな……」というメンタルで諸々準備してたけど、まぁ当たらんもんは当たらん。しゃーない。
最後まであきらめずに抽選申し込んだから、化け物にならずに観れて良かったなと思う。今日からまた徳を積みまくってにじフェス2025のチケットとかグリーティングとかもぎ取りたい。
本編、行くか……(立ち上がる絵文字)
直前放送~開演
くろのわっていいよね、という話から始めようと思ったけどいつまでも本題に入れなさそうなのでやめます。
直前放送、ガッくんの安心感よ……あと相変わらず百花繚乱さんの進行がうますぎる。心が破壊されたら困るなと思ってチラ見程度にしようと思ってたけど、面白くてがっつり観てしまった。
会場にいる人みんなお洒落ですごい。ニキネキ問わず愛が伝わってくる。ぱぺを首から下げてる人がいて、たまごっちみたいでかわいいなと思った。
フラスタもすごい。大好きな絵師様方の絵がいっぱい見られて嬉しい。重力に反しているものがいくつかあった気がするけど、一体どうやって作られているんだろう……
白薔薇ニキ、立見席ってことは一般かリセール掴み取ったんだろうなあ。愛の強さと執念を感じる。
古参の方のお話を聞くたび、せめてあと一年はやく出会っていたかったな~! と思う。
歌い手さんとコラボしているときに素直に受動喫煙しておけばよかった……けど後悔しても仕方ないし、むしろあのとき出会えたことに感謝していきたい。
🎲「寝言で何か言ってたから聞き返したら『ん?』って言ってそのまま寝た」
🔫「夢に思い出しに行った」
このエピソード可愛すぎる。
叶さんの寝言シリーズ好きだからニッコリしてしまった。
ライブのたびに「緊張する」と口にするお二人。
毎度毎度、百点、いや一兆点くらいのものを出されて爆発四散しているリスナーとしては「またまた~ご謙遜を」くらいに思っていたけれど、今回は本当に本当にたくさん練習したんだろうなとじんわりしてしまうくらい熱意が伝わってきた。後述。まじでありがとう。
私が動揺でぶちまけた水を爆速で拭いている間にも開演の時間は刻一刻と近づいていくし、会場のざわめきとCMがライブ前特有のワクワク感と緊張感を抱かせてくれる。
そうこうしているうちに会場の電気が消え、モニターにアルバムコンプリートセットの扉が! かと思えば二人が!! え!?!? いる!!!!
もう腹をくくるしかない。運命の一曲目……
1. Wanderers
で、ですよね~~~! え!? あっ本当にやってくれるんだ!! アルバムのコンセプトだもんね!? あれ!? いやそんな気はしてたけど!! ありがとう!!!
この曲、本当に好き。
なんだろうな……歌声が繊細なのに力強くて、迷いはありながらも心はとうに結論を出しているような歌詞もあいまって不協和音みたいな(褒めてる)中毒性がすごい。
ダークルームしかり世界観が強くて引き込まれる。
すごい……本当に存在している……とか馬鹿なこと考えていたので、次の曲で一気に目が覚めることに。
2. Stereochrome
で、ですよね~~~!! 再放送!?
このあたりで「もしかして全部アルバムの曲順か? 間に他の曲挟む感じだとしたら最後にTwilightが来る可能性が……ある……?」と気づいてしまって、この時点で寿命が残り二時間になった。
いろんなところで叶さんが葛葉さんのStereochromeを褒めていたのを知っているから、まるで見守るような叶さんのコールが味わい深い。お互いがお互いを褒め合うの、ノワの好きな構図TOP5に入る。
というか、今回の叶さんは普段の隙のないパフォーマンスとはまた違って、自然体っぽいシーンが多かった気がする。葛葉さんがあまりファンサをしない方だから控えめにしておいたそう。配慮の鬼?
「血の獄覆う日の畜生 したたる血の化粧」
「純白の羽で包み隠す悪魔の微笑」
ここ、声に出して言いたい日本語すぎる。音に対する詰め込み方がクセになって好きな曲なので、生ラップ聴けて良かった。
3. ブラッディ・グルービー
じゃあ次カオティックライ……聞いてない!!! ブラグルは聞いてない!!!!! あの!! ちょっと!!! 聞いてない!!!!! 心臓口からまろび出たって!!!!
ウィンターライブでもやってるし、今回はないかな~と油断してたらまさかまさかのセトリイン。しかも振り付け変わってる。おもしれーユニット……
最初のドラムの重低音が好き。全体的にサウンドが軽く? 弾む感じ? になっていて、やっぱり収録とライブとで結構変わるんだな~と思った。
MC①
好きな会話を自分用にメモるだけ。語尾や表現を短縮している部分があります。
叶さんの振り返り配信によると二枚お食べになっていたそう。たすかる。
🔫「ここまでで一番緊張してなかった?」
🎲「そりゃっ……するよ! てか言うなよ! いくら人書いたって足りないんだから!」
🔫「飲み切れない?」
🎲「飲み切れない。お腹いっぱいですよもう」
🔫「ChroNoiR結成したときにね、いつかワンマンしたいねって話はたぶん、都度都度、周年や記念で話していたと思うんですけど」
🎲「そうね! まさか本当に」
🔫「叶いました!」
これを「叶わないと書いて」の叶さんが言うのだから涙を禁じ得ない。
🎲「埋まってくれてよかった!」
むしろかなり席足りてないです
ここで葛葉さんが叶さんからチラッと客席に視線を移してまた戻すの、助けを求めているみたいでかなり良かった。
(コーレスどうする?の話)
🎲「まぁ次の曲が終わりましたら、無料パートが終了します」
恐らくみんな察してておもろい
なんだかんだ次の曲へ行くことに。
あっ! Youtubeshortsでやったところだ!
なにやら後ろを向いて準備を始めるお二人。
その後、立ち位置を交換して謎の会話。
🔫「大丈夫? いくよ?」←優しい
4. カオティックライバー
も~~~~この曲、本当に大好き。リズミカルな曲調といい歌詞といい等身大の彼らみたいで、歌声も次々とバトンを受け渡していくみたいに流れていって、ずっと聴いていられる。
ギャップで無事死亡した。
なんですかその一連の動きと移動は。まるでにじフェス2022ステージの冒頭じゃないですか、法に触れても致し方ないくらい可愛さだが?
そして忘れてはならない「凄惨な事件」。
今のは事件……か? いや確かに事件ではあるかもしれないが、しっかりとてぇてぇでリカバリーできている。むしろプラス。お見事。
こういうの、正直一度くらいは見たかった。万病に効くので。ありがとう。
煽りが、全部、良い。葛葉さんの「回せー!」も叶さんの「行くぞ行くぞ行くぞー!!」も「ラストー!!」も全部かっこいい。
「いーよいーよその調子ー!」「もっとはしゃいじゃっていいんだよー!」のところとか、そんな曲じゃないのに泣きそうになった。
この動き本当にコミカルでかわいい。このあと恐らく向き合ってやってるのもたいへん微笑ましい。節約中なのでライバーカメラ迷ってたけどやっぱり買おう。
もしかしたら全編通してこの曲がいちばん健康に良いかもしれない。この世のすべてに感謝したくなるかわいさ及びかっこよさだった。
(余談。タオルは買わなかったのでペンラぶん回してたら、部屋番号間違えたっぽいお兄さんが一瞬入ってきて「あっやべw」みたいな顔で出ていった。かなり尾を引いた)
5. LET IT BURN
イントロで脳がバグった。
ここで!!? LET IT BURN!??!? ダークホースすぎる!!!!
私が沼るより前に公開されていた曲だったので、他のライブでやってたかな? やってなかったかな? 声出しOKのライブならヘドバンシャウトデスボ全部盛り上がるだろうな~とかずっと思ってた。夢は、現実に……
ノワの楽曲の中で一番オラついているかもしれない。治安悪くて大好き。
前奏のあおりも良かった。
ニヒルな笑みって感じで気がおかしくなる。
たまにやってくれるキマり顔、人外っぽくて大好き。
炎! 巻き舌! がなり! どこからともなく聞こえてくる社長のシャウト! どれも迫力満点!
過去動画と比べてみると、特にサビの歌声に深みが出ているのと、二人ともがなりに磨きがかかっているのとが分かって良い。
あと、あと汗!!!!
なんですかあれ。なん……なんですかあれは。
特に一番の後の間奏がえぐい。
しかもよく見るとちゃんと流れてる。これやろうって言った人、この先多くの人の命を救うと思うので偉人認定してもらってほしい。
二番の顔が良すぎてあまり記憶がない。
メタメタにロックな曲なのに、お二人ともこれほどまでに妖艶な表情を魅せられるのは何故なのか……
好きなスクショが多すぎて割愛したけど「No!」のヘドバンも好き。華美な衣装で治安の悪いことをするの、癖に刺さる。
強かった。色々と。
投稿当時より大人びているというか、より猛々しい雰囲気になっていて良かった。血気盛んな少年から余裕のある青年になった感じ。歌ってくれてありがとう。
6. 奇祭狂祭
思わず二人の体力を心配してしまった。
あのゆるいMCからの三曲連続でフロア沸き確定演出曲。ギャップにやられるし、このセトリを休憩なしで走りきるプロ根性すげぇや。
あとこの曲、アルバムの中で断トツでぶっ飛んでて大好き。さすがの制作陣。
旗、旗ね……曲がやばいので演出もやばいのは自然の摂理に他ならず、訓練されたオタクは当然のごとく平常心でいられるわけないだろ。
今回、演出がひたすらてんこもりで、次々に流れてくる回転寿司を食べさせられてる気分だった。
振りがこれまた可愛くて狂いそう。お祭り→盆踊りのオマージュ最高。めろちん先生に大感謝。
あと葛葉さんの「鍵は最初から付いちゃいないだろォ!!」が、CDより勢いあって好きだったという備忘録。
そしてやっぱり間奏伸ばすよね~! わかる! ライブで伸ばす間奏の顔だったもんね!! コール練習かバンドメンバー紹介する間奏の顔してるもんね!!
バンドメンバーのみなさん超かっこいい。お顔載せていいか分からないので載せないけど。本当に本当にありがとうございます。
そして待望のヱヰヱヰヤアのお時間。
メンバー紹介が終わり、画面が切り替わると。
ここ、ネチケだとバンドメンバーの方が一人ずつアップになっていたので、メンバー紹介が終わると同時に旗を持っていたことが分かったんですよ。「え!!?? いつの間に!??!? 待ってもしかして今からそれ振るの!!?!?」って。びっくりした。粋なことしてくれるなぁ。
叶さんの振り返り配信によると、ダンサーさんが振っていたこの電飾のついた旗は3~4㎏もあったそう。スタンディングオベーション。
ここでお二人はステージから姿を消し、中央の扉からタイムトラベルするかのような映像が。
ここまでずっとカロリー高かったなぁ。ということは次あたりにVVSとかTorporとかかな? とか呑気に考えていたとき、「それ」はやってきた。
ん……? あれなんだっけこの曲……! どっかで聴いたことある気……が……
7. ロデオ
?
なんか来たけど??
は????????????
共通衣装????????????????????
えっ あの 待って 平然と歌い始めないで!? 駄目だ!! 分からぬ!! 分からねば!!
とりあえず「あっ思い出したこれLIP×LIPのやつだ」などとと思考を明後日の方向に飛ばすことで、目の前の光景を理解することをいったん諦める。
歌詞との親和性、二次創作ですか?
ここでお互いのことを見るの、死にかけのオタクに確入れに来ていますね。
バディの曲ということで、動きも心なしかバディ感強め。
間奏に入り、「改めまして、「ChroNoiRです!」」と揃ってお辞儀。そして四年半前、二人の初めてのライブ(にじさんじ Music Festival~Powered by DMM music~)でこの曲を歌ったことに言及する叶さん。
『ロデオ』という曲名に、そういえばどこかでそんな話を聞いたことがあるような、ないような気がした(にじフェス2021 VACHSSステージの『ロメオ』の話だったかもしれない)。
初めてのライブで歌った曲をワンマンの舞台で歌うのずるいよ、と古参でもないのにあやうく泣くところだった。
間違いなく最高の演出と選曲だった。古参の方々、息してるかしら。
ただ恐ろしいことに、『ロデオ』はエモの序章に過ぎなかった。
次の曲、私はイントロで泣いてしまって駄目だったよ。
8. Not For You
嘘……嘘だ……歌ってほしいなとは思ってたけど本当に歌ってくれると思わなかった……
沼りたての頃、二人の楽曲でサブスク配信されている曲がまだ『Not For You』と咎ノワの『I‘m gonna be OK』しかなく、外で永遠に聴いていた。
「歌がうますぎる! 叶さんのやわらかい高音も葛葉さんの攻撃力高いラップも最高! ふたりのそれぞれの魅力をここまで引き出せるの天才! 今ならもっと上手いんだろうなぁ!」とずっと想像していたし、ずっと聴きたかった。夢?
しかし神がかっていたのは選曲だけじゃなかった。運営様は一体なぜこれほどまでオタクの需要を理解しているのか。
むり、かっこいい、大好き。ありがとうしか出てこない。銃の形がめっちゃいい。あと後ろ「ゲーマーズ」って読めないこともない。
個人的に、曲に入っていない葛葉さんの「I know」の合いの手が京まふと同じものだったことに沸いた。やっぱり至るところに歴史が詰め込まれてる。
↓ここで少しだけ聴けます
叶さんは、爽やかで優しい声はそのまま、しっかりと裏打ちされた自信を感じさせる堂々たる歌い方に。
葛葉さんは、ドライで鋭い声質は変わっていないけれど、自分のパートを改めて自分のものにしたかのような抑揚に富んだ歌い方に。
明らかに上がっている歌唱力に、お二人の努力の積み重ねを感じた。
この数分で数年分の歴史を視た気がしたし、直前のロデオ、車や銃の演出もあいまって、普段ゲームをしている彼らの延長線上のステージのように感じた。
こういうのに弱いんだ。本当にありがとう。
9. Buddy&Wilderness
…………?
幻覚でも見てんのか? かわいい女の子たちがステージにいる気が……
本当にいる!!!!!!!!!!!!!!
そんなことできるんだ!? が最初の感想だった。現地イベントでシークレットゲストって聞いたことない気がする。そこ大阪だよね?
でも、考えて見れば確かに、こんな機会でもないと共通衣装で五人揃ってこの曲歌うのってなかなか難しいのかもしれない。笹木もサロメ嬢も星川も大人のひとたちもありがとう。
こんなに落ち着いて感想を述べられるのはライブを観終え一夜明けたからであって、初見の時は全然フリーズしてた。
笹木が出てきたことでふと、葛葉さんはきっといつものようにしぃしぃに「また3D貰っとる!」って言われてしまうのだろうなと想像して笑ってしまった。「演出の予算えぐい!」とかも言われそう。
まさにドリームチームだったなあ……三人とも出てくれてありがとう……
MC②
ここ、完全にいつものゲマズのやりとりだった。どれだけ大きな舞台になっても変わらないこの空気が好きなんだ……
その後、女子組が離脱し舞台は暗転。
はあ、衝撃を和らげるためにお色直しの予想でもするか。どうせ塵になるけど。
あえて、ここであえてのデフォ衣装とか? 叶さんが人妻でもポニテでも泣いて喜ぶよ俺は。あ~でも葛葉さんのコントレイル衣装とか、もっかい見たいな! それか、明日のろふまおと合わせてAim Higherを意識したレーベル衣装も……
とか考えてた、まさにそのとき。
ここここここの白と黒の対称的なシルエットはぁ!!??!??!?!?
ステージをあえて暗転しきらず、シルエットで匂わせるのうますぎる。会場の方も沸いてて良かった。
10.K/D Dance Hall
イントロ、ガチで叫んだ。
レーベル衣装でソロ曲を一緒に歌うとかいう味の濃いこと、誰が考えたんだ……? 私か? あれ? 今回のセトリと演出って私が考えたんだっけ? そうでなければ都合が良すぎる。
しかも曲目は『K/D Dance Hall』。夜明かしの中でいちばん好きなので本当にうれしかった。
「眠れない夜からそっと 逃げ出すためのパスワード」
「コミュニケーションの銃口」
「渇く、渇く 心が」
「煽りたいだけのエモート」
「空になってくエナドリとダンスホール」
叶さんも仰っていたけれど、とにかくゲーマーに似合う曲。ノワとの親和性が高すぎる。
『夜明かし』の中でいちばん好きな曲。
ソロコンの振りがめちゃくちゃかっこよくて永遠に見てたから、この衣装で見ることができただけでもHappyなのに、そのままもう一人の推しまで踊ってくれたもんだから明日車にでも轢かれるんかなとか思った。俺得すぎるよ。
「ぶっ放そう Midnight」のバーンが特に好きなので比較してみた。
ソロコンはポップでクレイジーな世界観に引き込まれるようなパフォーマンスだったけれど、今回はいつも楽しみながら配信をしている時の素の感じに近かった気がする。等身大って感じで良かった。
「煽りたいだけのエモート」の振りもかわいかったなあ。語りきれんて。
ありがとう……ありがとう……とひたすら唱えてたら終わってた。
11.Black Clock
こっちもか!! ちくしょうやりやがった!!!
自分、個人の活動としては叶さん最推しなのであまり知ったようなこと言えないのですが、この曲本当にかっこいい。王道アニソンって感じで。
今気づいたけど、照明の色が青から赤になっていたんだな。運営様が分かり手すぎる。
衣装と歌声で、カレスコの冒頭も心が震えたな~と思い出した。
なんか、比べてみると、たった4か月前なのに歌も動きもすごくレベルが上がっている気がする。葛葉さんらしい奔放な雰囲気が増したというか。成長速度がスポンジのそれ。
そして三たびお色直し。心臓がもたない。
残りの曲を考えてもやっぱりデフォ衣装か、あえての初期衣装がしっくり来るような……個人勢のときの衣装を3D化とか……いやまぁないか……
(この思考が後にたいへんな伏線になってしまって、いくらなんでもオタクに都合が良すぎないか? と思った。後述)
12.Predown
うわああああそっちか~~~!! たすかる!! そしてここでいたずらにアルバムの曲順を無視したっていい!!
ラインの洗練されたカレスコ衣装、確かに叶さんのスタイリッシュなデフォ衣装に合う。
合同ソロステージだった『Aim Higher』(2022)の衣装からそれぞれのソロイベ(2023)の衣装に移り変わっていくのも趣深いし、偶然か意図的か分からないけどレーベル衣装から白と黒が逆転してるのも天才の所業。偶然じゃないとしたらどなたが考えたんですか? お金振り込まなくて大丈夫ですか?
パワフルな雰囲気から一転、おしゃれで大人っぽくて程よく色気が漂ってる。いきなりの味変に脳が追い付いていかなくても、二人がかっこいいということは把握した。
この曲もなぁ、とにかくチルいんだ。VVSやTorporとはまた違った、素直な寂しさとわずかな強がりを感じさせる曲調が好き。
全体的に、しっとり感を残しながらも要所要所で声を張り上げるところにライブを感じた。シンプルに歌が上手いんだ~。
余韻に浸る間もなく、衣装がこんなにオシャということは、もちろん曲もオシャなものが続くと言うことはある程度予想されるわけで。
13.VVS
あああああ遂に来た! と思ったら、
なんだこのラスボス感は……!?
イントロがないからこそ醸し出される唐突さと強者感、MVの世界を再現したかのようなバックの映像、堂々としたお二人の立ち姿。思わず息を止めて見てしまった。
あと……あとさ……葛葉さんのファンサが突然の供給過多で……
私の幻覚幻聴じゃないことを願うばかり。
衝撃で情緒が吹き飛んだし、その後しばらく会場がざわついてたの面白かった(本人曰く投げキッスではなく舌打ちかもしれないそう)。
後日改めて爆音でVVSを聴いてみたら、確かに一番ラスト、かすかにリップ音が入ってる。
おのれ! 耳! 100回はリピしているのになぜ今まで気づかなかった!
「あの」葛葉さんがこういう対象年齢高めなことをするときの瞬間火力、半端じゃない。対して叶さんはいつもサービスが充実しているというか、ファンサの福利厚生が整っている。
ロケラン系ファンサとインフラ系ファンサ(そんな概念は無い)、対比になっていて良いなといつも思うんですよ。伝われ。
だめだ、スクショが載せきれない。
とりあえず「名誉はもう要らねぇわ」「地位もクソくだんねぇわ」の手を振るところが気高くて良かったことと叶さんの「薄汚rrrrれた」の巻き舌が攻撃力高くて良かったことは記しておく。
叶さんの振り返り配信より「ダンス一番練習したかも」とのこと。
練習動画と比べてみれば、細かな振りの改善や揃うようになった部分がわかる。言葉通り、修練の跡が見えた曲だった。本当にありがとう。
そして見返していて気づきましたがちゃんと例の部分でウインクしてますね、この吸血鬼……
謙虚な彼が「めちゃくちゃ練習はした」と認めるくらいだし、かなり磨き上げた上であのとんでもないパフォーマンスが出力されたのだろうなということが分かって、この魔性め……と思うと同時にものすごく愛おしかった。やると決めてくれてありがとう。
14.Torpor
駄目だ、これ以上エモ曲を聴いたら心臓が耐えきれない。しかしイントロは容赦なく歌とダンスで殴ってくることが確定しているTorpor。終わりだ。
「神様の容易に不備があって 上手く生きてゆけないみたいだ」
「鈍い痛覚 冷えた指先 世界はたった一つでいい」
「眠る君のまぶたをめくって その眼球にキスをしたいだけ」
「ねぇ起きて! まだ君と遊びたいよ」
さすがとしか言いようのないキタニ節、歌詞もリズムもおしゃれすぎて日頃から無意識のうちに口ずさむし体が揺れる。
ふたりぼっちの世界観、純度の高い蚊帳の外。ライブだとどんな風に化けるのか……
で、出~~~~~!
「スタンドマイクは恋人のように扱え」の時間だ~~~~~~!!
こちらも練習動画をもういちど見てからサビを見ると、この短時間でここまでクオリティ上げるとか成長速度がバグってるよ……と言う気分になる。
ここ、ここの2番に入るところ。叶さんが華麗にターンしてマイクを引き寄せる動作が、優しさと冷たさの中に秘められた獰猛さという感じでこの世の誰よりも似合ってた。何回でも見たい。
こっそりと秘密を共有するような、更けきった夜に似合う曲。パフォーマンスやステージ演出との相性抜群だった。
15.フェイカー
夏代さんの曲はいつだって痛みを抱きしめて輝いている。
この流れで駆け抜けるフェイカー、まるで青春アニメのエンディングみたいで。終わりが近づいてきているのを感じて寂しくなってしまった。
このラスサビに入るとき、ほんの一瞬だけ小さく息を吸うのが聞こえたのが、なんか良かった。
本当にあそこに存在してるんだなって。
ユニゾンの部分が多いからなのか、全体的に二人の歌声が混ざり合って一つになっているみたいに聞こえる。
声質は全然違うのにたびたびどっちの声か分からなくなるの、ノワを推し始めた頃によく聴いていた『終末じゃない』『Ice breaker』あたりを思い出して懐かしくなった。
MC③
また好きな会話をメモるだけ。
コーレスをやっていないことに気がつき、「定番のやついくか」と葛葉さん。
女子と男子をそれぞれやった後、葛葉さんの提案でなぜか「太めの女子~~~!」「細めの男子~~~!」に。そして爆笑する二人。
🎲「発砲許可出てましたけど」
🔫「運転許可も」
🎲「えっ……仮免?」
🔫「あぁまぁまぁまぁ……」
🔫「何回か振り分かんなくなりそうになってちらちらしてた」
🎲「あそうなんだ! 練習だと俺がめっちゃちらちらしてましたね」
🔫「何年目なの? 僕ら」
🎲「ぱっと出ないのやばいぞ」
🔫「聞いてみようよじゃあ! 僕らって何年目か」
🎲「ダセぇ……w コーレスの体でね? 俺らって何年目―!?」
会場 \ろくー!/
🔫「ですよね! 六年目なんですよね僕達!」
🎲「そう、試したんですよ!」
この流れ大好き
🎲「なんか懐かしい曲も色々あったんじゃあねぇの?」
🔫「だって初めてステージで歌ったのロデオですよ。パワーアップしすぎだろ」
🎲「ねぇ! こんなんなってたよもう(体を横に揺らす)」
🔫「ちょっと怖かったし、車から飛ぶの」
🎲「練習の時もさぁ、『え、こ、これ降りるんすか……』って」
🎲「ところでみんなありがとう!」←唐突すぎて笑った 不器用な優しさ大好きだよ
🔫「ああ……w 感謝がもう出ちゃったんだ」
🎲「ああ、ああ溢れ出ちゃった!」
🔫「出ちゃってた出ちゃってた」
🎲「出てた?」
🔫「てか六年続けれるのすごい! だって僕ら仲悪くなったら終わりだからね、これ。普通に。よく続いたね」
🎲「仲いいねぇ今ね」
🔫「今一番仲いいね」
🎲「そうよ? ピークなんだからこれ」
🔫「去年も同じこと言ってました。更新し続けてるからね仲の良さ」
会場「Fo~~~~!」
🎲「ウェ~~~~イ……はぁ?」
ここ好き
🎲「……思い出あります?」
🔫「えっ? あ、うん、うん?? ごめんコメントみてた」
いきなり話を振られて戸惑う叶さん
観客に
「僕らのこと好き?」と聞いて
「大好きー!」をもらい満たされる叶さん。
「こういうの担当だから」と手で指す葛葉さん。阿吽の呼吸感が好き。
🔫「でも今日控えめです!」
🎲「甘さ控えめ?」
🔫「そう、(葛葉さんが)寄っちゃうかと思って」
自然と話題はお姫様コーレスの話に。
🔫「僕は全然いいんだけど、(葛葉さんが)嫌じゃないのかと思って」
🎲「嫌で~す!」
🔫「でも話題に出し……たってことは……」
🎲「そうだよね、だから後悔してる、思い出を……うわなんか誘導尋問されてる! 裁判官これ誘導尋問です」
🔫「ちがうよぉ」
🎲「うそ」
この一瞬のやりとりが、声音が、ものすごく好き。
なんやかんやお姫様コーレス(意思表示)をやることに。
🔫「じゃあ準備いいですか」
沸き立つ会場に「声でかいねぇ」とこぼす葛葉さん。
すかさず「うれしいんだもんね~っ」と観客席のほうに微笑みかける叶さん。そういうとこ。そういうとこだよ。
🔫「僕たちか俺たちかスタートだけ決めよう」
🎲「お前は僕たちだろ」
🔫「僕なんて言った? 今」
🎲「え?」
🔫「僕たちか俺たちかスタートかっていうのは、……そういうことだよ?」
🎲「あ、そゆこと?」
一連のやりとり、ふわふわでかわいかった
なんだかんだ無事にコーレス完了。
🔫「これでまたやんなきゃいけなくなったなぁ……」
🎲「楽しいかぁ!?」
ごめん、正直楽しい。でも無理せんといて
(王子様コーレスやるかどうかの話)
🔫「だって葛葉さんが王子様って」
🎲「ちが、コーメーンートーが言ってたのー!」
🔫「……そうね? コメントが言ってた……んだもんね?」
なんかこのへんのMC、葛葉さんが色々と飲み込んで叶さんがそれを汲んで、諭すような促すような初期のあの空気に似てた。
🔫「僕らね、たぶん喋りすぎです」
🎲「楽しくなっちゃってね」
あと五億年くらい喋っててくれ
🎲「まぁ次の曲で最後なんですけどね」
えーっ! と会場から別れを惜しむ声。観客席を見下ろしながら、黙ってにやにや顔をする葛葉さん。
🔫「意地悪な顔してるなぁ」
🎲「んはははは」
このあと。一人のニキが「逃げんのー!?」と叫んだのをきっかけに周りに波及していって、数回目でやっと聞き取れた葛葉さんが「逃げねぇよ!!」って一瞬でキレてたの面白かった。
「耳を傾けていた時間を返してほしい」(ぶりかえし配信より)
🔫「……では最後の曲行きますか」
🎲「ふっ」
ぽつぽつ会話が途切れるのが、MCが下手っていうよりも、終わりを惜しんで余韻を味わっているような感じがして。
葛葉さんも叶さんも何か言いたげで、でも口に出すのはもったいないから、口に出さなくたって大丈夫だから黙っているみたいな、そんな顔に見えた。
「それでは聴いてください、『Twilight』」
16.Twilight
なんなんだろうなあこの曲は。なんでこんなに感情が揺さぶられるのかな。MVが公開されたとき、初めて音楽で泣いたよ。
慈しみと隣人愛と、近しい相手にしか見出すことのできないかすかな希望のありさまを描いた歌だと思ってる。
ChroNoiRというユニットをこの曲の歌詞や曲調に重ね合わせたとき、彼らが形のない不安定なものを大切に大切に守り続けながらここまで来たような、そんな尊さと唯一性を感じる曲。
「一番と二番をほぼ各々のソロにし、Cメロとラスサビで合流する」という大胆な歌詞割りを決めたどなたかに全力で感謝したい。
楽器が少なくてソロパートだからこそ醸し出される、触れたら壊れてしまいそうな緊張感。ライブだといっそう迫力があった。
「君の目に映る僕の明かりがまた 僕を照らしてくれる」
思考が蚊帳の外に染まりすぎて考えていなかったけれど、確かにこの歌詞、リスナーさんにとって自分がどんなふうに見えているのかを理解して、リスナーさんの声に背中を押されて、ためらいながらもリスナーさんへの感謝を忘れず歩んでいく葛葉さんらしくもある。
少し話が逸れますが、『Twilight』の個人的な受け取り方の話がしたい。
「たまたま君の隣に立ったんだ」
「はたまた僕の隣に立ったんだ」
「本当は寂しかったんだ」
この言葉をじーっと眺めていたら、そうだよな、「たまたま君の隣に立ったんだ」った、というところから考えがまとまってきた。
よくよく考えてみれば、神様が二人を引き合わせたことまでは奇跡だったとしても、はじめは赤の他人に過ぎなかったわけで。そこから先の未来を紡いできて、今ここに立っているのは他でもない二人自身の継続の努力があってこそで。その事実が何より愛おしく思えた。
この感情のヒントがどこかにないかな、と引っ張った線の先にあったのが、『マグマグラグラ』の歌詞だった。
「やらない理由は捨てるほどある」「大切なんだ 時間も体も」
「自分のため 君のため 生まれ来る命のため たまったツケを払うよ」
正直、MVが公開されたとき、このへんの歌詞の意味がしっくり来なくて。おそらく私の読解力と感受性がゴミなんだなと思って一年くらいずっと考えていたら、なんとなく輪郭が見えてきた。
要するに、
「時間も体も限られている中で」「やらない理由は捨てるほどあるからこそ」「やろうとすることに意味がある」
ということなのではないかと。
二人三脚でユニットを続ける中で、「やらない理由」なんて捨てるほどあったと思う。ひょっとすると今もあるのかもしれない。もしくは、もうやりたくなくてもやらないといけないところまで来ているのかもしれない。
そんな環境下で、運命共同体かビジネスかただの友達かは何だってよくて、ただ「ChroNoiR」が今日まで在り続けている。
そのことに気がついたとき、初めは「たまたま隣に立った」だけだった彼らが、かすかな光を絶やさないように、歩幅を合わせて色々なことに努めてきたというそれ自体、奇跡なんかよりもずっと稀有なことのように感じられてきた。
二人のいる世界が当たり前すぎて気がつかなかったけれど、決して当たり前のことではないし、当たり前じゃないからこそ彼らは今も隣に並んでいるのだと思う。気づかせてくれてありがとう、『Twilight』。
しっとりとした雰囲気を残したまま、ステージは暗転。次第にアンコールの響きが広がっていく。
イントロで叫んだし泣いた。
17.終末じゃない(アンコール)
「始まり(初投稿)は終わりを拭い去った(アンコール)」じゃん!!!!
初ワンマンライブで初の歌ってみたコラボの曲歌うとか、そんなに質量の大きいセトリある?
というか、だとしたら衣装は……
もう何も言葉が出てこなかった。何度アーカイブを見返しても鳥肌が止まらない。
パジャマとジャージでステージに立っていた頃のこと、リアルタイムでは知らないのに、懐かしくて仕方なかった。
紛れもなく、投稿されている動画のあの声だ。今よりもまだ少し幼くて危うげで、手探りでも楽しそうで、どれだけ年月を重ねても白黒のまま輝いている二人の声の面影がある。
そこに加えて、葛葉さんは声が何かから解き放たれたみたいに軽やかになって、低音がぜんぜん苦しくなさそうに聞こえる。叶さんは、元来のあどけなさはそのままに深みと凄みがプラスされて、声に表情や感情がめいっぱい乗るようになっている気がする。
それから私の音感が終わっていなければの話だけれど、カバーは何個かキーを下げていて、今回のライブは原キーのように聞こえる。違ったらごめんなさい。
お二人がこの六年でどれだけ切磋琢磨し、鎬を削り研鑽を積んだか、比べて見れば歴然。
あの頃の彼らでもあり今の彼らでもあるんだな、と思った。
そして後から拝見したポストで気づいたのが、『Not For You』で撃っていた銃が『終末じゃない』の動画のサムネになっている銃だったということ。要するにクソデカ伏線。伏線のオタクは無事に召された。
左が叶さんの愛用武器(M24)、右が葛葉さんの愛用武器(GROZA)だそう。PUBGのアーカイブ改めて履修しよ……
全人類に見てほしい天才の気づき。
叶さんの、自分の魅せ方に対する貪欲さが好きだ。
恣意的に意味を見出さざるを得なかったのが、曲全体の立ち位置の変化。
ここ、「もうやっぱり不安は要らない」のラスサビまで絶対に二人が真横に並ばないようになっているんですよ。
一番は叶さんが下の階で葛葉さんが上の階。
二番で葛葉さんが階段を下りて姿を消した瞬間、追いかけるように今度は叶さんが上の階、葛葉さんが下の階へ。
その後間奏で背中合わせになり、ラスサビで初めて横に並び、後奏でやっと向き合う、というふうに立ち位置が変わっているのです。
『終末じゃない』は、「どこまでも行けると信じていた」誰かと誰かが、正解を探して藻掻き、すれ違い、傷つけることや傷つくことを恐れ、最終的にすべてを飲み込んで寄り添う曲。
ぴったりの立ち位置じゃないか、と思った。一人と一人から始まって、いまだに仲の良さを更新し続けているお二人にすごく似ている。
「どう在っても正解じゃない」
「拙くて 逸れてゆく道を行こう」
「今日ばっかり繰り返さないで」
「もうなんでも飲み込んでいくように」
あの曲が投稿された時点で、共に歩み始めたお二人の距離が既にかなり縮まっていたのか、はたまたこれだけ縮まる未来を予感していたのか。
どこまでも他人であることには違いないけれど、正解なんてないということに気づいたのかな、傷つけあう不安を払拭できたのかな、と勝手に考えて泣いた。
MC④
(はじめは歌を出すことに葛藤していた葛葉さんの話)
🎲「まあやってよかったわ! こんなとこ立ってんだもん」
🎲「ペンラで遊ぶやつやっとく?」
🔫「出た! ペンラで遊ぶっていうかみんなで遊ぶっていうか」
思う存分遊んでください
🔫「何色あるんだ?」
会場 \いっぱいある!/
🔫「あぁいっぱいあんの!」←ママすぎる、大好き
ひととおり遊んだ後、叶さんの「消灯」に応じる会場。
🎲「こんな暗いのに人めっちゃいんのこわくね?」
🔫「こわぁい!」
🎲「こわいよね」
🔫「星空みたい」
会場 \フゥ~~~~!/
🎲「フゥ~~~~~~~! ……んん?」←猫ミームみたいで笑ったし、さっきも見たなこの流れ
ここ、あのここ、耳を澄ますとかすかにリップ音が聞こえる気がして、幻聴だったら申し訳ないんですけど、もう、あの、一旦心を浄化してきます。
🔫「本当に終わりですそろそろライブは」
会場 \やだー!/
🔫「やだ? やだかぁ~。いやまぁ別になんにもできないんだけど僕ら……w」
このへんからちょっと名残惜しそうだった。終わらないで……
「今後さぁ、僕らどうなるの?」
「……何、え? あ、え? 俺知らされてない? 何か」
(次の目標どうする? という話)
🔫「この次、月9とかになってくるよ」
🎲「月9!?」
私(月9!?)
🔫「てかありがとう、来てくれて。こっちまで」
🎲「いや、なんか、散歩してたらちょうどいたから」
この会話、噛み締めたい。
そういえば、みたいな感じで微塵も照れずに感謝を伝える叶さんも、被せ気味で咄嗟にいや、って言う葛葉さんも、このひとたちはもう本当ずっと変わらないな、これだから好きになったんだよな、と思う。
「散歩してたらちょうどいたから」って。元個人勢の葛葉さんとデビューしたての叶さんが出会ったときの比喩として、こんなにそっけなくて愛おしいものはないよ。
🔫「自分のライブ終わったあとネチケ観る派?」
🎲「チョ↑ットハズカシイ」
🔫「僕ね三回くらいいく」
🎲「三回!? おかわりすごいねぇ」
無言ファンサタイム。手の振り方に個性が出ていて良い。
🔫「叶くんって呼ばれるのだけちょっと恥ずい」
🎲「あそうなのぉ!!?^^」←確実に新しいおもちゃ見つけたときの声音
喋っている間に会場の方々が口々に叶くんと叫び始めたからなのか、滑舌がぐちゃぐちゃになる叶さん。
「曲の終わり、とか、に、さぁ、さs、刺さってる『叶くん』、めっちゃ恥ずかしかった今日……」
口を手で覆ってしまったのが本気で恥ずかしがっていそうで、愛してるが喉まで出かかった。
その反応に高笑いしたあとに「呼んでやってください」と観客に手で示す葛葉さん。
仕返しと言わんばかりに「せっかくなら葛葉さんも呼んでほしいよね」と叶さん。
協議の末、「葛葉様」でOKが出る。
しかしその後聞こえた「くーちゃん」呼びに速攻で「帰る」と舞台袖に歩き始める葛葉さん。
「帰りまーーーーす! バイバーイ!!」
(なんとなくまとめっぽい話)
🔫「一緒にやってこれてよかったわ、ここまで」
🎲「お」
🔫「本当に目指すつもりないけど目標を挙げたみたいなのあったじゃん」
🎲「うん、っふふ、あったね」
🔫「覚えてる?」
🎲「覚えてるよぉ……?」
🔫「あれはね、スカイツリーがFFコラボしてた時だった。タクシーの帰りだった。二年目とか三年目とかかな。うわっ! きずついたぁ。僕だけだったんだ、あれ大事にしてたの」
スカイツリーで思い出すの、Geminidsの波動を感じてヘテロスタシスのオタクは死んだ。あと思い出し方が特殊
「人間ってね、近づくと似てくんだよ」と、急に口ずさんだ歌(しかも途中の部分)が被ったことをお話しする叶さん。
🔫「最近はね、一緒にご飯行くと好きなものも食べるものも一緒だから!」
🎲「ああ!」
🔫🎲「「全部二個!」」
STOP! 幸福度指数が高すぎませんか、そのエピソード。しっかりハモってるし。
🎲「こんなに気の合う人間と吸血鬼、いるんすねぇー……」
🎲「楽しかったね今日」
🔫「今日も楽しかった」
(ありがとうを叫ぶ観客に対して)
🔫「ありがとうって言いたいのはこっちだよなぁ」
🎲「んとだよ」
投げやりな言い方、愛した
🔫「次が本当に最後の曲です!」
MCが終わり、そのまま曲に入るのかと思いきや……
いよいよ終わっちゃうのか……となんとか寂しさをこらえていたのに、優しいイントロが聞こえてきて駄目だった。
18.Lily
選ばれたのはLilyでした。
締めの曲、いくつか予想はしていたけれど、いざ始まってみると心が震えた。
心なしか、冒頭よりも背中が大きい。
これからもお二人はどんどん高みを目指していくんだろうなと思わせる後ろ姿だった。
個人的に、二番のAメロBメロの歌詞が今のお二人にすごく似合っていると思う。
「忙しない時間に溺れて けれども違わないのは 同じ方を向いているから」
「それでも折れない 折れるはずない」
お互いソロの活動もあって、ずっと忙しくて、たとえ真っ暗な世界でもふと力を抜いたときには同じ方を向いていて、別れ際に「頑張れよ」が出る、そんなくろのわが好きだ。
曲が終わり、それぞれ「ありがとうございました!」と観客に向かって吠えるお二人。
続けて「ありがとう」と拳を突き出す叶さん。
小さく鼻を鳴らして、少し間を開けてから応える葛葉さん。
しかしこれだけでは終わらないライブ。なんと新衣装のライブTシャツにお着替えして、ダンサーさんやバンドメンバーさん方と記念撮影。
🔫「僕らこの一文を言ったら終わりです」
🎲「はい!」
🔫「楽しかったね今日」
🎲「楽しかった」
別れを惜しむように少し無言の間を空けてから、お互い視線を交わして最後の挨拶。
会場に向かって感謝の言葉を叫びつつ、最後の最後には軽口を叩き合いながらステージを去っていくお二人。
そこにいたのは、さっきまでスポットライトに照らされて輝いていた彼らというよりもむしろ、少年みたいにふざけあういつもの彼らで。
どれだけ舞台が大きくなったとしても、数字が大きくなったとしても、心はずっと最初の場所にある。忙しない日々を駆け抜けてきて、周りの景色はどんどん変わっていったけれど、彼らはずっと同じ速さの同じ景色の中で生きている。そんな感覚になった。
最後の最後に、映像での告知と二人からのメッセージの演出。高揚感と余韻を残しながらライブは終演。
あまりの威力に打ちのめされていた私は帰りの電車を降り過ごした。
全編を見終えて
何を言っているか分からねーと思うが、くろのわはワンマンライブでドでかい旗を振り回し車を運転し発砲した。あと葛葉さんの共通衣装が実装したし、初期衣装もレーベル衣装もライブTシャツも着てくれたし、シークレットゲストで笹木とサロメ嬢と星川が出てきた。
全部本当のことなんだよ。信じてくれ。
総じて「想像以上にどえらいもんを浴びてしまったな……」という感想。
ここから先、「多分作者の人そこまで考えてないよ」というもう一人の己の声をガン無視した、セトリや演出についての個人の解釈と感想になります。何卒。
今回のライブの先駆けとなった曲は、アルバム同様『Wanderers』。意味は「彷徨う者たち」。
アルバムの制作が始まったのはこの曲が発表された後のことで、全体を統括するタイトルに盛り込む要素としてもふさわしい曲、というお話になったそう。詳しくは下のインタビュー記事へ。
1stミニアルバム『UP 2 YOU』に収録されているのはヘテロスタシスを皮切りに2022年までに投稿されてきたオリジナル楽曲たちで、書き下ろしは『Lily』一曲のみ。アルバム発売前に開催された3Dライブ『ChroNoiR Winter Live -旅の終着点-』も、主に普段から彼らのことを「推し」として追っているリスナーにフォーカスを絞った、物語色の強いものとなっています。
対称的に『Wonder Wander World』は、お二人と繋がりのある方や憧れの方が書き下ろされた曲から構成されている形の新規アルバム。
中にはお二人が初めて挑戦するジャンルの曲があったり、メジャーに活躍する方々も多く参加していたりと、まさに聴く側と歌う側の双方にとって新しい「扉」を開く、というコンセプトが体現されています。
そういう意味で、彼らを「推し」としているリスナー以外にも受け入れられるアルバム────つまり、Vtuber・配信者・箱というような枠組みを越えて、フラットな「アーティスト」としてのアプローチを可能にしようという気概を込めたグローバルなアルバムになっているように思えます。
ということはつまり、このアルバムを担いで開催された今回のライブも多かれ少なかれ「アーティスト」としてのクールさを前面に出したもの。実際、歌もダンスも今までにないくらいクオリティが高かった。
セトリについても、アルバムに倣うような要素がちらほら。
このような背景を意識し、今回のセトリを改めて眺めてみた。
1曲目の『Wanderers』で扉の中に入り、2曲目が『Stereochrome』、3曲目が『ブラッディ・グルービー』、4曲目が『カオティックライバー』、5曲目が『LET IT BURN』……という風に、タオルやフラッグも使いつつ高火力の曲で世界観と没入感を深めていく。6曲目の『奇祭狂祭』で熱狂は最高潮に。このフェーズの意義は、ユニットでアーティストでアイドルの彼らが自らライブを牽引する、ということにあったのかもしれないなと思う。
古参も新規も盛り上がれる曲が集まっていて、エンターテインメントとして純粋に「楽しい」と思わせてくれるフェーズだった。
その後、中央の扉にタイムトラベルのような演出が現れ、装いを一変させたお二人が登場。
比較的新しい概念である共通衣装で、歩み始めたばかりの頃に初めてステージで歌った『ロデオ』を再び歌い、8曲目の『Not For You』で懐かしの武器を持ち、9曲目の『Buddy & Wilderness』を同期や後輩やとともに歌う彼らは間違いなく「にじさんじ」所属のお二人だった。
扉の演出を挟まず再登場したお二人が身に纏っていたのは、お互いのレーベル衣装。
観客はそれまでステージに立っていた「ChroNoiR」を「叶」と「葛葉」として再認識する。各々のソロ曲『K/D Dance Hall』『Black Crack』をデュエットカバーする姿に、場所は違えど同じ方向を見続けるような絆の形────ユニットやレーベルという枠組みにとらわれない絆の形があることを思い出す。
このフェーズはどんな推し方をしている人にも優しかったな、と思う。
二人一組のアーティストとしての魅力を押し出したアルバムを掲げながらも、「にじさんじ」の彼ら────つまり普段の彼ら────と、レーベル所属ソロアーティストの彼ら────つまり個々の彼ら────を忘れさせない構成。古参も新規も単推しも箱推しも同じ強さで心が震える、観客の誰も置いて行かない演出。
これまでの軌跡を振り返るような流れ、オタクが絶対に好きなやつだし、多くの顔を持つお二人だからこそできる演出という意味で素晴らしかったと思う。
再び扉の演出を挟み、叶さんはデフォルト衣装、葛葉さんはカレスコ衣装にお着替え。元の世界に戻ってきたんだろうか。
さっきのインタビューを読んでからだと12曲目の『Predown』にフム……?となるけれど、まぁ全部順番通りというのも味気ないよなサプライズか、なるほどな、ということにしておく。
続く13曲目の『VVS』、14曲目の『Torpor』。3曲とも夜の路地裏や街を感じさせる大人びたナンバー。しかしその後すぐ、爽やかながら哀愁漂う『フェイカー』に美しい黎明を見たような気分になり、『Twilight』で静寂を迎える。
ここまでの流れを貫きつつ、「深淵から始まった世界を巡り巡った先には、確かに微光があった」と確信させるためのフェーズだと思う。
暗闇はずっと消えないし、この先のことなんか分からないけれど、お互いの瞳に灯るかすかな光を頼りに支え合っていけたらいいね、というメッセージに聞こえた。
アンコールでは、初めて動画でカバーした『終末じゃない』を当時の衣装で歌うお二人。
今だけど過去、過去だけど今。アーカイブでしか知らない当時の彼らがタイムスリップしてきたみたいに見えるけれど、声や動作は確かに今のものだった。
ここはなんというか、バーチャルとしての彼らを見るフェーズ、とでも言えば良いんだろうか……
動画の初々しさは少ししか残っていないのだけれど、だからこそ際立つ努力の過程がぎゅっと詰まっていて。引き止めちゃいけないのに、もう少しだけそこに居てよって言いたくなるような、物語性のあるフェーズだった。
ユニット衣装に戻って、最後の最後の曲は『Lily』。
『ヘテロスタシス』でも『Geminids』でも『マグマグラグラ』でもない。『スターブラックゲイザー』でもない。
動画として投稿されていない、1stアルバムを買った人しか知らないカップリング曲だからこそ、ワンマンで選ばれるのにふさわしい曲なんだと後になって気づいた。
深淵を彷徨った先で微光を見つけ、最後の最後に手に入れたのは、強く咲き続ける決意。
どこまでも気高いパフォーマンスは、お二人のこれまでとこれからを語るだけでなく、観客全員の背中を押したのだと思う。
ユニットも箱も、音楽もゲームも、レーベルも今も初期も、暗闇の中で彼らが自ら手を取り合いながら歩んできたかもしれない道のり。運命や神様なんかじゃない、お二人自身が長い時間をかけて咲かせた、奇跡みたいな軌跡だ。
そう考えると、普段リアルタイムで彼らの配信を見たり音楽を聴いたりしている自分は、なんだかとんでもなく歴史的な瞬間に立ち会っているのでは、という気がしてきた。
おニ人と同じ時代に生きて、かけがえのない時間や楽しみを共有させてもらっていることに改めて感謝したいし、共有できていなかったぶんもアーカイブ周回の旅に出てその景色に思いを馳せたい。
叶さんと葛葉さんが「たまたま」出会ってから今日までずっと隣に並んでいる奇跡、あるいは奇跡ではないからこそ美しいなにかを抱えながら、これからも彼らの描く未来を見続けていきたい。
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