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NASDAQ100指数 月次チャート分析[2024/12]


1. はじめに

 こんにちは。テクニカル分析をもとにトレードを行っている「望月ういの」です。自分自身でしっかりチャート分析する習慣をつけるためにも自分自身の分析を記事にしています。

 また、もし読んでくださるどなたかの参考になる部分がありましたら幸いです。

 基本的に月足が確定されたあとの第一週末に更新することを考えています。詳しく分析するのは各月でこの第一週末のみですが、個人のトレードという意味では毎日観察しながら微修正していっています。

 YouTubeでも本記事の内容を動画で解説しています。こちらもよければご覧ください。

 それでは、よろしくお願いします。

2. 分析の骨子

 ダウ理論をもとに、いろんな視点で分析してみようと思います。ダウ理論は6つの理念があり、それぞれに対して行う分析方針を下記します。


 この章は毎回コピペなので、私の記事を読んだことある方は読み飛ばしてもらって大丈夫です。


2-1. ダウ理論 (1) 平均株価はすべてを織り込んでいる

 NASDAQ100は平均株価指数ですので、ダウ理論(1)に従えば、現在の価格は過去・目先・先行きに関するあらゆる知見が織り込まれているということになります。すなわち、この平均株価指数をしっかり分析しましょうとなるかと思います。

 そこで、本noteでは基本的に平均株価指数についてのみ触れたいと思います。ちなみになぜS&P500等ではなくNASDAQ100か?といいますと、単に私がメインのトレード対象がNASDAQ100だからです。

2-2. ダウ理論 (2) 市場には3種類のトレンドがある

 いわゆるメジャートレンド、インターミディエイトトレンド、マイナートレンドと言われるものですね。これについては、マルチタイムフレーム(MTF)分析という形で、月足、週足、日足のチャート分析をしていこうと思います。

2-3. ダウ理論 (3) メジャートレンドには3つの局面がある

 アキュミュレーション局面、パティシペーション局面、ディストリビューション局面と呼ばれるものですね。エリオット波動理論的に言うと、推進波が5波動構成で、1波、3波、5波がそれぞれの局面に対応するものと考えます。

つまり、本noteではエリオット波動理論のカウントを試みます。

2-4. ダウ理論 (4) 2つの市場平均を確認する

 ダウさんは工業株と鉄道株で、両方の平均株価が同じシグナルを出していないといけないとしていました。工業株が調子が良いと、その部品や製品を輸送する輸送株も調子良くなるよね、ということかと思いますが、それをNASDAQ100で考えると……因果関係的な厳密性は欠けるとは思いますが、米国全体の景況感的な意味で、S&P500とダウ平均株価を確認するようにしようと思います。

2-5. ダウ理論 (5) 出来高でトレンドを確認する

 これは書いてある通りですね。

 また、本理念と趣旨はずれるかもしれませんが、価格帯別出来高についても分析手法として取り入れます。

2-6. ダウ理論 (6) トレンドは明確な反転シグナルが出るまで効力を持つと仮定する

 これは分析の中で触れればよいかと思います。明確な反転シグナルとは?となるのですが、本noteでは「フェイラースイング」「ノンフェイラースイング」「反転を示すチャートパターン(といってもフェイラースイングやノンフェイラースイングに大体当てはまるとは思いますが)」という観点で見てみることにします。


3. 免責事項

  • 投資は自己責任です。本note記事の内容及びリンク先から発生するいかなる損失や損害、被害について、投稿者は責任を負いかねます。

  • 本note記事は会員登録なしでどなたでも閲覧可能です。

  • 本note記事は個別の株式(有価証券)の価値について述べるnote記事ではございません。

  • 特定の売買ポイントを具体的に述べるものではありません。

  • テクニカル分析は将来の値動きを予想したり当てようとするものではなく、現状を分析し、様々なシナリオを想定することで優位性のあるポイントを掴むものだと考えております。本noteに記載されるものは1シナリオにすぎず、その通りに価格が動くことを予言するようなものではございません。


4. NASDAQ100指数分析

5-1. エリオット波動分析

 まず、エリオット波動理論をもとにカウンティングを行ってみたいと思います。この波動カウントの結果を次のMTF分析の項で考慮します。

 マクロの視点からの確認です。下図はNASDAQ100が開始された1985年からの3ヶ月足チャートです。前回の記事から1ヶ月分更新されたものです。

 2000年くらいのITバブル崩壊で下がったあたりで一区切りついた(リアクション波が終わった)として、2002年10月くらいを始点に黒線の波動をカウントしています。そして、黒線の一回り大きな波動を橙線でカウントしています。

 前回でも似たようなことを書きましたが、これを見ると今は橙線の3波の終わりっぽく見えますね……橙線の3派が終わると橙線の4波が始まります。4波はリアクション波となるので時間的か価格的な調整が入ることになります。3波がちゃんと終わって4波になったら、ですが。

 直近の黒線5波あたりを拡大してみてみましょう。週足チャートです。

 黒線5波の副次波も5波動構成(青線)になっていて、ちょうどその青線も5波目となっているようにカウントできそうです。

 では、青線の5波付近を拡大してみましょう。日足チャートです。


 ちょうど青線5波も水色線の5波動構成で、前回も書きましたがエンディングダイアゴナルのような形になっており、現在はその5波目のような形になっています。1波目の終わりと3波目の終わりを結んだ線(肌色三角形の上辺)にちょうど今の価格帯が差し掛かっています。肌色三角形は上昇ウェッジとも呼ばれたりしますね。

 エンディングダイアゴナルはこの上昇ウェッジの上辺を一度オーバーして(いわゆるスローオーバー)から5波が完成して、次の大きなリアクション波が始まることがあります。

  正直、自信をもってカウントできているわけではないので、微妙な判断になりますが、やはり全体感を見てもそろそろ波動の終わり感はあるかもしれません。

 波動が終わったからといって高値をもう更新しないというわけではないとも考えられます。例えば、橙線の4波がフラット(ABC波)だったりすると、B波がAの始点を超えることもあります。

 あと、前回の記事でも述べましたが、延長という概念もあります。今回の例でいくと青線があたかも9波動に見えるように延長していくというイメージです。

 いずれにせよ、そういう微妙なタイミング”かもしれない”ということを念頭に置いておくことが大事なんだと思います。

4-2. 月足チャート分析

 それでは、MTF分析に入っていきます。MTF分析では、色々な観点から分析を進めていきますが、私がこれは注目しておいたほうが良いかなと思うものを記載します。

 まずは月足です。

 ①2024年7月の最高値を先月11月に更新して、さらに12月に入ってからも更新し続けています。②移動平均線を見ても、相変わらずきれいなパーフェクトオーダーです。(黄色のジグザグな線は20SMA、黄緑の線は25EMAです。計算方法が違うのでそこの並び順は参考で良いと思います)ただ、強いて言えば移動平均線から乖離しすぎているような気がしないでも無いです。

 ③RSIを見ると、70を超えて一般的に買われすぎと言われる領域まで上がってきています。とはいえ、RSIが70を超えたから即座に売ったほうが良いということは無く、ダイバージェンス等の発生やその他の兆候を見たほうが良いと思います。

 月足分析をまとめると、最高値を更新し続けて強さを感じるものの、若干移動平均との乖離が気になるか、といった感じです。

4-3. 週足チャート分析

 次に週足チャートです。


 ①にあるように、直近はずっと高値と安値を切り上げていて、週足レベルで上昇トレンドだと言えます。ダウ理論の明確な反転サインが現れるまではトレンドが続くという観点で言うと、直近の週足安値を下回るまでは強そうです。もちろんフェイラースイングになる可能性はあるので、判断は今後の値動き次第です。

 ②で上昇ウェッジなのはエリオット波動論のところで述べたとおりです。そして③にあるように直近の週足はヒゲの無い大陽線です。しっかり④のように出来高が多いです。強いと言えそうですね。

 移動平均線を見てもパーフェクトオーダー、RSIを見ても特に気になるところなし。それ以外のもので見ても気になるところはありませんでした。

 このあたりで気になるとすると、次の価格目標値は?となりそうです。

 エリオット波動論の比率のガイドラインから考えてみます。

 一番長い波の大体0.618倍くらいの長さになるというガイドラインがあります(ログスケールで)。今回の場合、黒線のように1~5波がカウントできそうなのですが、1波と3波が大体同じくらいの長さです(若干1波が長い)
 なので、一応どちらも見てみると、大体上図の紫線と赤線あたりかなという感じです。22139.15~22639.25です。

 念の為断っておきますが、これはこうなるだろうという予言等ではなく、単にエリオット波動論のガイドラインを当てはめてみたというだけです。

4-4. 日足チャート分析

 次に日足チャートです。

 正直、順当に伸びていて週足と同じ内容になってしまいます。

 ①で見える通り、高値と安値が切り上がっていて日足レベルでも上昇トレンドだと言えそうです。しかしながら、週足のときにも書きましたが、②こちらも移動平均線との乖離がやや気になります。

 出来形も普通ですね。やや下がってきている感はありますが、ほんとに”やや”という感じで気にするレベルではない気はしています。

 少し気分を変えてボリンジャーバンドでみてみましょう。

 直近は2σに張り付いています。いわゆるバンドウォークというやつですね。過去のバンドウォークがどんな感じだったか見てみましょう。紫の丸印をつけています。おおよそ、4日前後続いている感じがします。長くて2週間ほど。

 これを見ていて気になったのですが、③に書いてあるようにバンドウォークを始める前の収縮があまりなされていないように見えます。上図では直近の収縮時の幅を赤い縦矢印で示していて、それをコピーして過去の収縮時のものと重ね合わせています。結構収縮が足りていないことがわかると思います。

 ただ、④に書いてあるように、6月や7月は収縮が足りていなくてもバンドウォークしています。その反動かはわかりませんが、8月には大きな下落が起きています。

 よくこの収縮はエネルギーを貯めていて、そのエネルギーが解放されてバンドウォークしていく、みたいな表現がなされると思います。そういう観点では今回のバンドウォークはあまりエネルギーが貯められていない中で行われていると考えられ、そのうち失速する?なんて考えに至ったりもします。

 Fear & Geed Indexは下図のようにNEUTRAL。

 総じて順調に見える強さの中に一抹の不安を感じなくはないかなという、なんとも言い辛い局面ですね。

5. S&P500指数分析

 SP500指数のチャートを見てみます。

 S&P500の状況としてはほぼNASDAQ100と同じです。上昇トレンドですね。僅かな違いですが、①に書いているように、直近の伸びは大人しめです。NASDAQ100は12/6で結構伸びていましたからね。

6. ダウ平均指数分析

 次にダウ平均指数を見てみます。

 いつも違った視点を与えてくれるダウ平均指数は今回も面白い情報をくれます。大きな流れはNASDAQ100やS&P500と同様に高値安値が切り上がっていて上昇トレンドだと言えそうです。

 ただ、直近の値動きを見てみると、陰線が続いており直近の日足安値付近の価格となっています。44600付近が日足の目立った高値、日足安値付近ということで支持帯にはなってくれるかもしれませんが、この辺よりも下げると少し陰りが見えてくるかもしませんね。

 さらにダウ平均指数についてはRSIを出しています。直近のRSIの高値は下げています。一方、対応する日の実際の価格は上がっています。いわゆるダイバージェンスというやつですね。

 とはいえ、RSIの値が70近辺のときにダイバージェンスと言っていいかどうかは難しいところですね。人によっては70を超えたもの同士のRSIの高値だけ見るんだ等ありそうです。

 いずれにせよ何も問題なし!というよりは少し警戒心を持ってもいいかもしれません。

7. まとめ

  • 移動平均線的にもパーフェクトオーダであり、高値安値の切り上げ的にもは日足、週足、月足とも上昇トレンドの中にいると言える

  • エリオット波動論的には5波の中の5波にいる可能性があり、もうそろそろ5波が終わるかもしれないという点で警戒を要する時期かもしれない

  • 移動平均線との乖離がやや大きいように感じる

  • 明確な反転シグナルがあるというわけではないので、ダウ理論的にはトレンドが転換したという判断にはならない

  • NASDAQ100やS&P500は順調そうに見えるがダウ平均株価指数でみると若干の陰りの一歩があるようにも見えるが、支持帯で反発する可能性も考えるとなんとも言えない

  • 総じて一斉退却!という感じではないにしろ、頭の片隅にこの上昇トレンドがそろそろ終わるかもしれないという可能性だけは入れておいても良いかもしれない

 先月同様エリオット波動論的に5波の終わりに近そうという観点もあってか、今回の分析結果も必ずしも楽観視できないかなという感じになりましたね。年末ラリーの期待もあるかなと思うので、個人的には「うーんうーんどっちかな」と悶々しながら12月を過ごすことになるかもしれません(笑)

 年末ラリーについて気になったので、最後に過去20年間の12月について調べてみました。月足チャートです。

 12月の月足が陽線だったものはグッドマーク、陰線だったものはバッドマークをつけています。

 陽線 → 12個
 陰線 → 8個

 意外と陰線も多いですね。

8. さいごに

 長々とさいごまで読んで頂きありがとうございます。何かの参考になれば幸いです。

 久しぶりの更新で拙いところもあったかもしれませんが、今後も見てもらえると嬉しいです。

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