クエスチョーン、Question。いま、お祭りのくじ引きでもらえる景品って。「5番のヘビの思い出」
原田泰造さん主演のドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」を、毎回楽しんで見ている。
第8話。お祭りに出かける様子が登場した。
屋台の射撃で城桧吏くん演じる翔くんが、いわゆる男の子っぽい景品ではなく、可愛らしいものが欲しかったというエピソードを見ていて、自分の子ども時代の出来事を思い出した。
小学校3年生くらいのとき、地元の祭りに出かけた自分はくじ引きをした。すると、おじさんから
「はい、ボク、5番」
と、ゴムでできたヘビのおもちゃを渡された。
そのとき、なんとも言いようのない微妙な感情が浮かんだ。
小学生のとき、ワタシは自分自身のことを「ボク」と言っていた(幼稚園時代はオレ)。ショートカットで服装もTシャツにズボンと、男の子のそれだった。だから、おじさんが「はい、ボク」と躊躇なくヘビのおもちゃを渡したとして、「そりゃそうだよな」という感じである。
それでも、嫌な感覚を抱いた。
おそらくは、女の子用に置いてあった「5番のおもちゃ」も、自分の満足するものではなかった。
当時はそれぞれに、いわゆる、いかにも女の子らしい景品と、男の子らしい景品“だけ”が並んでおり、自分はキラキラやピンクといった女の子っぽいものは嫌いだったが、男の子になりたいわけでもなかった。
じゃあ、なぜそもそもくじ引きを?と聞かれれば、「くじ引きという行為そのものを楽しみたかったから」としか答えられない。
「5番のヘビ」を渡された自分は、モヤモヤしたまま、それでもおとなしく受け取り、その場を後にした。
ヘビ自体に抵抗はなかった。当時、平気でヘビを捕まえているような子どもだったから。では、あのモヤモヤはなんだったんだろう。
おもちゃそのものではなく、あの「有無を言わさぬ」行為が納得できなかったのではないだろうか。きっと、どちらのおもちゃも、自分が好きなものではなかっただろう。それでも、2つある「5番のおもちゃ」のいずれかを選ばせてほしかったのだ。
だって自分は男の子の5番でも、女の子の5番でもなく「5番」と書かれたくじを引き当てただけだったのだから。なんとも複雑、とってもフクザツ。おじさん、ごめんよ。面倒くさくて。でもそれが正直なところだ。
と、ここまで来て疑問が沸いた。
時代は変わった。
とはいえ、今もお祭りでくじ引きは残っていたはず(子どもがいないので、よく知らない)。
その場合、景品は単純に番号からの1品だけだっけ? もう男女では分かれていない? そこんとこ、どうなってましたっけ。クエスチョーン、Question。
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