全部カナブンのせい。

昨夜、久しぶりに体調がよかったもので、会社から帰宅する夫を迎えに行こうと思って外に出た。

我が家から、目的の最寄り駅までは普通の足で歩けば5分。目と鼻の先である。しかし、この日の私は、体調はよいものの、左腰が微妙に痛い、という不調を一応は抱えていた。まあでも、ゆっくり歩きでも10分以内には着くだろう、と余裕綽々。ところが、数歩歩いたところで「あれ、なんかさっきより痛むな。」と違和感があった。でも歩けないほどじゃないし、この日はストレッチも運動もしてなかったから、どうしてもたった5分の道でも歩きたい気持ちが強くて、強行突破した。それがよくなかった。あのときの私、その違和感を信じて帰宅したほうがよかったよ。今更なんですけどね。

そしたら、数歩歩いたところで、カナブンがね、飛んできたんですよ。ばちばち！というか、ぶぶぶぶ！というか、まあなんかそんな音を鳴らして、私の頭にぶつかってきた。虫は嫌いだけど、目に見えていればそんなにビックリすることはそうそうない。だけど今は夜、街灯も少ないなか、いきなり不快な音ともに、頭に何かがぶつかる感覚、背筋がゾワッとして、ちょっと取り乱してしまいました。帽子をサッと取り、あいつがくっついていないか確認し、それと同時に洋服についているかもしれないあいつを振り落とすために、思い切り地団駄を踏みました。32歳です。側から見たらなんと滑稽。しかも1人で恥ずかしげもなくジタバタしてしまった。

地団駄を踏んだのがよくなかった、不調だった腰は絶不調に。なんとかよちよち前進できるものの、3分ほど歩いたマンション敷地のちょうど入り口あたりでギブアップ。誰かの手がないと一人では歩けないほどの激痛。腰を痛めて「足を一歩踏み出せない」状態を初めて経験した。

夫を迎えに外に出たのに、夫が来るまでただただ立ち尽くすしかなく、なぜか私が夫の迎えを待っている状態に。むなしい。くやしい。なぜ私が夫を待たねばならんのだ。夫と合流したら、近くのデイリーヤマザキで31アイスクリームのカップを買おうと思ってウキウキしていたのに。この情けない気持ちも、どうしようもなく痛い腰も、31が食べられなかったのも、全てはそう、カナブンのせい。

程なくして、私からやばめのLINEを受け取った夫が走る姿をこの目で捉えました。ごめんよ夫。きっとあなたも、久しぶりに妻が迎えに来てくれると、少しほっこり嬉しい気分で電車に揺られていたことでしょう。それがまさか、カナブンにびっくりした勢いで腰を痛め、マンション入り口で動けず、真っ直ぐとも中腰とも言えない絶妙な姿勢で立ち尽くす妻を迎えに行くなんて、数分前は思っていなかったでしょう。私もこんなことになるなんて微塵も思っていなかったよ。

ああ、これが妊娠中の骨盤の歪み（緩み？）というやつなのか・・・妊娠中の皆さん、マイナートラブルは突然やってきます。どうか日頃のストレッチや適度な運動、妊婦帯などなど、できそうな腰痛対策はやっておいたほうがよさそうですよ。