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現代語訳:軌道法

大正10年の法律である軌道法を現代語訳しました。現在も有効な法律です。
意訳している部分・あいまいな部分もあるので、あくまで参考程度にお願いします。
条文はこちらから。

第1条

本法は一般交通のために敷設する軌道に対して適用する。

第2条

軌道は特別な理由がある場合を除き、道路に敷設すること。

第3条

軌道を敷設して運輸事業を経営しようとする者は国土交通大臣の許可を受けること。

第4条

前条の規定により国土交通大臣の許可を受けた者は、軌道敷設に必要な道路の占用について道路管理者の許可または承認を受けたものとみなす。この場合における道路の占用料については政令に定めるところによる。

第5条

軌道経営者は国土交通大臣の指定する期間内に工事施工の認可を申請すること。

天災・事故その他の自己の責任に帰することのできない理由によって前項の期間内に工事施工の認可を申請することができない場合は、その期間の延長を申請することができる。

第6条

軌道経営者が工事施工の認可を受けたときは、道路に関する工事について道路管理者の許可または承認を受けたものとみなす。河川法・砂防法およびこれらに基づいて発せられた命令による許可または認可についても同様とする。

第7条

軌道経営者が工事施工の認可を受けたときは、国土交通大臣の指定する期間内に着工・竣工させること。

第5条第2項の規定は前項の期間についても準用する。

第8条

都道府県知事(当該都道府県の区域内の軌道を敷設する土地が、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という)の区域内のみにある場合においては、当該指定都市の長。以下第25条を除いて同じ。)が必要ありと認めるときは、道路管理者の道路に敷設する軌道工事およびそのために必要が生じた道路に関する工事の全部または一部の執行の指示をすることができる。

前項の規定による工事に要する費用の負担については、道路管理者および軌道経営者の協議が調わないときは、申請を受けて国土交通大臣がこれを裁定する。

第9条

道路管理者が道路の新設または改築のために必要があると認められるときは、軌道経営者が新設した軌道敷地を無償で道路敷地とすることができる。

第10条

軌道経営者は都道府県知事の認可を受けなければ運輸を開始することができない。

第11条

軌道経営者は旅客の荷物の運賃その他運輸に関する料金(国土交通省令をもって定める料金を除く)ならびに運転速度および度数を定め、国土交通大臣の認可を受けること。

2

前項の国土交通省令によって定める料金を定めようとするときは、国土交通大臣に届出ること。

3

国土交通大臣は公益上必要があると認められるときは、運賃・料金・運転速度・度数または発着時刻の変更を命ずることができる。

第12条

軌道経営者は軌条間の全部およびその左右各0.61mの範囲の道路の維持及び修繕をすること。

2

都道府県知事が必要ありと認めるときは、道路管理者に前項の維持及び修繕の指示をすることができる。この場合における費用の負担については第8条第2項の規定を準用する。

3

第9条の規定によって道路敷地となるものについては、第1項の維持及び修繕は道路管理者がすること。

第13条

国土交通大臣または都道府県知事は監督上必要があると認められるときは、軌道経営者に帳簿・書類及び図面を提出させ、または監査員を派遣して軌道の整備・事業の状況ならびに会計及び財産の状況を監査させることができる。

第14条

軌道の建設・運輸・運転及び係員に関する規程は命令によって定める。

第15条

軌道経営者は国土交通大臣の許可を受けた場合に限って特許によって生じる権利義務を他人に譲渡することができる。

第16条

軌道経営者は国土交通大臣の許可を受けた場合に限って軌道の譲渡、事業・運転の管理の委託、・受託をすることができる。

2

前項の管理の委託を受けたものは、その管理について国土交通大臣に対し委託をしたものと共に責任を負う。

第17~21条

 削除

第22条

軌道会社は国土交通大臣の認可を受けなければ合併または分割することができない。

第22条の2

軌道経営者は国土交通大臣の許可を受けなければ、運輸事業の全部または恥部を休止・廃止することができない。

第23条

次の場合には特許はその効力を失う。
1 工事施工の認可申請期間内に認可を申請しなかったとき
2 工事施工の認可を受けなかったとき
3 事業廃止の許可を受けたとき
4 特許を受けた者が会社の発起人であるときは、工事施工の認可申請期間内に会社設立の登記をしなかったとき

第24条

軌道経営者は軌道に関する工作物の仕様を廃止したときは、都道府県知事のしじするところに従い道路を原状回復すること。

2

都道府県知事が必要ありと認めたときは、軌道経営者の負担によって道路管理者に前項の規定による工事の指示をすることができる。

第25条

本法に規定する国土交通大臣の権限に属する事務の一部は、政令の定めるところによってこれを都道府県知事または指定都市の長が行うことができる。

2

本法に規定する国土交通大臣の職権の一部は政令の定めるところによりこれを地方運輸局に委任することができる。

第26条

鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の
第18条の2
第18条の3
第19条の3~第21条
第23条第1項第3号、第5号、第6号、および第2項
第25条の第3項
第26条の第2項のただし書きおよび第4項
第27条の第1項、第2項および第4項
第29条の第1項
第54条の第1項
第55条の第2項
第56条の第1項および第2項
第56条の2
の規定は、軌道に準用される。この場合においては、
同法第21条の中で「鉄道抵当法(明治38年法律第53号)」とあるものは、「軌道の抵当に関する法律(明治42年法律第28号)」
同法第25条の第3項の中で「第1項」とあるものは、「軌道法第16条第1項」
「業務」とあるものは「事業又は運転」
「が前項各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなった」とあるものは「に関し公益上必要がある」
「又は第1項」とあるものは「又は同項」
同法第55条第2項の中で「国土交通大臣」とあるものは「国土交通大臣又は都道府県知事(当該都道府県の区域内の軌道を敷設する地が一の地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市の区域内のみにある場合にあつては、当該指定都市の長。次条において同じ。)」
同法第56条第1項および第2項の中で「国土交通大臣」とあるものは「国土交通大臣又は都道府県知事」
同法第56条の2の中で「第55条第1項」とあるものは「軌道法第13条」
とする。

第27条

軌道経営者が法令若しくは法令に基づいて行う命令・特許・許可・認可に付けた条件に違反し、その他の公益を害する行為を行ったときは、国土交通大臣は以下の処分を下す。
 1 取締役その他の役員を解任する
 2 他の者に軌道経営に必要な施設や事業の管理をさせること
 3 特許の全部または一部を取り消すこと
②前項の規定によって解任させられた取締役その他の役員は再任させることはできない。
③第1項第2号の規定によって事業の管理をする者は、その管理について国土交通大臣に対し当該軌道経営者と共にその責任を負う。

第27条の2

軌道による旅客の運送に関係する取引に関する民法(明治29年法律第89号)第548条の2第1項の規定の適用については、同項第2号中「表示していた」とあるものは「表示し、又は公表していた」とする。

第27条の3

1つの都道府県の区域内に敷設される軌道が、1つの指定都市の区域内のみにある既存の軌道に接続し、その結果敷設される地域が当該指定都市の区域と当該区域外の当該指定都市を包括する都道府県の区域にまたがる場合においては、その変更の際には、現在において効力を有する当該指定都市の長が行う認可等の処分、その他の行為(以下、本条において「処分等の行為」という)または現在において当該指定都市の長によって行われた認可の申請その他の行為(以下、本条において「申請等の行為」という)は、その変更以降において当該都道府県の知事が行う処分等の行為または当該都道府県の知事によって行われる申請等の行為と見なす。

第27条の4

国土交通大臣は以下の処分等を行おうとするときは、運輸審議会に諮問すること。
1 第3条の規定に基づく特許の取消
2 第11条第1項の規定に基づく運賃および料金の認可
3 第11条第3項の規定に基づく運賃または料金の変更の命令
4 第16条第1項の規定に基づく軌道の譲渡または事業の管理の委託、または受託の許可
5 第22条の規定に基づく軌道会社の合併または分割の認可
6 第22条の2の規定に基づく運輸事業の休止または廃止の許可
7 第26条において読み替えて準用する鉄道事業法第25条第3項の規定に基づく事業の管理の委託または受託の許可の取消
8 第26条において読み替えて準用する鉄道事業法第56条の2の規定に基づく基本的な方針の策定
9 第27条第1項の規定に基づく特許の取消

第28条

特許を受けずに軌道を敷設し、または認可を受けずに運輸を開始した者は200万円以下の罰金に処す。

第29条

以下の場合においては軌道経営者またはその役員若しくは使用人を100万円以下の科料に処す。
1 前条の場合を除き、この法に基づいて許可または認可を受けるべき事項を許可または認可を受けずに行ったとき。
2 法令に基づいて行った命令・特許・許可・認可に付された条件に違反したとき。
3 監査員の職務の執行を妨げたとき。
4 法令または法令に基づいて行った命令に従って行うべき届出、報告、その他の書類や図面の提出、公表、または調製を怠り、または虚偽の届出、報告、公表、または記載をしたとき。
5 第26条において準用される鉄道事業法第18条の3第1項の規定に従って届け出るべき安全管理規程(同条第2項第2号および第3号に関する部分に限る)を届け出ないで事業を行ったとき。
6. 第26条において準用される鉄道事業法第18条の3第4項の規定に従って行うべき安全統括管理者または運転管理者の選任を怠ったとき。

第30条

前2条の規定は公共団体が軌道を経営する場合には適用しない。

第31条

本法は一般交通に使う軌道に準ずる物にも準用する。

2

前項の軌道に準ずる物は国土交通省令で定める。

第32条

削除

第33条

本法に定めるものの他、本法施行に関して必要な事項は政令で定める。

第34条

第8条第1項・第10条・第12条第2項・第13条・第24条・第26条において読み替えて準用される鉄道事業法第55条第2項および第56条第1項および第2項の規定に基づき、都道府県または指定都市が処理することとされた事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定される第一号法定受託事務とする。

以上です。

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