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ライオンズの明日はどっちだ

まず初めに、前回のnoteで「埼玉西武ライオンズの前半戦を振り返る(野手編)」を書くと言っていましたが、タイミングを逸したことと、モチベーションの低下で書く気持ちが失せてしまいました。申し訳ございません


ライオンズは8月30日、ファイターズに負け、クライマックスシリーズに参加できる可能性が完全に無くなり、文字通り終戦となりました

プロ野球の世界では例え1%でも可能性がある限り、ファイティングポーズを下ろさないのが通例となっていますが、0%になった時点でストーブリーグに突入するのも通例

深夜2時(26時)には独自のネットワークでライオンズ情報に強いスポーツニッポンが早速、渡辺久信GM兼監督代行【※肩書が長いので、以後ナベQさんと表記させていただく】の辞任を含め、首脳陣の大幅な刷新について触れる記事を出しています



松井稼頭央監督休養の際にもnoteに書いたが、成績不振最大の要因として、采配が一番の理由ではなく、根本的な戦力不足にあると思っている人が一番多かったのではないか



想像だが、ナベQさんは奥村剛球団社長、飯田光男球団本部長兼編成統括、広池浩司球団副本部長兼編成統括と4人によるTOP会談で松井監督の去就について話し合った際、現場もやってくれと頼まれ、自分が松井監督を呼んできたし、このチームを作った責任者は俺だとの思いもあって、引き受けたはず

ただ引き受けたからにはチームを勝たせて、大逆転でCSに行かせるつもりでもあった。しかしチームは浮上の目がなく、あまりの惨状に愕然もしただろうし、この戦力を作ったのはナベQさん本人であるため、松井監督にあったエクスキューズもないのが悲しいところ


果たして本当にGMと監督、両方の職を辞するとなれば、後任は誰になるか?


GMに関しては、現在のフロントにおいて事実上、ナンバー2の広池氏、スカウトディレクターの潮崎哲也氏、スカウト兼育成統括ディレクターの秋元宏作氏から選ばれる形か

OBでもあり、球団の”顔”として部分を求めると、潮崎氏が選ばれるような気もするが、近年純血主義を追い求めた結果、西武の血が濃くなりすぎる事に懸念材料もある

それなら2011年に打撃投手としてライオンズに加入し、OBという後ろ盾もない中、そこからフロントに入って評価と役職を上げてきた広池氏に託してみたい気もある

逆に言えば、潮崎氏にはスカウトを束ねるリーダーとして、秋元氏には現場とフロントのつなぎ役として、広池氏をサポートする形の方が良いのではないか

ナベQさんもGMではあるが、全て一人で決断してきたワンマン体制では無いだろう。奥村球団社長と飯田球団本部長は来年以降も変わらないだろうし、ナベQさんもアドバイザー的位置づけで、立場や肩書は変わるかもしれないがあと数年はサポートする側で残るだろうし、残すべきなので、その中で広池氏独自の目線で新たなチーム作りをしてもらう事を願いたい


そして監督に関しては、内部人事なら西口文也二軍監督が最有力となる


二軍の投手コーチから森慎二氏が急死した事もあり、急遽一軍投手コーチになったが、その時ライオンズはまだ打高投低の環境下にあり、救援陣のコンディション管理を含め、投壊を防げなかったコーチとして必ずしも評価は高くなく、持て余した結果、二軍監督になったという印象がある

今季、ライオンズの二軍は一軍とは真逆で、イースタンリーグの首位をひた走っており、2002年以来となるイースタンリーグ優勝を目指しているが、二軍における正解が優勝なのか?と聞かれたら必ずしも「イエス」ではないはずで、それをもってして西口監督の手腕であると評価するのは難しい

チーム成績から特徴を見つけるとすれば、盗塁数が昨年は2位で今年は1位、そして成功率は2年連続で1位となっているところぐらいか

ただ二軍は多少の失敗には目をつぶるので、スタートやスライディングを学ぶために走っているところもあり、これをもってして積極的に走らせる監督とは言い切れない

結局のところ、投手起用において、先発では中6日以上空けることが一般化した昨今、中5日での起用を行うか否かであったり、救援では3連投及び週4試合以上の登板を制限するか否か、左対左を重視するか、ぐらいしか大きな差は生まれない

逆に野手起用(攻撃面の采配)においては、どの監督も一定数犠打はするし、盗塁に関しても走れる選手がいるかいないかで多少、増える程度で明確な差は無くなってきている

メジャーでは昨年、162試合でチーム犠打数10個以下のチームが8チーム、ブレーブスに至っては一年間で2回しか行わないなど「犠打は無駄」という考えが浸透しているが、日本ではまだ受け入れがたい様で、明確に「犠打はしません!」との方針を掲げる監督はいない

セイバーメトリクス的考え方として、打順においてどの並びが適切か?といった話にもなるが、それ以上に大事なのは誰をスタメンに選ぶか?と結論付けられており、そこの好みは分からないし、結局選手ありきでしかない

西口監督の場合、一軍・二軍を含め、投手陣からは絶大な信頼があり、モチベーター的要素の比重が大きい日本の(いや世界でも同じか?)監督業においては、過不足ない人材と言える

懸念材料としては、そもそも選手層が薄いチーム状況を任せた結果、松井監督に続き、チームのレジェンドである西口二軍監督までも「捨て駒」になりかねない事ではあるが


もし外部からの招聘となると、真っ先に思い浮かぶのが、黄金時代を支え、後に監督を務めた経験豊富な方たち

伊東勤氏、秋山幸二氏、工藤公康氏、もしくは辻発彦氏の再登板もあり得るか

ジャイアンツでは原辰徳氏が、タイガースでは岡田彰布監督が60歳を過ぎてから現場復帰し、すぐ優勝に導くなど結果を残したが、どちらも元々地力があったし、チームも強力なサポートがあったのも大きい

それに比べると、潤沢な資金をバックに表に裏にとお金を使えた時代はとうに終わり、選手層も薄い中、イチからチームを作り直す再建期にはマッチしないと思われる

あとこれはGMの箇所でも触れたが、ライオンズの純血主義と共に黄金時代を神格化しすぎる事への抵抗が私にはあって、それなら全く外部の血を入れて新たな視点でチームを見直すことも必要だと考えます

そうなると選択肢は限りなくあるし、だからこそ難しくなりますが、今思いつく中では宮本慎也氏になる

実際、2016年のシーズン終盤、辻氏への監督要請が裏で行われ、確定はしたものの、もちろん発表はできない中、宮本氏が監督就任か?というニュースがあった

昨年2月、プロ野球OBクラブチャンネル内にて、西武球団からは一切話がなく、事前に「書きますよ」と報告があったスポーツ紙には「誤報になるぞ」とくぎを刺し、案の定、誤報になったという顛末が語られています




だったら可能性はゼロではないか。という話で終わりなんですが、当時と違うのは奥村球団社長はプリンスホテル野球部時代、宮本氏と二遊間を組むなど同じ時期にプレーをしており、関係性があるところ

ちなみに奥村球団社長は熊本工業出身の為、伊東氏とは高校の先輩後輩の間柄になるし、熊本県出身という部分において秋山氏とは同郷の先輩後輩となる

あとこれは強引なこじつけにはなるが、プリンスホテル野球部出身となれば、直系ではないにせよ、西武グループOBでもあり、球団内外で歓迎する方も多いであろう


宮本氏に期待する事となれば、チーム内の緩んだ空気を一掃し、勝負に徹する集団を作る「令和の広岡達郎」といったところではないか

広岡氏が監督に就任した時は正しく一番お金をかけて選手を集めていた時で、結局のところは素材(選手)あってこそなので、イメージ先行で終わる危険性が無きにしも非ずではあるが

ただチームの再建期において、監督によってどういうチームにしたいのか?それを方向付ける意味でも大事になってくる

例えば、DeNAが買収した当時のベイスターズは三年連続で90敗以上を喫するなど、選手が自信を無くしていた頃で、それもあってか本命の工藤氏に断られると、すぐさま中畑清氏にオファーをして、明るい性格と常に前向きな言葉によって、自信を回復させた

また楽天が新規参入し、言い方は悪いが”余りもの”で作ったイーグルスは田尾安志監督を経て、野村克也氏にオファーし、卓越した野球知識を基に選手に教育することで、一人前の選手へと成長させた

そうなるとライオンズには元々根付いていたチーム気質を再度、呼び起こす意味で十分にあり得ると思うのだが


あと西口監督および宮本氏が監督となった場合、共通して言えるのが、現在ドラゴンズの一軍打撃コーチを務める和田一浩氏の招聘について

西口監督と和田氏は選手時代、ともにライオンズを引っ張った同い年のよしみであり、宮本氏とは侍JAPANなどを通じて、仲良くなった同士でもある

ドラゴンズとの契約ありきとはいえ、今年もBクラスに終わった場合、立浪和義監督の去就問題にも発展するはずなので、もしかするとフリーになる可能性もある。そうなったときには再びライオンズのユニフォームを着て、打撃不振に悩むチームを救ってほしいのだが


ここまで書いてなんだが、そもそもの話として宮本氏に監督をやりたい意思が無ければ、ただの与太話になる。先ほど名前を出したが中畑氏も野村氏も大前提として、監督をやりたくてやりたくて仕方がなかった人であった

宮本氏は解説者として引く手あまたで安定した収入も得られているはず。それに比べ監督業は自分の力ではどうにもならない部分があるし、結果によっては選手時代以上に罵詈雑言を浴びてしまう酷な職業でもある

また宮本氏はあくまでスワローズ一筋の人であり、古巣スワローズへの思いもあるはずで、それはスワローズファンも同様であろう


なのでもし縁がなかった場合、アレックス・ラミレス氏というのも考えられる。甥っ子にあたる、ヨンデル・ラミレス氏は現在、ライオンズで通訳を務めておりルート自体、無いわけでは無いし、何よりラミレス氏は監督業に意欲があるとの見方もある

これも個人的な印象ではあるが、ライオンズは黄金時代の影響を色濃く残す為か、良くも悪くも"横綱相撲"な野球を志向するところがあり、チームが強ければそれでいいのだが、現在は大関どころか三役、いや前頭中位ぐらいのチーム力しか無いのに真正面からぶつかって力負けする試合が多く、それではいくらやっても勝てないよと

それなら他のチームとは違う、スタイルに活路を見出すのもアリなのではないか

あと、これはネタ的要素が強くなるが、来日しなかった為、幻となったライオンズ初の外国人監督、レオ・ドローチャーの無念を晴らす??意味でも興味深い人選だと思っている


そんなこんなで私の妄想話を書いてみたが、ライオンズとしては歴史的転換期であり、再建期になる。そして西武球団となった1979年以降、10周年(1988年)、20周年(1998年)、30周年(2008年)、40周年(2018年)はリーグ優勝【※1988年、2008年は日本一】を果たしており、そうなると50周年を迎える2028年での優勝が目指すべきゴールの目安となる

それまでにチームを再建することができるか。ライオンズが復活するためにも、妥協のない人選でリスタートを切ってもらいたい


では👋

ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。