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中年よ、リゾートバイトに行け!!!〜巣ごもりBBAの大冒険、夏〜


ひと夏の経験はじめました

今年のGWに華々しくリゾートバイトデビューを果たした中年、

味を占めてまた行ってきました。
お盆期間の今回は裏方業務を選択。前回より時給も良く、交通費の支給額も高かったんで「今度はいきなり採用とはならんだろう…」と思いきや、即採用!!人手不足に季節は関係ありませんね。

仲居より気楽そうだけど、体力勝負となる事が予想されます。
なんせ私は一日の殆どをソファに埋もれて過ごしている巣ごもり系中年、なまけものガチ勢なんでね!(いばるな)

仲居業務だった前回ですら腰をイワしてしまった脆弱な足腰です。
なので今回はタイミーで作業系のバイトを入れて事前に体力づくりに励みました。体力づくりでタイミーとか舐めてんのか!って感じですが、結果としてこれは何の足しにもなりませんでした(後述)

癒!!!ネパール3人娘

朝10時に出勤して、お客様が帰った後の客室清掃を行います。レギュラーで働いているネパール人の女の子3人と行動を共にするんだけど、この子達が本当に優しかった…

まず布団を押し入れに上げるのですが、初日で張り切っていた私は布団を2枚いっぺんに持ち上げ颯爽とぶちこむムーブをキメ!どや!!

「ああっ!2枚、ダメ!無理しないで!1枚でいい!」

慌てて声をかけてくれました。
トゥンク…
その優しさに戸惑う中年

これまで「さっさとやれ」と言う無言の圧に常に晒され限界突破する事はあれど「無理しないで」なんて面と向かって言われた事があったでしょうか。
そして楽しそうにお喋りしながら新しいカバーをかける3人娘。殺伐としたスピード勝負なイメージだったので意外でした。

まぁネパール語なので何言ってるのか分かんないんですが、それはそれで気が楽です。もしかしたら「このオバハン張り切りすぎて草」って言われてるかもしれないけど、まぁ良いんです。

「私たちお喋りたくさんする。うるさい?」

「いえいえ、楽しそうで良いと思います」

「私たち楽しく仕事してるから」

「楽しく仕事!ダイジ!」

あ、つられてカタコトになっちゃった。しかし首がもげるほど頷いてしまった私。

仕事は辛いものだと思って働いてきた私にとって、この言葉はめちゃめちゃ深かったんですよ。で、それは、楽しくなくても楽しくするっていうニュアンスなんですよね。良い心がけだよなぁと。

布団上げが終わった後は掃除して、アメニティを補充して午前中は終了です。黙々と作業したのであっという間でした。

…あれ?これは意外と楽勝なのでは?!

そう思っていました。あの方が来るまでは…(?)

震!!!重鎮の圧

次の日、忙しい時だけ手伝いに来るという仲居歴10年以上のベテランの方が出勤してきました。
ベテラン仲居ってもうそれだけで恐怖じゃないですか…重鎮ですよ重鎮。

そんで、布団上げは自分たちがやるから掃除をお願い!と言われ、朗らか布団係はクビになり、お掃除おばさんに徹する事になった。

いきなり3人娘との蜜月を取り上げられる刹那…
楽しそうに布団上げをする声を聞きながら1人、便器を磨くという、なんとも言えない寂しさを感じていた。

そしてこの掃除が地味に辛いんですよ。

泣!!!地獄の風呂掃除


トイレ→風呂→洗面台→床拭きの中で
圧倒的に辛かったのは風呂掃除である。

ホテルには大浴場があるので基本あんま使わないし、使われてなければ掃除しなくて良いんだけど、使われてたら最後、壁から床から全部掃除しなくてはいけないんですよ。。。

拭き上げ用のバスタオルが風呂場に置かれてたら「要清掃」の合図。
地獄への入り口だ。(大げさ)

さらに私を疲弊させたのは、初日には殆ど無かった「要清掃」の部屋が2日目以降めちゃめちゃ多かったこと。これは多分理由があって、海が近いんで海水浴帰りのお客さんが使ってたんだと思う。盆が明けると減ったからね。

清掃ってのは正直、「どこまで真面目にやるか」ってのがポイントなんだろうが、この抜き所を掴むのが苦手なワタシ、とりま隅々までやってみる。

気づくと30分くらい経っていた。

「もう少しペースアップしないと時間が迫ってきて、どんどん追い詰められてしまうよ」

とほほ、重鎮にチクリ言われてしまった。

「追い詰められてしまうよ」と言われると余計に追い詰められてしまう定期。
慌てれば慌てるほど終わらないループ。

「 追 い 詰 め ら れ て し ま う よ 」

どうしようどうしよう!とバスタオルを振り回して蛇口に当たってシャワーがシャー!→バーカやり直しじゃボケ!みたいな漫画みたいな展開に泣きそうになった。

で、そのうち何かよく分からんけど独自の磨き方を思いつき、こうすればええやん!!!と横着をはじめる。

「洗面ボウルにホワイトなんちゃらが残ってるから気をつけてね」

すかさず重鎮チェックが入った。

ホワイトなんちゃらは聞き取れなかったが、クレンザーが流れ切れてなくて筋になって残ってたよ。と言う意。
身に覚えがあり過ぎた。「クレンザーちょい残して拭き取るくらいがキラキラなるかも」と横着したからである(バカ)
横着をはじめると、とめどなく横着し一線を超えてしまう中年。

こうしてトイレの女神様から盛大なる祝福を得られそうなくらい掃除を繰り返すと、人というものは学ぶもので、どうバスタオルをぶん回せば早く拭き取れるかとか、どう拭けば抜け毛を上手く回収出来るかとか、コツが掴めてきて心穏やかに作業出来るようになった。

よっしゃー!!!レジェンドおばちゃん

中抜けを挟んで夜の仕事は18時から。布団敷きと食器洗浄です。
洗い場にも重鎮がいるのですが、こちらは40年以上も勤務しているという、もはやレジェンドである。

このおばちゃんと、お客さんが食事処に行った隙に部屋に侵入し、布団を敷きます。帰ってきたら布団だあ!っていうあれですね。

部屋によってはトンデモ散らかってて荷物を動かさないと布団が敷けないケースがあり大変でした。触られるの嫌やろなぁと申し訳なく思いながら剥き出しの服とか移動させてました。

お客さんによって客室の使い方ってほんと違うんだよ。キレイに使う人は隅っこに荷物がまとめられてて、そもそも荷物も少なかったりするんだけど、散らかす人はマジ物も多いし隅々まで散乱してんの(笑)
まぁホテルを存分に満喫してるという意味では大正解なのかもしれませんがね…

そういうグループはブランドバッグが多くてテーブルにカニみたいな付け爪が並んでるのも興味深かったな。
私もホテル使う時は気をつけようと思った。

おばちゃんは、めちゃくちゃ優しくて慣れない私にもペースを合わせてくれて有り難かった。
口癖が「よっしゃー」なのも好きだった。たぶん「どっこいしょ」とか「よいしょ」的な意味で使ってるんだけど、「よいしょ」より景気良くて元気がもらえる気がしていた。

こうしてひと夏の経験は終わった

終わってみれば最初の3日くらいがピークだったんだなと思った。GWと違って、いきなり忙しくなるんですよね。

体感ではGWは真ん中。盆は前半。

少しずつ慣らしてピークを迎えるほうが精神衛生上良さそうだけど、訳分からんうちにピークが終わるほうが幸せとも言えるので、こればっかりは人によるかな。

ピークが緩和すると共に賄いがどんどん豪華になっていったのも嬉しかった。
初日の昼にうどん玉と雪平鍋渡されて「自分で茹でてどうぞ」って言われた時は「マジか」「賄いとは」ってビックリしましたけども。

最終的に刺身とか揚げたての天ぷらとか、お盆に乗り切らないくらいご馳走三昧で、わざわざ外に食べに行く必要ないくらい豪華で有り難かったですね。お部屋に持って帰って食べれたのもゆっくりできて良かった。労働後のビールがこんなに美味いとは。

仲居と裏方を比べて

やはりお客さんの前に出ない分、緊張感が生まれないので裏方業務は気楽で良いです。黙々とやっていたら時間が過ぎていったので、これといったストレスも感じずに終わりを迎える事ができました。

ただ、体力勝負になるのでシンプルに疲労感が半端なかった。特に私は汗かきなので、娘ちゃんたちが心配するくらい毎回ビショビショ。手持ちの水分じゃ足らな過ぎてコンビニに買いに走ったのも今となっては懐かしい。

どっちを取るかだなぁ。体幹を鍛えて強靭な腰を作りあげたいものだ。

どちらにしろ、やはりキーとなるのは職場の人間関係。今回はかなり良かったと思います。どの持ち場にいる人も優しくて朗らかな方ばかりで、困っていたらすぐ助けてくれる神の様な人たちでした。ピリピリした奴が一人でも居たら、もうダメよ、空間が澱む。
レジェンドが40年以上勤め上げるくらいだもの、やはり安心感が違うよね。

ネパール3人娘ちゃんたちの屈託のない明るさも良かった。私の100万倍くらい愛嬌があって、重鎮をはじめとしたホテルの皆さんにとても可愛がられてて、とても雰囲気が良かった。

あの底抜けの明るさって、どこからくるんだろう。日本という殺伐とした島国では決して育まれる事のない圧倒的な土台の違いを感じる。少なくともオドオドと4○年生きてきた私には一生備わることは無いでしょう。

やはりリゾバは素晴らしい

毎日の仕事終わりに入る展望風呂の景色は格別でした。
しかも今回は夢の客室寮!お客さん仕様の部屋は快適度が段違い!めちゃめちゃ広かったし、冷蔵庫や洗面台もあって便利やった。

毎回思うけど、この価格がブチ上がる時期に、あえてその金額を払い泊まりに来てくれるお客さんって本当に凄いと思う。小さなお子さんを連れた夫婦とか、三世代で泊まりに来た家族とか見ると「いやぁ〜偉いなぁ」と羨望の眼差しを向けてしまう。

そうして来てくれるお客さんのお陰で、私のような巣ごもり中年にもリゾートバイトというチャンスが巡り、こうして抜群の景観を無料で楽しめたり、舟盛りのおこぼれにあずかれたり出来る訳です。本当に感謝しかありません!BIG LOVE!!!!

そしてやはり休み明けの旅行は最高なんよ

こちらは盆明けの8/20、阿佐海南鉄道の阿波海南駅
10:58発DMVの車内です。

2021年に運行開始されたばかりの世界初!デュアルモードビークル、運行日によっては事前予約が必要なほど人気なはずが…
まさかの貸し切り状態!!!

宿泊した民宿も私だけで、今回も伸び伸びと旅行を楽しむ事ができました。
旅行のお話は、また別の機会に。

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