MF2 ガッツダウンの本質
前回の記事では、ガッツダウン技が見た目以上に強力という話をしました。「MF2バトルマニア」では、すべての技において、ライフダメージ・命中率・クリティカル率から期待値を、さらにコスト・ガッツ回復・技時間から技の使用可能回数を算出し、期待値と掛け合わせることで評価値を算出しています。つまりガッツダウン技とは、ライフダメージが主たる目的ではなく、使用可能回数(=手数)を減らし、受けるダメージを減らすことが主たる目的になります。
通常、対戦で相性を考える時、互いに主力技をぶつけ合い、そのダメージの比率によって有利・不利を考えます。一方、ガッツダウン技を主力にする場合、自分がダメージを積むことよりも、相手から受けるダメージを減らすことを重視します。そして、相手の手数を減らした結果、
①自分が通常技で与えるダメージと相手から受けるダメージの比
この数値を、
②自分がガッツダウン技で与えるダメージと相手から受けるダメージの比
が上回れば、普通にライフを削っていくよりも、ガッツダウン重視で攻めた方が勝ちやすくなることになります。これを「いぬらぼ」では、「優位逆転」(リード率の高い通常技の利点を、ガッツダウン技の優位性が逆転する)と呼んでいます。
前回の記事で、G6のメタルナーに30のガッツダメージを与えたところで焼け石に水と述べましたが、厳密にはまったくの無意味ではありません。ガッツダメージ30とは、ポン拳2発分弱に相当します。メタルナー攻略ではいかにポン拳を打たせないかが重要になるため、ポン拳約2発分のガッツを奪う(=ポン拳の使用回数が2回分減る)というのは、悪くありません。しかし、この程度のガッツダメージでは、メタルナーの圧倒的な手数を封じるには不十分です。
ガッツダメージは、技のGD指数の±5です。つまり±5の乱数はあれど、固定値です。次に技のコスト。これも固定値です。この2つの要素が固定値であるならば、あるガッツダメージを与えた際にある技の使用回数を何発分減らせるかというのは、相手がG6でもG19でも変わりません。しかしその技を打てるMAXの回数(使用可能回数)はガッツ回復が遅いほど少なくなるため、ガッツダウン戦術は相対的にガッツ回復が遅い相手ほど刺さることになります。
とはいえ、G17ならガッツダウン戦術が刺さる、G16なら刺さらないというような、そんな単純な話ではありません。あくまでガッツにダメージを与え、相手が打ちたい技の使用回数を減らすことが、ガッツダウン戦術の本質です。例えばビークロンを例にとると、超つのアタックを試合開始~残り15秒までにガッツMAXで打てる使用可能回数はG11でも16でもおよそ5回です(なぜ「およそ」かと言うと、命中した場合と回避された場合では技時間が異なるためです)。コストは18ですから、総消費ガッツは90。つまり合計90のガッツダメージを与えれば、G11でもG16でも、超つのアタックを(フルガッツ状態では)打てなくなります。つまり「超つのアタックを打てなくする」という目的でガッツロックを仕掛ける場合、相手がG11でもG16でも同じように刺さるということになります。よって「ガッツ回復が遅いモンスターほどガッツダウン技に弱い」というのは微妙にニュアンスが違い、厳密には「主力技の使用可能回数が少ないモンスターほどガッツダウン技に弱い」ということになります。
ガッツダメージの刺さり方が主力技の使用可能回数に依存するということは、逆に言えば、同じガッツ回復値でも種族によって刺さり方が異なるということでもあります。
例えば、突きを主力にするレッドアイと、頭突きを主力にするグジコーンの場合を考えてみます。どちらもガッツ回復値は14。レッドアイは残り15秒までに突きを最大8回、グジコーンは頭突きを最大6回、フルガッツ状態で打つことができます。この最大値(使用可能回数)の差が、言うなればガッツダウン戦術への耐性の差と考えることができます。ここでどちらも60のガッツダメージを受けたとします。どちらも主力技約4回分に相当するガッツダメージです。そうすると、レッドアイが突きを打てる回数は4回になるのに対し、グジコーンは頭突きを2回しか打てなくなります。技の使用可能回数は、言い換えれば相手に有効打を与えることができるチャンスの数です。当然この回数が多いほど挽回できるチャンスが多い、つまりガッツダウン戦術に強いことになり、ガッツダウン戦術への耐性に限れば、レッドアイ>グジコーンとなります。
なぜ、このような差が生まれるのでしょうか。それは技のコストとモーション時間にあります。突きはコスト14、頭突きは16です。そして技時間は突きが約1.6秒、頭突きが約3.8秒です。モーションが短いほどガッツロス(ガッツ回復が停止している時間)が短いため、より多くのガッツを溜めることができます。つまり、ガッツ回復値の高低よりも、技の使用回数が多い(コストが低く、モーションの短い技を主力にしている)ほど、ガッツダウン戦術に強いことになります。
ガッツダウン戦術のメリットとデメリットです。
<メリット>
①相手の戦術を制限することができる
相手は限られたガッツで逆転の手を打たなければならないため、ガッツが溜まりきっていない状態で技を打ったり、命中率が低い技に逆転の望みをかけることを強いることができ、相手の戦術を崩すことができる。
②攻撃力・防御力が下がる
ガッツダウンが決まればガッツとともに補正も下がるため、次の攻撃に対する防御力・回避率を下げることができる。さらに相手の反撃を受けても、反撃技の火力や命中率も下がるため、計算上のリード率以上に有利になる可能性が高い。
③決まればほぼ確実に勝てる
当たり前だが、ガッツがなければ技を出すことができない。ガッツロックが完璧に決まれば、もはや相手に打つ手はない。駆け引きも連打合戦も必要なく、確実に勝てるメリットは大きい。
<デメリット>
①ライフダメージが少ない
ライフ差が広がりづらいため、カウンターの一撃を受けてしまうとすぐに逆転されてしまいやすい。よって相手のガッツを削ったら、命中重視技などを当ててライフ差を広げておくとうまくいきやすい。また、先制攻撃を受けて大ダメージを受けてしまうと、ガッツダウン戦術自体が破綻してしまうことも。
②終盤のガッツロックはリスキー
終盤に優勢の時はそのまま相手のガッツを削りきって勝てるのが理想だが、リスクもある。ガッツロック中に割り込まれて大ダメージを受け、逆転を許してしまうと、再度逆転するのは困難。技の切り替えすら許されないままハメられて、そのまま負けてしまう場合も。
こんなところでしょうか。リスクはなくはありませんが、相手を見て上手に使えば、普通にライフを削っていくよりもはるかに強いケースも多いので、勝率アップのためにより研究を重ねていきたいところですね!
<まとめ>
・ガッツダウンとは、相手の技の使用回数を減らすこと
・ガッツ回復が遅いほどガッツダウン戦術に弱い、というよりは、主力技を使える回数が少ないほどガッツダウン戦術に弱い
・要するにコストが低く、モーションが短い技を主力にするモンスターほどガッツダウン戦術に強い