ロックの日と、音楽と出逢うときの心持ちのはなし
新しい曲を聴くとき、とても緊張する。
それが1番顕著に現れるのは、BUMP OF CHICKENさんの音楽を聴くとき。
新しい曲が発表されて、すぐ聴きたい気持ちもあるのだけれど、1回目は絶対に適当には聴きたくない。
自分が変にテンションが上がっているときとか、落ちこんでいるときにも聴きたくない。
自分がニュートラルな状態で、かつ落ち着いて、音に集中して聴けるタイミングで。1回目はかならずそう聴きたい。(もちろんひとりで)
だって、1回、1音でも聴いてしまったら、″聴かなかったこと″にはできない。
そのとき自分の中に生まれた感情を″なかったこと″にはできない。
それが嫌な変化ではないにしても、かならず、絶対、″聴く前の自分″と″聴いた後の自分″は変わってしまうから。
そういう変化への恐れなのか…ううん、それも多分少しあるけど、それよりも、その変化をできるだけ真っ直ぐに受け止めたいから。
だから、「おっ!新曲でたんだ!早速聴いちゃおう!」とは、なれない。
こういう小難しいことというか、ややこしそうなことを書くとなんだか変な自慢みたいに聞こえるかもしれないんだけど、これは、″私ってこだわっててなんだかすごいだろ!″って話でもなんでもなくて。
ただ自分がややこしくて、なんだか変な、でも譲れないこだわりを持っている、っていう、ただそれだけの話。
本当は早く聴きたいし、本当はもっと身軽に聴きたいのだけれど、なかなかどうしてそれが難しい。
そういうわけで、早く聴きたい気持ちを抑えながら、自分と相談しながら″初聴き″の瞬間を見極めている。
この前だって(この前ってったって2ヶ月ほど経つ)、藤くんのお誕生日で、藤くんが冒頭部分の″ちょっと歌ってみたよ″を届けてくれてなかったら、まだ聴けてないかもしれない。藤くんのその早く声を聴きたくて、思わず動画を再生して。そうしたらBUMPさんが完成させたクロノスタシスという音楽を聴きたくなって、″眠れなくなるかもしれないリスク″を冒しながらApple Musicに向かったのだ。
それからきちんと座りなおして、イヤホンを装着して、深呼吸をいくつかしてから、再生ボタンを押して、目を閉じて。
そうしてやっと、私はクロノスタシスに出逢えた。
結局多少眠れなくなったし、リスクはやっぱりリスクだったけど、それでもきっかけをくれた藤くんに感謝している。出逢えてよかった。
とりあえず今は、あのタイミングでイヤホンを購入していた自分を褒めたい。よくやった。
多分これからも私は、新しく現れたドアの前でひとしきりウロウロして、それから何度か深呼吸をして心を整えて、それからやっと、やっとそのドアを開けるんだろう。
ちょっとややこしい自分を見て、仕方ないなあと少しだけ笑いながら。
それから、多分そのドアからもう出てこないんじゃないかってくらい、全力でその世界に浸るんだ。
あーあ、なんてややこしいんだろう。
あーあ。
あーーーあ。
って。そんな
クロノスタシスを初めて聴いたその時の衝動に乗せた文章を載せる、ロックの日。
えりぴ