全面的なデリゲーションの話
最近7つの習慣
を読んでいて、かなり良かった話題、かつちょうど最近仕事で遭遇したテーマがあったので、備忘録も兼ねて記事にします。
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7つの習慣の思想として「インサイド・アウト」というものがあり、公的成功の前にまず私的成功による自立があります。
つまり、他社や組織、社会への働きかけの前に、自らの習慣、行動、思考を見直し、自立することから始まるということです。
第3の習慣「最優先事項を優先する」は、7つの習慣の中のうち3つの私的成功の習慣の一つです。
今回のテーマは「最優先事項を優先する」の中の、デリゲーションの話になります。
デリゲーションとは?
何か物事を達成するためには、
・自分の時間を使って実行する
・人に任せる
のどちらかをしなければなりません。
デリゲーションというのは、この「人に任せる」に相当することです。
この時気をつけなければならない原則が、
・自分の時間を使うときは効率性を考える
・人に任せる時は効果性を考える
です。
大きなことを達成するため自分一人で全てのことを実行していてはいつか限界が来ます。
その際に自分の能力にレバレッジを効かせるためには、人に任せること、つまりデリゲーション(委譲)が必要になるのです。
これはマネジメントにとってはとても重要な、そして基本的な考え方の一つです。
デリゲーションには2種類ある
デリゲーションといっても基本的には次の2種類があります。
・使い走りのデリゲーション
・全面的なデリゲーション
使い走りのデリゲーションは「あれをしろ、これをしろ、終わったら私を呼べ」といった指示的なマネジメントです。
この方法ではデリゲーションした相手はただの自分の使い走りなので自分で物事を考えることはできるようになりませんし、渡した方もいちいちチェックする必要があるので渡せる人数には限界があります。
そのため、この使い走りのデリゲーションで出せる成果にも限界があります。
より効果的で相手を尊重してデリゲーションするのが、全面的なデリゲーションです。
全面的なデリゲーションとは?
全面的なデリゲーションでは、手段ではなく結果を重視します。
相手には結果に対して責任を持たせながら、その手段は自由に選択させます。
これを実行するためにはただ相手を信頼して任せればいいというわけでもなく、デリゲーションする際に両者の間で確認しておくべき5つの項目があります。
望む成果
何を達成しなければならないのか
(どうやって達成するかではなく)
ガイドライン
守るべき基準やルール
できるだけ少ない方が良いが、絶対に守るべき制約は伝える
失敗する可能性の高いところがわかっているなら最初に伝えておく
リソース
結果を達成するために使える人員、資金、技術、組織、リソースを明確にする
アカウンタビリティ
成果を評価する基準、仕事の進捗報告を求める時期、評価を行う時期を具体的に決めておく
評価の結果
評価の結果として、良いことも悪いことも具体的に話しておく
書籍では具体的に全面的なデリゲーションをする例として、著者が息子に庭の芝生の手入れを任せる「Green & Clean」の話もありますが、そのまま引用するには長いので割愛します。
また、全面的なデリゲーションにも次の原則があります。
・任せる相手の能力が未熟の場合
望む結果のレベルを下げ、ガイドラインを増やし、リソースを多めに用意し、進捗の報告を受ける機会を頻繁に儲け、結果がすぐにわかるようにする。
・任せる相手の能力が高い場合
より高い能力が試されるレベルにし、ガイドラインを少なくし、報告の頻度も減らしてなるべく干渉しないようにし、数値の機銃よりも出来栄えの基準を増やす。
こういった相手の能力も考慮して、それぞれの項目をうまく調整しながら、相手とも合意を取りながらデリゲーションするとより効果的になります。
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デリゲーションの話は以上となります。
これから何か人に仕事を任せる時には、この全面的なデリゲーションのやり方と5つの項目を思い出したいです。
あるいは人に仕事を任せられた時に確認しておくべき項目としても使えそうですね。
この本のこの話を読んでから急いで記事を書いたので、これから続きを読もうと思います。