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「すばらしき世界」を観て


まず、ひとこと言うと
観てよかった!!良い話なのかはわからない。けど、人生において観ておいて良かったと心から思える作品。
今まで映画でDVDまで買いたいとか、監督のことまで知りたいと思ったのは初めてだった。



この作品を見たきっかけはある患者さんだった。この主人公と少し境遇が似ていたのだ。
私にとってヤクザとは馴染みがなく、どんなことで生計を立て、どんな扱いを受けていたのか、なんでヤクザにならざる得なかったのか。
彼らがどんな想いを抱えて今を生きているのか、知りたくて見てみた。

役所広司、仲野太賀をはじめとするすべての役者さん達が素晴らしすぎる。
ひとつも現実離れしていると、冷める場面が無かった。それは、西川監督の本にも書いてがあったが、ものすごい下調べと取材の賜物だったんだなぁ。

三上正夫が世間の正しさと自分の正しさの狭間で闘い続ける姿がなんとも人間臭くて、ものすごく魅力的だった。

三上の人間らしくまっすぐな人柄が、津乃田や
スーパーの店長なども惹きつけていた。

一定の距離感を保ちながらも、できる範囲で三上をなんと助けようとするケースワーカー。
本当はもっと助けたいけど、法律がある手前身勝手なことはできないんだよね。

「贅沢したくて、働きたいわけではない」

ただ、社会の一員として認められたい
そんな想いなのかなと思った。

「社会で生きるって、結構いい加減」
「勇気ある撤退」

身元引受人の夫婦の言葉はとても温かくて、優しい


ただ、普通に生きたい。
これがどれだけ難しくて、どれだけの我慢をしなければいけないんだろう。

三上が普通のことをしていればいるほど、涙が溢れてくるから、半分以上は泣いてた。


「シャバの空は広いって言いますよ」

社会の一員に近づこうと普通になろうと努力していた三上に空は広く映っていただろうか。

三上正夫とって、「生きる」とはなにか。

普通に生きるって、私にも難しくて分からない。

ただ、生きていたら嫌なことも良い事もある。

三上にとって、最後は良い記憶を考えながらだったらいいな。

この世界は案外悪くなく良い事も多いと、
すばらしき世界だと思っているといいな。

だとしたら、ハッピーエンドなのかもしれない。


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