空白を埋める為の絵画
カンジャンケジャンを食べたいという先輩を連れてカンジャンケジャンを食べた。
やはり韓国で食べるカンジャンケジャンが一番だった。先輩は韓国に行ったことはないがきっと同じように思っていた表情を浮かべてた。
口の生臭さを消すべくパンケーキを食べる為にカフェに入りそこで先輩に
「部屋に絵画を飾りたいがどんな絵を飾りたいのかわからないから一緒に考えてほしい。」
と言われた。
先輩はアートに興味関心がなく、ただ部屋にある真っ白な壁の空間をおしゃれに埋めたいということだった。
難しかった。どういうものをアドバイスすればいいんだろう。
私は空間を埋める為に絵画を飾りたいと思ったことがない。
好きな画家や作品はあっても、私の部屋にそれはあまりに尊く、生活圏内に入れるものではないから。
作品がとても可愛くて、部屋にポストカードを飾るくらいが私のMAXの絵画の飾り方だ。
空間を埋める為に飾られる作品。
「作品が好き」じゃなくても「部屋に合うもの」であればいいのだろうか。
でも、好きじゃないと、飾りたくないよね??
作品を好きになるって、人に紹介されてビビっとくるものもあるだろうけど1mmくらいの確率だよね???
やっぱり、自分で歩いて自分で出会って自分で手に入れてほしい。
そういう出会いをして手に入れた作品は複製だろうとなんだろうと部屋を華やかにするだろうから。
この説明をしても、草間彌生も村上隆もバンクシーも知らないと断言する先輩には響かなかった。
バンクシーはニュースでアホほどやってたやろが。
村上隆のフラワーを見せても見たことないと言われてしまい「街を歩け」と言うしかない。
結局、沖縄が好きな先輩は自分の沖縄の好きな場所の写真だか絵を飾ることになった。
そんな結論になるならめーーーちゃ考えて色々な作品を提案した私ともう1人の先輩のプレゼンの時間を返してほしいぜ。
バンクシーの説明の時間、絶対いらなかったぜ。
ゴッホの作品をgoogle検索した時間、なんだったんだ。
「目が付いてる絵は怖いから飾りたくない」
ゴッホの自画像送ったろか。
モナリザにずっと微笑みられとけや。
でも今思えばあの先輩の家にゴッホやらピカソやらの絵は似合わないだろなぁ。
きっとあの先輩はなんだかんだで沖縄の写真も飾らないんだろうな。
来年先輩の誕生日にゲロニカの複製でも送ってやろうか。