変な家族2

某月某日 夏
当時地元を離れ県外にいた私。
ファルコンが住んでいる県は地元と一緒の場所だった。大して遠くはない。

「駅についたらメールしてね」と携帯のアドレスを教えてくれた。(当時はLINEはおろかスマホはない)

駅につくと、あったこともないが見た目で「あの人かも」と思われる人が立っていた。

いかにもそれっぽい服装とかではないが、なんとなく……なんとなーく雰囲気がそれっぽかった。

ぽっちゃりとした体型に少し明るめの色のショートヘア、Tシャツに短パンとまぁボーイッシュな出で立ち。
文字で書くと、特になんともないのだが雰囲気までは文字ではかけない。オーラとかそういう言葉は使いたくないからあくまでも直感。

相手もこちらに気づき「きのちゃん?きのちゃんだよね?」と声をかけてきた。

なんでもその共同生活をしているという家は古い一軒家で駅から15分くらい歩いたところにあるらしい。

しばらく歩くと、住宅街に入り駐車場と民家がある場所でファルコンが突然
「ここ、何かわかる?」と聞いてきた。

あー、駐車場と家だね。
という答えは期待していないんだろうな。

「わかんないなー駐車場だね、日陰の」
と答えた。

「そう」

短い返答が返ってきた。満足そうな。

私には霊感とかそういうのはまったくない。
ただ、自分が嫌いな場所は明るくても黒く見えることがある。
ただ、それだけ。

駐車場は日向だった。


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