お抹茶にハマっちゃった

新車発表会を配信で見た。

先日のR-1グランプリ決勝。歴戦を勝ち抜いた強者たちが汗だくになって漫談し、フリップネタをし、一人コントをする中、書割(というか手作りの段ボールのハリボテ)の車に乗り、陽気なユーロビートに乗せて「かりんとうの車」「かりんとうの老舗が作った普通自動車」と誇らしげに歌い続けたのが、トンツカタンのお抹茶さんだった。

かりんとうの老舗が一か八かで作った車。軽くて耐久性もあって、いい匂いがするらしい。開発に5年。機能性よりも味に時間をかけたそれは、こだわりの無添加だという。何よりお抹茶さんの表情が良い。嬉しそうに運転するお抹茶さん。かりんとうのファミリーカーとすれ違って興奮するお抹茶さん。ボトルガムの容器に入れた味噌を誇らしげに対向車に見せるお抹茶さん。雨が降ってふやけてしまった車に敬礼する背中には哀愁が漂っていた。

順位は最下位。確かに意味はよく分からなかった(かりんとうの車って何なん)けど、私はすっかりハマってしまって、録画していたR-1も、YouTubeにあった動画も何度も見た。同じくR-1で優勝した佐久間一行さんの井戸のお化けのネタを思い出した。私はあのネタにもハマってさっくんのDVDを買ったんだった。

フリー音源の使用方法に規約違反が見つかって(勝手に歌詞乗せたらダメですね)動画が見られなくなってしょんぼりしていたが、作曲者が新たにオリジナル曲を書くことになり、それが光のスピードで納品されて、新車発表会という名のライブが開催されるという。待ちに待った、正真正銘の、規約をクリアしたクリーンな「かりんとうの車」だ。

とにかく楽しいライブだった。
かりんとうの車→かりんとうの車→かりんとうの車→ピンネタ(ピアノ刀侍)→トリオネタ(カウンターの高い寿司屋)→ピンネタ(天体)→かりんとうの車 というクレイジーな構成だったけど、お客さんもお抹茶さんも森本さんも櫻田さんもとにかく楽しそうで、一度も飽きずに笑い続けた幸せな時間だった。

トリオのネタも面白いし、「タイマン森本」も好きだったけど、お抹茶さんがこんなに幸せで楽しい芸人さんだと知らなかったな。地方でライブをやることはあるんだろうか。あの楽しそうな空間に私も参加してみたい。雨でふやけたかりんとうの車に、一緒に敬礼してみたい。


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