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医学生女が直美について考えたこと

最近話題の直美(ちょくび)について考えたこと。
直美とは初期研修の後専門研修なしで直接美容業界に入ることを言う。

実習をしていると先生に美容に興味はあるのかとたまに聞かれることがあるので、実習で色々な科を回っているこの機会に考えてみた。


直美はリスクも負う

まず感じたのは専門医を取らず直美という行為はそれなりのリスクを負うということ。リスクを理解した上でやりたいならやれば良い。


しかしその失敗を他科の医師が肩代わりすることになるなら、それはやめた方が良いと思う

医師の労働環境、地方格差

そもそもなぜ直美するのかについて考えたい。

専攻医になると,度重なる当直、それに見合わない給与。対して,直美すれば当直もなし、年収も勤務医の数倍。

その背景には医師の過酷な労働環境と地方格差があるのではないか。



単純化して言えば、全医師が当直なし、給与が美容並みだったら直美も減ると思う。

さらに重要なのが地方格差。
直美のもう一つの理由として「地方に行きたくない」があると思う。

地方が忌避される理由は何か?
利便性の低さ,給与の低さ(?)、気候の厳しさ、雇用、教育、QOLあたり…?



利便性に関して、確かに田舎は色々欠けていると実際住んでいて感じる。オタ活もできないし、話題になるようなショッピングモールなども少なかったり。


もう地方の医師の給与を上げまくれば最悪ガッツのある医師が地方に来るのでは…?
と思ったが、その家族の働き先を考えると地方の雇用創出&賃金上昇が伴わないと家族で移住とはならないかも。


加えて教育。確かに都会だと塾も多いし進学率も高い。子供の教育環境を重視するなら都会にいたい気持ちはわかる。


自分の教育に関しても,僻地医療に関心がある人以外だったら都会の方が最先端医療に触れる機会は多そうだし,医師の総数が多いので学べるものは多いと考えるかもしれない(?)



QOLに関して。地方は医師が少ないので確かにハイパーになりがち。



まとめると、直美するのは若い医師、となるとメインの理由は「利便性&給与&QOL」かな

医師はQOLを追い求めてはダメなのか。

自己犠牲が当たり前とされる医師像




一方でまた別の意見も提示したい。

医師がQOLを求めると「国のお金を使って勉強してたのに」「医師は命を救わなきゃ」「そのために自分のQOLは犠牲にして働け」という社会からの無言の圧力を感じる。



会社員,その他の職業だとQOLのために転職など当たり前の現代において、医師だけが公共性を盾にQOLを犠牲にしろというのは論点のすり替えな気がしてならない。


命を救う存在としての医師


医師の自己犠牲の上に医療が成り立つなら、それは変えていく必要があると思う。

医師の過労死も隠されているだけで実はさらに起こっているのではなかろうか…

当直明けの継続勤務、主治医制など医師の仕事がハード化する理由は色々あると思う。


この辺の問題も考えた上で直美について語る必要があるのではなかろうか。

取り止めがなくなってきたがこの辺で終わりとする。

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