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フジロックでAwichを見た。



予定時刻になり照明が消えた。






暗闇の中、ただ1人でステージの真ん中にAwichが立った。

それはこれまでAwichが1人で戦ってきた様子を物語っているようだった。でもそれは違った。

Awichはフジロックの1番大きいGREEN STAGEが、数多いフェスの単なる1ステージではなく、とても意味のあるステージと理解しているからこそ、怒鳴るようなラップのすべてに今日の気合いが表れていた。

沖縄代表として、沖縄の文化を守る使命、沖縄戦の忘れてはならない過去、米軍基地問題、それらをラップの中に落とし込み、加えて、女性として生きる誇り、さらには日本のヒップホップシーンの代表という自覚、すべてを抱えて戦ってきた。

1人で戦ってきたと思っていた。

でもクライマックスに向かって、一緒に戦ってきた仲間のラッパーたちが次々に終結し、決してAwich1人で戦っているわけではないんだと分かった。
だからAwichがいる限り日本のヒップホップは大丈夫だ。ほんとにそう思えた。

フジロック GREEN STAGEのヘッドライナー(大トリ)前に日本の女性ラッパーが立った今日のこの時間はものすごく意味のある時間だったと思う。

会場は半袖1枚では寒くなってきた。

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