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サステナブル経営をしよう!

SDGsと企業の目的は同じ?

 SDGs(Sustainable Development Goals)とは、「持続可能開発目標」とされ、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際的な目標となっており、多くの企業もHPなどでその取り組みを公開しています。

『SDGsロゴ』
国際連合広報センターHPから引用

 ところで、企業の目的とは、利益を追求することでしょうか?

 現代経営学の父であるピーター・ドラッカーは、著書『現代の経営』(1954)の中で、企業の目的を、「create a customer」(顧客の創造)であると述べています。
 利益の追求は、顧客の創造に必要であり、重要なことですが、利益「だけ」を追求すれば、どうなるでしょうか。
 粉飾決済、食品偽装なども、短期的には利益をもたらしても、不祥事が発覚した場合、ブランドイメージの悪化、顧客離れ、売上や株価の下落など、結果として企業は大きなダメージを受けます。

 つまり、地球環境もビジネスも、自分のことだけ考えて行動していると「持続的な経営」(サステナブル経営)ができないのです。


CSR(企業の社会的責任)とは。

 SDGsと同様にCSR(Corporate Social Responsibility)という言葉を見たり聞いたりする機会が多くなってきました。CSRとは、「企業の社会的責任」と訳しますが、具体的にどのような取り組みを企業は行っているのでしょうか。
 下図はお菓子メーカーの株式会社ブルボンのCSRの取り組みです。
 お菓子という口に入れるものだからこそ、地域貢献や環境保全だけでなく、従業員の労働環境の向上など、ステークホルダーに対し、様々な取り組みを展開していることが分かります。

『ブルボンCSR活動方針』
ブルボンHPから引用

 ユニクロや、H&Mといったファッションブランドは、地球環境保全に力を入れるなど、取り組み内容は企業によって様々です。
 ここからも分かるように、CSRの取り組みの中には、SDGsの取り組みと共通する部分も多く、SDGsをCSRの一つとして行っているケースも多くあります。


Good Businessはビジネスチャンス

 SDGsやCSRへの取り組みは、消費者からの企業イメージを高めるだけでなく、長期的にみると企業を持続的に経営できるという点で、ビジネスの点からもメリットがあります。

 しかし、これらはそもそも利益追求を目的とした取り組みではないため、利益を生み出しづらく、企業による慈善事業という側面もあります。

 しかし、このようなGood Business(善き経営)を行っている企業が、社会的にも評価される時代が来ています。

『世界と日本のESG投資動向』
三菱総合研究所HPから引用

 ESGとは、Environment(環境)・Social(社会)、Governance(統治)の頭文字を合わせた言葉で、これらに力を入れている企業に注目が集まっており、世界の投資額の3分の1がESG投資となっています。日本においては、これから成長する分野となります。

 また、利益の出にくいCSRではなく、CSV(Creating Shared Value)という新しい概念も出てきました。CSVとは、競争戦略の大家であるマイケル・ポーターの著書『経済的価値と社会的価値を同時実現する共通価値の戦略』(2011)で提唱された概念です。

 CSVは、社会問題解決をビジネスチャンスと捉え、社会問題を企業が解決をすると同時に、企業にとっては利益を得ることができるみんながHappyとなるスキームです。
 おーいお茶で有名な、株式会社伊藤園は、CSVを取り込んだその優れた経営戦略で、「ポーター賞」を受賞しています。

 しかし、CSRもCSVも、あくまでもその動機や目的は利益であってはいけません。善いことをすれば利益として帰ってくるということなのです。

動機が善であり、私心がなければ結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。

『動機善なりや、私心なかりしか』
稲盛和夫 OFFICIAL CITEから引用

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 少しでも皆様のお役に立ち、新たな気づきや思うことがあると幸いです。  
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