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「幸福な家庭」
9月9日 CDTVでBUMP OF CHICKENがドラマ「西園寺さんは家事をしない」の主題歌「strawberry」を披露した。
番組内で「寂しさを優しさで包み込んでくれる」と紹介されていてほろり。
「西園寺さんは家事をしない」が本当に最高な作品なので
その主題歌である「strawberry」を軸に語りたい!
※9話までの感想を元に書いています。
たぶんこの記事は12日に投稿するので10日放送の10話のことは入りませんが9話まで観てない方はご注意を。
本当はぐるぐるさんの話もしたかったんだけど
今回は偽家族の話オンリーになっちゃったので
今度改めてカズト横井の話だけします。
登場人物みんな魅力的で、嫌な人が一人もいないのがこのドラマの最高ポイントですね……終わらないでぇ……。
できれば毎週ルカとリキがわちゃわちゃするだけの5分間の映像だけでも番組間の短い枠で放送して欲しい……。
ロスがえぐそう。
「どれだけ近くにいてもその涙はあなただけのものだから」
というフレーズで何度涙を流しただろう。
他者との境界線、家族であればなおさらなんでも共有して共感したくなるものですがこの作品は違う。
無理に同じになろうとしない。共感しようとしない。
それでいて相手の感覚を肯定している。
たとえ相手が4歳児であっても、尊重し大切にしている。
撮影外での北斗くんの倉田瑛茉ちゃんへの接し方はオフショットや撮影での様子を話す様子を見て対等であるように感じる。子ども扱いするのではなく自分が子どもに戻るようなそんな感じ。
ドラマ内でもその関係性は活きていて物語の中でも親として子どもを一番に考えつつ本人の意思も大切にしているのが伝わる。
それは西園寺さんも同じだ。
親に許可を取ることよりも本人との約束を守ろうとしている。楠見くんとルカを一緒くたにしていない。もちろん大事なことは楠見くんと考えるけど、ルカの気持ちも最大限考えている。
楠見くんの気持ちも自分の気持ちもルカの気持ちも横井さんの気持ちだって。誰の気持ちも蔑ろにしていない。
すごいことだと思う。
楠見くんは小さい子どもをひとりで育てなくちゃならなくて誰かに寄りかかりたい気持ちがあるはずなのに西園寺さんに嫌な甘え方をしない。常に相手の気持ちに気を配り、瑠衣の話を『西園寺さんにとっては知らない人の話』として扱う。
楠見くんを演じるのは北斗くん。
「楠見くん」そのものになっていると錯覚するほど自然体でほかの役よりも感情豊かに見える。よく泣くしよく怒るしよく困っている。よく笑っている。
今回も北斗くんが窓口になってくれた訳だが
推しだからとか関係なく好きだ。
私の中で最大の沼である透(ライアー×ライアーでの役名)と肩を並べたのは楠見くんがはじめてです。
しかし、もっとすごいのは西園寺さんだ。
『楠見くんの中のルイさんの話でしょ?だったら楠見くんの話だよ』
恋心を抱いている相手の亡き妻の話に嫉妬するでもなく話したければ話してほしい、聞きたいとまで言う。懐が大きすぎて視聴者の私が西園寺さんに惚れてる。
すべてを受け入れながら相手の言いなりにならないところが本当にかっこいい。西園寺さんと一緒ならどんな未来も良くして行けると思う。
一家に一西園寺……!
「strawberry」の話に戻ろう。
この曲の好きなフレーズは他にもたくさんある。
この曲を聞けば西園寺さんの名シーンが頭で流れ出すほど歌詞がピッタリすぎる。
「どんな昨日からやってきたの」
まさに3人の出会いのシーン。
偽家族結成のシーンでもあるかもしれない。
「心のどこだろう窓もない部屋」
お互いに心の拠り所を必要とした問題を抱えたふたりであることがわかるし
「ぼろぼろでも動ける漫画の人」
2人が自分の限界を決めてる場合ではないくらいたくさんのことを背負わなくちゃならなかったことがわかる
「上手く喋れてはいないだろうけど」
8話でルイが出した数式を解いて帰宅した楠見くんが感情をむき出しにぐちゃぐちゃなままとにかく西園寺さんに話したくて聞いてほしくて話すシーン。
本当に最高だったなぁ。楠見くんが嬉しくて悲しい複雑な大人の理由で子どもみたいに泣くんだもん。
「もう一度目を合わせた時に
同じ答えにどうか出会えますように」
良くしようとするあまりぶつかりあって口論になる2人が思い浮かぶし
「どれだけ遠い夜空の下にいてもあなたの声が過ぎった」
「あなた」には楠見くんから亡き妻・瑠衣にあてはめることができる。
そして曲の終盤「どれだけ遠い記憶に呑まれたってあなたの声が過ぎった」の部分では「あなた」は西園寺さんに変化しているようにも思えて、あぁ楠見くんは前に進めたんだなと号泣。
瑠衣のことも大事にし続けることが前提であるのが分かるから過去を抱きしめながら未来へ進める素晴らしさが眩しい。前に進むために必ずしも大事なものを捨てる必要はないんだよね。
これほど近くにいても
その涙はあなただけのものだから
ああせめて離れたくない こぼれ落ちる前に
受け止めさせてひとりにしないで
涙なしには聞けないこの部分の「受け止めたい気持ち」と「ひとりにしないで」は自分のためというより相手のためで
完璧にわかってはあげられないけど寄り添うことで少しでも救われてほしいって気持ちがあるんじゃないだろうかと思う。
分かり合いたいだとか 痛みを分かち合いたいだとか
大それた願い事が 叶ってほしいわけじゃない
ただ沈黙の間を吹き抜けた風に
また一緒に気付けたらなって
そしてこのドラマを通してのメッセージが
ここに詰まってると思う。
決して独りよがりになることなく
お互いがお互いを想う関係の美しさよ。
だからお願い
ひとりにしないで
「西園寺さんは家事をしない」終わらないで……。
ところでタイトルにある「幸福な家庭」はいちごの花言葉だそうです。
BUMP OF CHICKENの藤原基央さんは
「いちごが好物だからとか、なにか狙ったわけでもなくたまたまstrawberryという曲名にした」
とこんな風に話していらっしゃったそうですが
いや、たまたまにしては出来すぎてるだろ……神にも愛されてるのかよ……と震えました。
では、また!
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