同棲してる彼に「ひとりにしてほしい」と言われた。
なんか、最近そっけないと思っていた。
わたしが話しかけても、「へえ」「そうなん」で会話が終わる。
わたしがご飯を作ることが多いのだけれど、食べる直前までずっとスマホを見てる。
そして、食べ終わった瞬間からまたスマホ。
なんというか…。
“俺に干渉しないでほしい”というのをすごく感じる。
前と、雰囲気がちょっと違うのは感じていた。
でも、一緒に住んでいるのだし、何よりわたしは彼のことが大好きだし。
その“干渉しないで”という負のオーラを、できるだけ見ないようにしていた。
頑張っているつもりだった。
バイトで帰りが遅くなる日でも、栄養のあるご飯が食べられるように作り置きをしたり。
彼の分担の家事も、彼が疲れてるから代わりにやったり。
今考えると、嫌われないように必死だったのだと思う。
でも、その心のズレに耐えられなくなって、彼に聞いてしまったのだ。
どうして、最近わたしと関わってくれないの?
どうして、スマホばかり見て、わたしと話してくれないの?
さみしい。一緒に住んでるのにさみしい。
はじめは、彼は「ごめん」というだけ。
すごく優しい人だから、ここですぐに反論したり、逆ギレしたりはしないのだ。
でも、いつもなら「ごめんね、今度から気をつけるよ」とか「悲しい思いさせてごめんね」と言ってくれるのに。
このとき、彼の言葉はただ「ごめん」だった。
言いたいことをすごく我慢しているように。
“これを言ったらわたしを傷つけるから”と踏みとどまっているような雰囲気だった。
そして、長い沈黙のあと、彼が話しはじめた。
“干渉しないで”の原因はここだったのか、と思った。
家事とかしなあかんのがつらい、と言っていたけど…。
きっと、わたしが「もうちょっとこうしてほしい」とか「今日お休みやから掃除しよ」とか言ってしまってるのが嫌だったのだと思う。
彼をどこかでコントロールしてしまっていたのかもしれない。
家事が嫌だったのではなく、家事に付随してくるわたしが嫌だったのだろう。
その不満がたまりにたまって、“干渉しないで”、“ひとりになりたい”になったのだと思う。
“ひとりになりたい”がどういう意味なのか、彼に聞いた。
家の中で別々に過ごす時間をもちたいってこと?
それとも、別の家に住みたいってこと?
答えは、「別の家に住みたい」だった。
頭が真っ白になった。
これまで、大きなケンカはしたことがなかった。
小さないざこざがあっても、話し合いで解決してきた。
それなのに、こんな急に…。
彼のいない生活なんて考えたことがなかった。
仕事が落ち着いたら結婚しようと話していたし、まだあと60年くらい一緒に居れるよ、と言いあったりしていた。
彼のいない生活なんて考えられない。
想像するだけでも怖くて、苦しくて、涙が止まらなかった。
別々の家に住むとしたら、同棲中の今の家から出ていくのはわたしだ。
今の家は彼名義だし、わたしがまだ大学生だから、とお金も出してくれているからだ。
実家に帰るべきか。
でも、家庭環境的にわたしは実家に住むことができない。
もし別々に住むとしても、わたしが就職してからになる。金銭的にもひとり立ちしてから。
だから、来年の春まで待ってほしい、と伝えた。
どこにもわたしの居場所がない気がした。
すごく苦しい。
一緒にいられなくなるかもしれない、ということが怖い。
話し合う時間は作れるのだろうか。
前みたいに、話し合って、一緒に泣いて。
お互いに「ごめん」と言いあって、仲直りできる日はくるのだろうか。
色々ぐるぐる考えれば考えるほど、苦しくなって、涙が止まらなくなる。
明日をちゃんと生きていけるかな、わたし。