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2023年7月の記事一覧

卒アルを見るように小説を読み返す【有川浩著「キケン」を読んで】

卒アルを見るように小説を読み返す【有川浩著「キケン」を読んで】

昔から、1度読んだ小説を何度も読み返すことが好きだ。

ただ、「読んだあのときの感覚を思い出したい」とか「あのかっこいいセリフをもう一度読みたい」とか、そんな理由。

好きな映画を何度も見返す感覚で、何度も小説を読み返していた。

今回も、「あのときの気持ちを思い出したい!」という思いにかられて、約10年ぶりに中古で見つけたこの本を読み直すことにした。

有川浩著「キケン」を読んで「キケン」は、あ

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あのとき、あなたはほんとに頑張れてたの?【響け!ユーフォニアム 北宇治高校、決意の最終楽章編を読んで】

あのとき、あなたはほんとに頑張れてたの?【響け!ユーフォニアム 北宇治高校、決意の最終楽章編を読んで】

大好きで、ずっとシリーズを追ってきた本。
最近バタバタして読めていなかった、新シリーズをやっと読むことが出来た。

響け!ユーフォニアムは、主人公の久美子が入部した弱小吹奏楽部が、全国大会を目指して頑張っていく、という話。

今回読んだのは、このシリーズの3作目。久美子が3年生になり、さいごのコンクールに挑む、という話だ。

「全国大会に行って、金賞を取りたい」
「高校生活の部活を楽しみたい」

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差別していたのは、わたし自身だった。【ハンチバックを読んで】

差別していたのは、わたし自身だった。【ハンチバックを読んで】

芥川賞発表のニュースを聞いて、その勢いで書店に駆け込んだ。

お目当てはもちろん、市川沙央さんの「ハンチバック」。
書店では残り2冊になっていて、心の中でガッツポーズしつつ、購入。
待ちきれずに帰りの電車で読み始めた。

……読み終わった。

なんというか、言葉にするのが難しい、というのが第一印象。
すごい圧でいろんなものをなぎ倒していくようなスピード感で、「うわっ」と思った時には終わっているよう

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