異種族への変化、人としての救済
これは、私が元人間人外を描く時の最大のテーマかもしれない話。
私は人間が人外になるシチュエーションが好きです。
しかし、その一方で『人間に戻りたいと願い続けて欲しい』という嗜好もまた抱えています。
言い方を変えれば『変えられてしまった方の姿を好きになってほしい』という類の願望は持ち合わせていません。
これは、同じ『変化シチュ』を好む人でも、あまり聞くことのない嗜好に思います。
そもそも変化シチュ好きな人は『変化したい派』が多くまた『変化させたい派』であっても『精神変化なし派』はかなりの少数派であろう、ということも関係しているとは思いますが。
ちなみに、人外の姿が好きな人間の定番の地雷シチュである『元人間の人外が人間に戻る』は、私はそこまで地雷ではありませんし、許容するタイプです。
これは別に、人間の姿の方が好きだから、人間に戻してもいいと思っている訳ではありません。
そもそもが『人外にしておきながら「人間に戻りたい」と願って欲しいと私が勝手に望んでいる』が前提のあまりにも身勝手な嗜好なので、それに対する綺麗な答えは「人間に戻ってやったぜ。ざまあみろ」より他にないからと考えているためです。
人間に戻す以外のハッピーエンドがない訳ではないと思いますが、私の基本嗜好である『精神変化無し』を維持したままそこにたどり着くのは、相当に説得力のある描写が必要な気がします。
もちろん、人外となってしまった自分をどこかのタイミングでようやく許すことができて、それでも人としての矜持を捨てない姿もまた好きですし、そういう物を描けたら理想的で美しいよなという本音はあります。
だからこそ、最大のテーマなんですよね。