Netflix「寄生獣 ザ・グレイ」を見た話
古戦場のお供にネトフリでいろいろ観ていたのですが、その中から韓国で実写ドラマ化された「寄生獣 ザ・グレイ」の感想でもつらつらと書いていこうかなーと。
はじめに
私は原作「寄生獣」のファンで原作、アニメ、実写映画も視聴済です。
賛否はありますがアニメ版の声優の熱演や映画版の「A」と母親絡みのシナリオ再構成、終盤の田村玲子の最期などぼろぼろ泣きながら観てたものでした。
韓国ドラマは今まで「イカゲーム」「今、私たちの学校は…」「新感染」しか見たことが無いんですが、その「新感染」のヨン・サンホ監督が「寄生獣 ザ・グレイ」の監督だったということで前評判も含めて結構期待していました。
原作リスペクトに加えてお国柄のテイストも加えた良作
観た感想を率直に言うと、おもしろかったです。
そもそも原作自体が狭い舞台の中で一個人を主軸にした話なので、「原作の傍らに別の地域で起こっていたスピンオフ」としてうまいこと出来ていたなぁと。
ここら辺は私の韓国に対する偏見もあると思うんですが、小綺麗な上流階層とジメッとした中流?下流?階層の空気感が「いかにも韓国」って感じました。
6話冒頭のカン刑事の妻の発言とかめっちゃ韓国だなぁ(偏見)って思った。
テラ子安
面白いなって思った要素の一つに、相棒枠の男性キャラの吹き替え声優が子安武人だったってのがある。
個人的に近年のアニメでの子安はちょっと演技過多だなーって感じてたんだけど、実写だからなのかしっとりした演技をしていて、聞いていて実にしっくりくるキャラ作りだった。
たまにおちゃらけるところとかも実に自然。
「特攻隊」「俺は海兵隊」のやり取りのところ好き。
アグレッシブなアクションシーン
パラサイトの戦闘シーンは原作やアニメだと本体は棒立ちで触手だけがヒュンヒュンキンキンやってることが多かったけど、今作では本体もぐりんぐりん動きながら触手を振り回すのでダイナミックだった。
この辺は寄生獣っぽくないな、って感じたけど、まあ本体も動いた方が威力とか上乗せできそうだし合理的かな……って後から思った。
寄生獣ではないけど女性主人公がグロテスクな触手を振り回しながら戦うって構図が「ハカイジュウ」みたいだなーって。
あと結構殴る。
パラサイトって何かあるとすぐに切りまくる印象だったけど今作は切らずに殴るシーンが多かったな。
気になったところ
①主人公のスインは中途半端に寄生されたことで二重人格みたいな状態になってるけど、パラサイトって別に人間の脳が必要なわけではなく全身が「考える細胞」であることを考慮するなら普通に触手に口を生やして意思疎通できるのでは?と思わなくも無い。
それともあれって寄生が頭から腹にかけて行われてるわけではなくて、ミギーが心臓を治したのと同じ理屈で体積が減ってしまい触手は頭部にしか生やせないってことなのかな?
②ガンウの姉の感情発露が唐突に感じた。
裏切りに怒りを覚えることは己の利得に関わるところだし原作の草野のことを考えると自然だとは思うんだけど、最期のガンウに対する謝罪は前振りが無くて唐突だったなーと。
あと本体も無いパラサイト相手にいいようにされ過ぎてて、弱過ぎでは?って。
あそこで小麦粉みたいなものが舞ったので粉塵爆発を期待していたのは私だけだっただろうか。
③発生から数か月で特殊部隊が結成されて各地で掃討作戦が実行されてるってことも踏まえると、スピンオフとは書いたものの、厳密に言うとパラレル作品かなと。
で、あるならば、わざわざ設定を変更してまでラストの新一を登場させる必要あったのか?と感じる。
次回作を匂わすためなら新キャラで良くない?
最後に
全6話で尺が足りないこともあるんだろうけど、主題?だと思われる「あなたを大切に思ってくれている人がいるなら孤独ではない」っていう描写、このセリフが出た時点で唯一スインを大切にしてくれていたおじさんは死んだ後だったから、ちょっと弱かったかなー、って印象だった。
終盤はガンウがそのポジになったのかもしれないし、ハイジが暗に「自分がいるよ」ってことを言っているのかもしれない。
それにしてもハイジは終始スインに対して甲斐甲斐しかったな。
ミギーと比べてもよっぽど保護者っぽかった。
シーズン2には期待してるけど、寄生獣って作品そのものがあまり派生を乱発されるような作風に向いてないな、って感じた作品でもありました。