![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94464673/rectangle_large_type_2_f74dd0159bdf7af4898b3896d271c3bf.jpeg?width=1200)
最近のKPOPアイドルが最高なので違う界隈のオタクにも薦めたい
最近のKPOPは本当に凄いですね。
KPOPと言うと歌やダンスのレベルが高いイメージがあるかと思います。最近はそのハイレベルなスキルにアイドルらしいビジュアル&スタイルを維持しながら、楽曲そのものに力を入れている印象があります。
どのグループを見てもビジュアル・歌・ダンスのクオリティが高いので、グループごとのコンセプトや楽曲で個性を出しているようです。近年は特にアイドルのアーティスト色が強くなったように感じました。
今回なぜ漫画やアニメがメインのアカウントでKPOPを紹介するかというと、「(私のような)アニメオタクでKPOPが好きな人もいるのでは?」と思ったからです。特に『アニメを見て色々考察するのが好きな人』、『2次元並みのビジュアルを求める人』はKPOPにもハマりやすいと思います。今はあまり興味なかったとしても、1%でも気になるならぜひおすすめしたいです。
今回は最近の曲から、他界隈のオタクが思わず好きになってしまうような曲を3つ紹介します!どれも名曲なのでぜひ聞いてみてください。
☆☆☆
LE SSERAFIM 『Antifragile』
私がいま一番推してるアイドルグループです。
元HKT48の宮脇咲良ちゃんが再デビューしたことで話題になりました。彼女はアイドル歴10年、三度目のデビューという異色の経歴を持っています。
共にIZ*ONEで活躍していたチェウォン、二人と同じオーディション番組「PRODUCE48」に出演していたユンジン、オランダでバレエ留学していたカズハ、そして最年少ながら抜擢されたウンチェの5人がメンバーです。
💪🏻ルセラフィムというドラマ
『Antifragile』はデビュー曲『Fearless』に続く、2枚目のタイトル曲です。デビュー当初LE SSERAFIMは様々な経歴のメンバーを揃えたことから、寄せ集めのグループと称されたこともありました。しかし今回の『Antifragile』で異なるバッググラウンドを完全に強みにしています。
ラテン調のアップテンポな曲ですが、歌詞には覚悟の強さが現れていました。特に印象的だったのは「バカにしないで私が歩んできたキャリア」「忘れないで私が置いてきたトゥシューズ」のフレーズ。これはアイドルのキャリアがあるサクラ&チェウォンとバレエ留学をしていたカズハのパートです。それぞれ違った経歴があるからこそ、歌詞の一つ一つに重みを感じます。改めてAntifragileはルセラにしか歌えない曲だと思いました。
またイベントでも披露する機会が多くあり、多様なパフォーマンスを見せてくれました。どのステージも迫力があり、彼女たちの本気度が伝わってきます。どこまでも成長していくLE SSERAFIMを見ると、彼女たちの生き様そのものに魅力を感じます。これまでのガールクラッシュとは一味違う、一人の人間としてかっこいいアイドルです。
参照:
2022 MAMA LE SSERAFIM - ANTIFRAGILE
LE SSERAFIM (르세라핌) 2022 MMA Dance Break Practice
最近だと SBSで見せたステージはまさにルセラにしか出来ないパフォーマンスでした。これはAntifragileではなくFearlessのIntro +Carmen Ver.ですが、彼女たちを知らない人が見たら驚くと思います。ファンの私でも見るたびに新しい姿を知れてワクワクが止まりませんでした。
🔥 Intro×Carmen
(絶対見て)
オペラ歌手とバレリーナがいるアイドルって…
恐ろしいのはまだデビュー1年目の新人なこと。サクラ&チェウォンはキャリアがありますが、ユンジンも新人なのを度々忘れてしまうレベルです。こんな子がアイドルを諦めようとしてたなんて信じられません。カズハのバレエで培った体幹や表現力はアイドルでも十分発揮されているし、そんな年上メンバーに負けないくらいウンチェも存在感を放っています。末っ子すごい。
YouTubeで配信されているドキュメンタリーも併せて見るとデビューに至るまでの歴史を知ることができます。こちらもぜひ見てみてください!
☆☆☆
(G)I-DLE 『Nxde』
正直これは革新的な曲だと思っています。元々(G)I-DLEはそこまで詳しくなかったのですが、『Nxde』を聞いた時の衝撃は忘れられません。
この曲のテーマはまさにヌードです。
けして”いやらしい”イメージではなく、Nxdeで”ありのまま=本来の姿”を表現したかったとリーダーのソヨンは話しています。(※ソヨン作詞作曲)
▷ソヨンが役員の前でプレゼンする様子
❤️Nxdeのコンセプト
『Nxde』のキーワードはヌード、マリリンモンロー、バンクシーです。
MVを見るとマリリンに扮したメンバーがブロンドに煌びやかなドレスを身に纏っています。なぜマリリン・モンローでヌード=ありのままに繋がるのか。それは最近Netflixで公開された映画と比較すると分かりやすいです。
Netflixで配信中の「Blonde *」は当初マリリン・モンローの伝記映画として話題になりました。しかしいざ公開されると事実と異なる点が多くあり、マリリンを侮辱していると批判が殺到しました。作品中には際どい性描写や残酷なシーンが多々あり年齢指定の上、注意喚起しているほどです。
実際のマリリン・モンローとは一体どんな人物だったのでしょうか。
当時の金髪美人はセックスシンボルとして見られていました。可愛いけどちょっとおバカ、宝石をあげたら喜ぶ女のイメージです。もちろん全員そうでないのは当然ですが、マリリンも例外ではありません。マリリン・モンローも実は読書家で哲学的な人物だったと言われています。
『Nxde』では彼女がゴシップ(新聞)を破り捨て、本を読む場面がありました。カメラの前にいる時、フィルムの中で演技をする時、全部違って見えます。つまり人前に出ている自分と実際の自分は異なっているのに、世間からは「人前に出ている姿」から想像する”イメージ”が本物だと思われているようでした。
バンクシーのシュレッダーが「高額オークション」への批判であるならば、『Nxde』でバンクシーを取り入れたのも「誤った見方」への批判だと思います。映画Blondeがマリリン・モンローの性的消費と評価されたのも、彼女の”本来の姿”とは程遠かったからです。
マリリン・モンローの人物像が人によって変わるように、ヌードを”生まれたままの姿”と”いやらしい姿”と捉える人とでは見方が変わります。「I'm born nude」の歌詞からもヌードとは本来の姿であり、いやらしいと捉える人の見方そのものが変態的なのです。
もしNxdeの曲名を見て、セクシーなコンセプトを想像していたら「いやらしいものを期待していたのならごめんなさい。そんなものはありません(야한 작품을 기대하셨다면 Oh I’m sorry 그딴 건 없어요)」と言われてしまうでしょう。
*映画「Blonde」は原作があります。ジョイス・キャロルによるフィクション性の高い小説を原作としているため、必ずしもノンフィクションを謳っている訳ではありません。低評価の理由を例えるなら「超絶バッドエンドの二次創作を壮大に映画化してバッシングされた」みたいな感じでしょうか…単純に映画として見ても「つまらない」「胸糞」「見なきゃよかった」といった意見が多かったです。
📚3分の作品
『Nxde』が凄いのはコンセプトだけでなく、MVが一つの作品として仕上がっている点です。コンセプトを知らずとも映像だけでも美しく、幕が上がるように始まります。アニメーションと実写、カラーとモノクロが効果的に使用され、場面の切り替えごとに目が離せません。
ボーカル&ラップの高い技術を土台に、曲にあった振り付けで構成されています。さらに衣装やスタイリング、セット、小物まで統一されていて短編映画を見ているようでした。それでいて歌詞に注目すると「私は私」のメッセージを感じ取ることができます。
3時間近い映画に比べて、Nxdeはたったの3分しかありません。この3分間に(G)I-DLEの全てが凝縮されていました。すでに YouTubeでは1億回以上再生されていますが正直足りないくらいです。ぜひディテールまでしっかり見て、聞いてみてください。
参考:
何を想像してもそれ以上、(G)I-DLE「nxde」
In the Merciless Blonde, How Much of This Marilyn Monroe Is Real?
MV撮影の裏側:
(G)I-DLE - I-TALK #105 : 'Nxde' 뮤비 촬영 현장 비하인드 Part 1
(G)I-DLE - I-TALK #106 : 'Nxde' 뮤비 촬영 현장 비하인드 Part 2
※上記に述べたバンクシーの解釈も人によって異なり、私の感想とは違う人もいます。Nxdeは本当に多くのファンが考察しているので、気になる方は色々調べてみてください(タイトルはなぜnudeではなくnxdeなのか、MVのモチーフなど)。
☆☆☆
New Jeans 『Ditto』
いま乗りに乗ってるNew Jeansです。
Hype BoyやAttentionでは可愛い曲の印象がありましたが、Dittoで度肝を抜かれました。
🐰若さと懐かしさ👖
まずNew Jeansって若いですよね。
全員10代で平均年齢も断トツ若いグループです。
だからといって若さゆえの未熟さを売りにしている訳ではありません。キレのあるダンスや透明感のある歌声は高い評価を得ています。アイドルとして高いスキルを持ちながら、年齢の若さを作品へ活かしている印象を受けました。
たとえばデビュー当時のY2K風の衣装や曲から分かるように、どこか懐かしい雰囲気をまとっています。現役の学生である彼女たちが一昔前の格好をすることで、当時の学生を現代で表現しているようなイメージです。これは同年代からしたらレトロで新しい、上の世代からしたら懐かしい印象を与えると思います。その為どのMVも青春映画を見ているようでした。
🐰 sideA・Bでストーリーが変わる曲
今回の『Ditto』は今月に発表されたばかりの新曲です。
二つのMVから成り、sideAとsideBに分かれています。
注意してほしいのは必ずsideAから見てください。
『Ditto』はHype BoyやAttentionとまるで違いました。
MVは誰かが昔のビデオを再生することから始まります。ビデオカメラにはNew Jeansの5人が学生生活を過ごす様子が映っていました。撮影者とはカメラを通して目が合ったり名前を呼ばれたりして親しい友人のようです。
最初のコーラス部分は透明感があり、幻想的でした。MVの雰囲気にも合う、どこか冬のツンとした寒さが想像できます。
歌が始まると意外にもアップテンポで、New Jeansらしい懐かしいメロディが青春を彷彿とさせます。学校で踊る5人の姿やその様子を追いかけるカメラも思い出を収めているようでした。
でもその懐かしさにも、どこか落ち着かない不気味さがありました。MVの最初から感じている無視できない違和感。この不気味さの正体が分かるのはsideAのラスト30秒です。
これがすごくゾッとしたんですよ。
「5人は誰にも見えていなかったの…?」
今まで私たちが見ていたのはなんだったのか。
疑問に包まれたままMVは終わってしまいます。
あの異様に静けさのあるカットやクラスメイトの冷たい視線も青春の思い出にはそぐわないものでした。よく見たら5人の制服だけ色が違うし、誰も他のクラスメイトと話していない。じゃあ5人の正体は何だったのか。
5人の正体にはすでに色んな説が出ています。
亡くなった幽霊説、少女が作り上げた妄想説などなど…そのままsideBを見るとストーリーは同じはずなのに、まるで景色が違って見えて面白いです。
個人的に面白かった考察はこのストーリーから更に発展させて、「ファンとアイドルの関係性」を解釈したものです。考え方が面白かったので下記にシェアしておきます。
【MV解釈】New Jeans 'Ditto' MV Explained
※日本語字幕ONにすると字幕付きで見れます
New Jeansのコンセプトを活かして、懐かしくも幻想的な曲を生み出したのは凄いですよね。MVには色んな解釈がありますが、自分なりに考察するのも面白いと思います。
☆☆☆
おわりに
以上おすすめの曲3選でした!
普段KPOPを聞かない人も興味を持ってもらえたら嬉しいです。
逆にKPOPファンからこの記事を読んでくれた方、普段はアニメや漫画の感想を中心に書いています。もし気になるものがあれば、そちらもぜひ読んでみてください✨
おまけ
あまり長くは紹介しませんが、上記以外でおすすめのMVを貼っておきます。
IVE 『LOVE DIVE』
超ロングヒットを飛ばした伝説の曲。読み方はアイブ。ただただ美しすぎるMVは何度見ても飽きない。
aespa 『Savage』
2次元とKPOPをそのまま合体したみたいなグループ。読み方はエスパ。アバターコンセプトがあり独自のストーリーPVも配信中。
Red Velvet 『Psycho』
コンセプトが独特。aespaが近未来的なファンタジーだとすれば、レドベルは御伽噺のような世界観。