ESL/ESOL/EAL等の英語サポートを早く終えたいインター生の親たち
駐在員の家庭で、渡航することになって初めて英語を扱います、と言う子は案外多い。そういった時に必要となるのが、多くのインターナショナルスクールでは用意されている、英語を母国語としない生徒達向けに用意されたESL/ESOL/EAL等の英語サポートプログラムである。
かくいう我が家も、我が子達には申し訳程度にしか英語に触れさせていなかったので、渡航が決まった際には英語サポートプログラム付きのインターを選ばざるを得なかったのだ。(そう、帰国生のくせに我が子には英語を伝授していなかったのだ!)
最初は、学校にサポートがある事自体に安心し、ゆっくり英語を習得していけばいいね〜、なんて我が子を暖かく見守る気持ちでいた。その証拠に、渡航が決まってから日本で準備期間が2、3ヶ月あったにも関わらず、ほぼ何も準備して行かなかった。日本の生活が忙しかった事もあるが、それ以上に現地にいけばすぐに吸収するでしょ、とたかを括っていたのだ。
しかしいざインターに入学すると色々とリアルな現実に気づかされる。色々と知った結果、こりゃ早く卒業しなきゃいかんな、と焦ってくるのだ。これからインターを探す人にとっては、しっかり検討した方が良いポイントかもしれない。
なぜ英語サポートプログラムを早く終えたいのか
ざっくりと無責任に言えば、インターに通っていれば英語はいずれ誰でも扱えるようになる。ただし問題なのは、その「喋れる」ようになるまでの、つまりESL/ESOL/EAL等(以下、英語サポートプログラム)を卒業するまでに一体何年かかるのか。。と言う問題である。我が子がインターに通う親は大抵思っているのではないだろうか、「一刻も早く英語サポートを卒業してくれ!!」と。一体それはなぜなのか。
なぜ親がこぞって英語プログラムを早く卒業させようと躍起になるかというと、大きく三つに分けて、①費用の問題 ②機会損失 ③ 難易度が上がっていく の3点が要因として挙げられる。
①英語サポートプログラムの費用問題
まず1の費用の問題であるが、英語サポートプログラムは往々にして安くない。全然安くない。日本円にして1学期につき10万程度かかる。1人ならまだ良いかもしれないが、これに兄弟分の掛け算がされると、2人なら20万、3人なら30万もかかるのである。3学期制だとすると、年間で30万〜90万である。とんでもない額であるし、基本の学費はもちろんこれ以外にかかる。つまり2人兄弟、インターの学費がざっくり年間100万だとして、2人共英語サポートを受けているとすると、年間260万である。ヒエェ・・・。早く卒業してくれ!!と内心焦ってしまうのも無理はない。
ただし、学校によっては英語サポートが無料な所もある。往々にして元々の学費が少し高めではあるが、こういった事もありえる。次に挙げる②機会損失さえ気にならなければ、こういった学校の場合は多少心に余裕が保てるのではないだろうか。
②英語サポートプログラムによる機会損失
元々我が子をインターナショナルスクールに通わせているような家庭は、上記の費用を必ずしも渋るとは限らない。必要経費ねハイハイ、と出せる家庭も中にはいる。…いや、それなりにいる。もしくは、会社が負担してくれるのでそもそも自分の財布はあまり傷まない、といったケースも存在する。その場合気になるのは、機会損失だ。
英語サポートプログラムは、授業内に行われるか、授業前後に別途行われるかのどちらかだが、インターでは前者が多いように思う。その場合、通常授業を抜け出して英語サポートプログラムを受ける事になるので、抜け出す期間が長ければ長いほど、本来の授業との差は開いていくのだ。これがただのホームルーム等であればまあまあ、どうにか他の時間で慣らされて大きなハンデにはならないのだが、もし犠牲となる授業が第二外国語(インターでは中国語、フランス語、スペイン語などが多い)だった場合、非常に厄介である。自分が英語習得に時間をかければかけるほど、今度は第二外国語のレベルがどんどん開いていくのだから。せっかく英語サポートプログラムを終えたと思ったら、今度は第二外国語の習得を急がなければならない。
③学年が上がれば上がるほど、「標準」レベルが上がっていく
英語サポートプログラムは細かくは色んなタイプがあるようだが、どのプログラムも目的は一緒である。平たく言えば「年齢相応の英語の読み・書き・話しができるようにサポートするプログラム」なのである。ここまで言えばお分かりであろうが・・・子供は学年が上がるにつれ、より高度な英語を扱うようになる。つまり、卒業するための条件は、学年とともに難易度が上がっていくため悪循環に陥るのだ。
つまり、小1レベルの英語を身につけるのはゼロからスタートしたとしても1年もあれば十分だが、中学レベルの英語を身につけるのには2-3年かかっても不思議ではない。早めに卒業できた方が、我が子も苦しまずに済むのだ。
以上が、英語サポートプログラムを早く卒業させたい親の心境である。インター選びの時は「カリキュラム」「学費」「人種比率」等ばかりに目がいくであろうが、もし我が子の英語力に自信がない場合は、英語サポートプログラムについて根掘り葉掘り聞いておくことをお勧めする。サポート授業はいつ行われるのか、何の授業の代理なのか、サポート授業の費用は別途いくらかかるのか、また、ひとクラス何人のうち何人が英語サポートプログラムを受けているのか、など。
地域にもよるが、東南アジアのインターでは割とフランクに転校を行えるので、高校卒業までの学校を選ばなきゃ!と肩肘張らず、最初の学校はとりあえず英語サポートを卒業することのみを目的にして選ぶのもアリかもしれない。
我が子達もまさに今、英語サポートプログラムを受けている最中である。卒業できた証には役立ったTIPSを載せていこうと思うが、それまでは見守るしかない。頑張れ子供たち!落ち着け私!