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現実から離れるために

頭が疲れている。
頭脳労働をしすぎてカチカチになってるこの脳みそを早く解放してあげたい。
こういう時、旅の景色を思い出す。
壮大な自然の景色、どこまでも広がる地平線、青い空、猛々しい山、自由に飛び回る鳥たちよ。今すぐあの場所に行きたい、けど行けないからイマジナリートリップでわたしはそこに辿り着く。



最近入った新しいバイトの女の子は5年前までインドに住んでいたらしい。お父さんの仕事の都合で3年間。
生活のなかで、なにが印象的だったかと聞いたら動物がそこら中にいること。
校庭に猿が侵入してきたり、家のなかにヤギが入ってきてしまったり、道路で牛が寝てしまって交通渋滞が起きたり、そういうことは日常茶飯事だったと。その話を聞いて30年以上前にインドに住んでいたうちの両親の話となにも変わらないなとおもった。
動物が家のなかに入ってくるのはよくあることで、猿が突然家のなかに入ってきて竜巻を起こしていったことがあったと母は言ってた。まったく意味がわからなかった。でも意味のわからないことが毎日起きるので、とにかく生きるのに必死だったらしい。
そう思うと便利で綺麗で安全で生活をするうえで困ることはなにもなく、とはいえなにをするにしても、金がかかるこの生活はどうなのかとたまにおもう。

先日フジロックに出店で行って5日間山籠り生活をして、自然のありがたみを感じた。酸素の濃度が東京とは段違い。朝目が覚めたら茶色い小さなバッタと目が合ったけど不思議といやじゃなかった。むしろ、こっちがお邪魔しますね、という気持ちで。スタッフ用のテントは雨漏りしていて起きたら寝袋もスリーピングマットも濡れてたけど、まあ仕方ないとおもえた。たまにはこういう環境に身を置かないと普段の生活のありがたみを感じられないから。
フジロック出店は毎回初対面同然の人たちと(現場に着くまで誰がいるのかわからない)寝食を共にしながら、クソ忙しいなか3日間仕事をして、ライブを観て、踊って、最終日には新たな絆が生まれている。ここには書ききれないほどの濃密な人間ドラマが毎度巻き起こっているのもフジロックの醍醐味。まさに人間合宿だ。

こうやって現実世界から切り離された生活を時々しないと頭がおかしくなってしまう。だからきっと旅が好きなんだろう。
なにも決めずに、当てもなく、国内や国外をふらふらするのが楽しいし好きだ。最近はひとり暮らしになってしまったし、たまちゃんもいるからそういうことがなかなかできないけど、ほんとうは旅を生活のなかにしっかり取り入れたい。
そう思うと自分は両親の血をしっかり受け継いでいるなあとおもう。

今日は久しぶりの休み。蝉の声を聴きながらわたしは想像のなかでどこまでも旅をする。

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