デバイス交換業務用にSlack脱出チャンネルを作って効率化を図ってみたよ
こんばんは、しがない情シスです。
今回は「脱出チャンネル」のお話です。
脱出チャンネルとは、以下のようなチャンネルのことを指します。
特定の目的のためにメンバーが集められる
特定の目的を達成した人から退出して良い
例えば「研修を受講して、理解度テストで○点取れたら退出」という具合ですね。
その歴史は(SaaSとしては)古く、2019年くらいにはもう既にベースとなる手法が確立されていたようです。
知恵と工夫の結晶ですね。先人に感謝。
今回私がこの脱出チャンネルをやろうとした目的は「PCの交換」でした。
実際にやってみた内容を振り返ってみましょう。
経緯とこれまでやっていたこと
まず、現職ではPCのライフサイクル管理や突発的な故障で、通年で数十台のPC交換作業が発生していました。
交換が必要になった人に対しては以下の作業を行なっていました。
交換対象のリストアップ(※突発故障時は当然やらない作業)
交換対象の人にDMで送付先住所確認
交換手続きスタートと、交換手順の案内
PC移行時のトラブルサポート
PC返却完了までの追跡とステータス更新
フルリモートワークの会社なので、送付先はユーザーのご自宅になります。
その送付先住所を聞き出すためにオープンチャンネルは適さず、かといってHRに一軒一軒確認を取るのもHR負担が高すぎるため、本人から直接住所をDMで聞き出す、というようなことをしていました。
(個人情報利用の目的の明示と同意を得た上で)
DMに情報が閉じちゃうと色々デメリットも多かったため、正直これは改善しないと…となりました。
そこで採用した方法が「脱出チャンネル形式」です。
やってみたこと
まず、前提として現環境には以下の情報とツールが揃っています。
SmartHRがあり、カスタム従業員簿で「PC交換対象ユーザー」のリストアップをしておく
SlackにPC交換用パブリックチャンネルを作っておく
最近になってSmartHRという黒船が到来しまして。
SmartHRで情シス業務に必要な範囲の分だけ情報を参照できるようになったのはとても大きな影響でした。ありがとうSmartHR。スマートだぜ!
実際に仕組みを作った際には、「どうせやるなら人手もあんまりかからないようにしたいなぁ」ということで、SlackのワークフロービルダーとCANVASを使って以下のような形にしてみました。
チャンネルのCANVASに交換ルールや手順などを記載しておく
Slackワークフローからユーザーをチャンネルに招待する
ユーザーが招待されたらワークフローから手順アナウンスする
ユーザーは手順に従って交換し、旧端末を返却し終えたタイミングで脱出する
脱出できてない人には定期リマインダーをワークフローで仕込んで@hereでリマインドする
基本的に情シスが行うのは、ユーザーをチャンネルに招待して、SmartHRに登録されている住所が間違いないか確認して、PCの発送手続きを行うだけです。
(あとはリマインドに反応しない人に追撃するくらい)
ワークフロービルダーの内容
こんな感じです。
最初のステップでモーダルフォームが開いて、ユーザーを指定したあとは勝手にBOTメッセージがメンションされるようになってます。
ステップ4でスレッドに返信する形にしてあるのは、ステップ3で注意書きとかを全部書いちゃうとログがざーっとすぐ流れちゃったためです。
最初のPOST(ステップ3)をコンパクトにした方がパッとみた時「直近でこの人追加されてる」というのが分かりやすかったのでこの方式にしてあります。
よかったこと
やってみて以下の点が良かったです。
情シスメンバーに交換ステータスや詳細なやり取りを共有できた
1スレッド1ユーザー(1デバイス)で完結するのでわかりやすくなった
他の人の交換情報が参考にできるようになった
自動でリマインドできるようになった
未脱出の人が可視化できるようになった
わりと属人的にステータス管理しがちだったので、それを共有できるようになったのはメリットが大きかったです。
個人的には省力化とかよりも「情報共有のしやすさ」の方がありがたいですね。
よくなかったこと
ないのです。
このフローにする以前に比べて悪いところは全くないのですが、PC交換プロセスそのものには課題は残りました。(あえて言うならもうちょっとなんとかしたいポイント)
対象者の詳細ステータスは未だスプシで別途手動管理されている
脱出チャンネルから出たら自動でスプシに完了として反映する、とかできたらいいなあ
わかりやすくスプシで管理してますが、全部Slack上で完結できたらそれはそれで便利だな、とも思ったりします。(そんなことができるかどうかは別として)
おわりに
こういう脱出系は使い捨てチャンネル(目的を終えたら消す単発チャンネル)と相性がいいと思います。
研修とか、全社一斉でのツール設定とか。
今回の場合、PC交換は会社が続く限りずーーーっと止むことなく行うので、常設チャンネルを脱出チャンネルにして、ワークフローで少しでも省力化を図ってみました。
ワークフロービルダーは楽しいですね!
ポチポチするだけで良い感じの仕組みが一つ出来上がってしまうのでとっつきやすいし、ノーコードツールとして優秀だと思います。
あとですね、脱出チャンネルをやっていると、「デスゲーム主催者」の気分を味わえます。
ククク…みなさんにはちょっとこれからPC交換をしてもらいます。
え、移行に関する質問ですか?
えーっと、ちょっとこのケースは…持ち帰って調べてから折り返し回答しますね!!!!
(おしまい)
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