小学校5年の夏休み
母方の田舎である西脇で
田圃の用水路を作る手伝いのための
アルバイトをしたことがあった
大人に混じって、ミキサーで混ぜられる生コンを
ネコで受けて、水路になる場所まで
畝沿いに運ぶというものだ
夏の暑さは今ほどでは
なかったように感じるのだが
ランニング姿が汗だくになり
南海の野球帽をかぶっても
汗が次から次へと
吹き出しあふれ
涙みたいに流れていたことを
思い出した。

なんといっても
一番の思い出は
お礼に500ml長細い瓶のコカ・コーラを
何本も飲んだことだ
田圃の端っこで
大きな音でゲップを
思いっきり出し
近くの山に
こだまするほど
大きな音が出たことを覚えている

用水路を作ったことよりも
そんな他愛もない
ことが心の片隅に残っていた
今もネコを
見るたびに
あの時の事を
思い出すのだ