経緯

まず、筋腫発覚からUAEにこぎ着けるまでの経緯を。
結構長くなったので、UAEの術前~術後だけでいい、と言う方はそちらへどうぞ。

【私のスペック】
35歳、子宮筋腫治療(薬物での対処療法・経過観察)は2016年の31歳から。
身長(cm)-体重(kg)は100を切る体型。
BMI的にはギリギリ普通体重ですが、本当にギリギリです。
(体型に言及してる理由は追々書きます)

【UAE施術時の筋腫】
子宮の外側に出来る漿膜下筋腫が最大75mm含め2つ
子宮の筋肉の中に出来る筋層内筋腫が45mm程度含め複数

一番最初に婦人科に行ったきっかけは、生理痛がきつくなり、飲まずに済んでいた鎮痛剤を使う機会が増え(と言っても2日目の一番きつい時だけ1回飲めば大丈夫でした)、生理中に1回、じくじくした痛みの前兆から激痛が走った後、親指大のレバー状の塊が排出されると言うのが、2ヶ月連続で続いた事でした。
痛みの程度は、漫画みたいにガハッて声が出て息が出来なくなって、子宮から何か塊が出て行く感触がした後は、痛みの残滓があるくらいでピタッと治まりました。
排出された物については、ゼリー状の血の塊と言うより肉の塊に近かったように思います。
私の場合、何故か毎回風呂場で症状が出てたので、排水口に流れて行く塊を慌てて回収という事態になり、排出された物のサイズや質感が把握出来たんですよね…。

そんなこんなで、うちはガン家系な事もあり、さすがに行っとくかと2016年の始め頃に婦人科へ。
当時は漿膜下筋腫(この時は60×50mm位だったはずです)が1つ見つかっただけで、筋腫より子宮内膜症疑いと卵巣に出来たチョコレートのう胞に着目され、低用量ピルでの症状緩和・経過観察となりました。
体質的にピルは合っていたようで吐き気などの副作用も特になく、そこから定期的に婦人科に通い多少のサイズ変化はあったものの、2019年の5月まで何事もなく過ごしていました。
むしろ、ピルで周期は整うし痛みもなけば量も少ないので快適なくらいで、旅行のスケジュールなんかも調整しやすく、出費はありますが保険適用なのでこの快適さを得られるなら、ある意味ラッキーだなと思う程度に。

そんな中、2019年5月、食事もとれない胃痛腹痛でかかりつけの消化器内科に駆け込んだところ、『いつもの』で薬処方されて終わるかと思いきやあまりにも痛みが強そうだからと言う事で、念の為CTを撮る事になりました。
便秘してるし腸の中が詰まりまくってるのでは、程度に考えていました、この時は。
出れば治まるでしょう、と完全に油断してたんですが、同じような所見だった医師がCT後、血相を変えて近寄ってくる。

「腹水貯まってるし、卵巣から出血してる!あ、ちょ、動かないで!!今からすぐ!!病院運ぶから!救急車呼ぶから!!かかりつけの婦人科?そんな事言ってられないから!婦人科の提携先ないから搬送先は救急隊員に任せるけど運ぶから!!」

と言う大事に。
CTの画像解析待ちの間に点滴されてた私は快復傾向にあったので、頭の上に???が渦巻いてました。
いや、確かにCTの画像解析、外部判定機関とのダブルチェックするから時間かかるとは聞いてたんですがそれにしてもえらく待たされてはいたんです。
でもまさかそんな悪い結果出て来るとは……思わないですやん?

で、立ち上がる事も許されず、そのままタンカで救急車まで運ばれ、あれよあれよと言う間に総合病院へ。
運ばれる救急車の中でもバイタルは安定しており、腹腔内で出血してる割に落ち着いてるし会話も問題なく出来るもんで、救急隊員さんも首を傾げてましたが、運ばれた先の婦人科で診察を受け、その時点で医師も不思議そうにしつつ、念の為緊急MRIを撮りましょう、と。

結果。

何もねぇ!!

運ばれる際に一緒に持たされてたCT画像も見てもらったらしいんですが(MRI中に母が説明受けました)、特に問題なさそうと言う反応だったらしく、MRI画像を見ても筋腫はあるけど別に問題らしい問題はない。
元々便秘持ち、かつ、胃腸がストレスに弱く、当時いた職場がとんでもなかったもので色々重なったんでしょう、との事。
婦人科としては特に何も治療する事はないよ、と言われ、病院を出たものの胃が痛いのは変わらない。
で、消化器内科の午後診に戻る事になるんですがまあそこは割愛して。

外部判定機関と画像ダブルチェックまでして誤診かい!って話なんですが、これまたある意味運が良かったと言うのか、ここで1つだと思っていた漿膜下筋腫が2つに増え、筋層内にも1つある、と言うのが発覚しました。
そして、卵巣にあると言われていたチョコレートのう胞が今は何もなくて綺麗なものだよ、と。
(この時、医師が1つ呟いた事が後々心配事の種にはなるんですが)

ただ、この日1日でCTとMRI撮ってるんで医療費は…はい…お察しな感じでした。

また、筋腫が増えている事をかかりつけの婦人科では特に言われてなかったので、わざわざ心底嫌な内診までしてるのになんでや、と思いつつ、MRIを携えて婦人科を受診したところ、把握してるのと一緒ね、と言う反応で正直なんだかなぁとも思いました。
せめて告知してくれ…。
まあでも、女医さんで、てきぱきしてて、はっきり物言うけど話もちゃんと聞いてくれるし提案もしてくれる、と言う私的に重要なポイントは押さえており、それこそ3年以上通っていたので今更新しい婦人科を探す気にもなれず、今もそこにお世話になってます。

その後、増えた筋腫に少し不安を覚えつつ、最初の不調が出たのが半年後の2019年11月。
ピル服用の2週目辺りに不正出血がありました。
有難い事に飲み始めなどでも一切なかった不正出血。
一瞬、何事かと思いました。
それこそ、ピル飲んでるのに何で?と。
1週間程続いた後、止まってその後はいつも通り。
その後の生理(正確には消退出血ですがこの後も生理で統一します)でも痛み止めは特に必要なかったと思います。

そして、大きく様子が変わったのが2020年4月。
ちょうど短期の職場に変わった(派遣で職場転々としてます)ところで、右も左もわからぬ状態からコロナの影響で在宅勤務に切り替わってしまい、仕事らしい仕事もいただけないまま過ごす日々。
インドアな人間なので、在宅勤務は万々歳だったんですが、さすがに一歩も外に出ないのはストレスだったようです。

10日以上続く生理に、痛み止めの服用回数増加。
終わったと思いきや数日してすぐにまた出血、止まる、出血の繰り返し。
5月は休薬期間になる前から出血が始まり、眩暈、吐き気、手足の痺れなどなど、絶不調でした。
ピルを飲んでいる事もあり、手足の痺れが出た時点で血栓症が頭をよぎって循環器内科に行ったりもしましたが、別に足も浮腫んでないし、レントゲンでも肺炎はなさそうだし、ストレスからの自律神経の乱れじゃない?と詳細な検査もせずに帰され…。
婦人科の定期診療でも、コロナストレスによる不正出血で受診する人すごい多い、と言われ、一旦は納得したんですが月に生理用品使わない日が1週間もないってなんぞや、と頭を抱える日々。

チョコレートのう胞がある手前、ガン化の可能性もあるしいずれは腹腔鏡下手術にはなるよな、とぼんやり思ってはいたんですが、MRIで卵巣に何もない事が確認されたので、正直このまま閉経まで行けないか、と甘っちょろい事を考えてました。
が、ピルで抑えきれないこれだけの症状。
むしろ、ピル飲んでこの状態って飲んでなかったらどうなったんだ?と言う不安。
ちなみに不正出血の量も、茶色のちょっとした帯下っぽいものから、これ生理やろと言う鮮血出血まで様々でした。
30分でレギュラーサイズの生理用品が埋まる、なんて事も何度かあり、短時間で夜用を貫通してスプラッタなど本当に辛い症状の方よりはまだマシなんでしょうがQOLはがっつり下がり、どうにかしたい、と切に思うようになりました。

そして、元々、親が元気な内にやれる処置はしておきたかった。
今は元気にしていますが、親もそれなりの年齢でもし今後介護が必要となった時に、施設に預けるとなったとしても、今より悪化するであろう症状を抱えたまま立ち回れるか?と常々思っていました。
以前はそれこそチョコがある前提だったので、40歳を目途に子宮全摘かチョコと筋腫核だけ取るか考える必要はあるなと。

今なら、親も元気で実家住まいで退院後も頼れる人がいる。
更に職場も以前お世話になった所に出戻っておりスケジュールも立てやすく、在宅勤務と言う術後の社会復帰もある意味しやすい環境で、新型コロナも一時期に比べて小康状態な今こそ、処置を受けるべきでは、と考えました。

で、子宮筋腫がわかった時にもいずれ来る手術をちらっと調べてはいたのですが、改めて調べ始めました。
UAEの事も知っていましたが腹腔鏡に比べて症例も少なく、また当時は卵巣のチョコを取らねばと思っていたのであまりちゃんと見てませんでした。
そして、調べ直した結果、昔は自費だったUAEが2014年から保険適用になった事で少しずつ症例も増え、お腹を開けないので復帰も早いと知りました。
(※いまだに自費表記のままの情報サイトさんもありますが、塞栓に使う材料によって保険適用or自費になるようです)

突然ですが、私、ただの採血でも気分が悪くなるので、基本ベッド採血をお願いする面倒な患者でして。
注射、点滴、傷から出る血(ちょっとした切り傷なら平気)、がダメな人なんですよ。
緊張しいで、ビビりで、気にしすぎですぐに胃が痛くなり、親にも家族で一番繊細と揶揄されるメンタル貧弱で(その割にいらちで沸点低い文句言いなんですけども)。

そこに、傷は右足鼠径部に5mm程度の傷だけで縫う必要もないし、途中で撮影あるから全身麻酔ではないけど術中もうつらうつらするだけであっと言う間だよ、って言われたら……飛びつきますよね(真顔
いくら低侵襲と言っても、腹腔鏡は全身麻酔かつ直にお腹の中を触ります。
それに比べたら、UAE…良くない?と。

子宮筋腫は婦人科の管轄ですが、UAEは放射線科(IVR)になり、まだ実施している病院が腹腔鏡のように多いとも言えません。
ですが、とりあえず通える範囲にないか調べました。
そこで見つけたのが、今回施術いただいた大学病院。
放射線科が治療を掲げているだけでなく、婦人科でも簡易ですがページを作り、協力してUAE専用外来を設置していたのも決め手でした。
放射線科がUAEを率先していて、婦人科がUAEにあまり乗り気でない場合、違う治療を提案される可能性があるとかかりつけ医からも聞いていたので。

そこから体験者さんのブログや病院(他院含め)の治療内容説明など色々確認し、メリット・デメリットを吟味して、かかりつけの婦人科でUAEを受けたいと相談しました。
もちろん、コロナ禍での事ですので受け入れ拒否もありえます。
それを承知した上で話を進めました。
かかりつけ医としては、特に反対もなく、受けてみてもいいかもね、と。
ただ、やったところで改善されるかはわからないし、やってから結果が出ませんでした、もありうると言う話も聞きました。

UAEは、良く言えば、基本的に全筋腫対応可能で、しかも筋腫数に関係なく一網打尽に出来る治療です。
ですが、血流の関係で塞栓漏れがあったり、塞栓出来ない血管から筋腫に栄養が行っているパターンもあり、漿膜下筋腫は特に他からも貰っている可能性が高いらしく、その場合は塞栓したところで、筋腫の壊死には至りません。
私の子宮ででかい顔してるのは漿膜下筋腫。
もしかしたら無意味かもしれません。
でも、漿膜下筋腫って大きくはなりますが自覚症状に乏しく、生理に影響も出にくいタイプの筋腫と言われてますし、実際ここ4年程ピルで対応出来ていました。
で、今この不正出血やらなんやら不調を起こしている原因は、ここ1年で見付かった筋層内筋腫の方では?と私は考えていました。
便秘もあるので、漿膜下筋腫が小さくなってくれたらそれはそれで大変嬉しいのですが、筋層内筋腫さえ小さくなってくれれば、ひとまずは生理も安定するのでは、と。
筋層内筋腫に効果があるなら、とりあえずそれはやってみたい。

気持ちは変わらず、かかりつけ医から紹介状を貰い、大学病院に予約を入れてもらいました。
案外早く予約も取れ、早速、根治治療に向けて本格的に動き出す事になりました。