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inainaco
遺伝子がそうさせる②
父と向き合って、話した記憶。ほとんどない。
小さい頃から、家にいることがあまりなかった父。
あちこち飲み歩き家に帰ってくると、
お酒の匂いをさせ
自分の部屋にいく。
八つ当たりの矛先
母や私に手を挙げることは、ほとんどなかったが
家中の家財道具を縦から横にしていった。
ホントに怖かった。般若のような顔をしていた。
収まるのを待って、
母と二人で声を発さず、片付ける。そんな日々。
何で、お酒を飲んで家にお金を入れないんだと。
母が父に夕飯時聞いたことがある。
遺伝子がそうさせる。
長考のあと、父が小さな声で言った。
私がどういう意味なのか聞くのが怖いくらい
母の体は固まっていた。