幼児期10. 口を出さずにアイコンタクト。

言葉を使って子どもに色々と指し示す事ができてきたら、
次は目だけを使ってやってみましょう。

目は口ほどにものを言う。
なんて諺があるくらい、目から受ける情報量は多大です。
一緒にするわけではありませんが、
犬をしつける時も言葉と、あれは目ですよね。

言葉がままならない幼児期の方が、
はるかに親の目から、その意思を読み取ってくれます。
反抗期に入ると、叫んだり暴れたり、
さっぱり言う事聞かなくなってきます。
俗に言う『いやいや期』です。
1～9がある程度達成していないとなかなか成功しませんが、
一度、言葉を使う事をセーブしてみましょう。

これは初め、家や人気の少ないところでやります。
時間がかかるので成功した事がないのに 外で行うのは、迷惑で無謀です。

例えば、子どもがいきなり走り出して止まりません、
危ないのに興奮してキャッキャ。
この時やってしまいがちなのが「こら!走るな!」です。
理由もなくただ状況を止めようとするだけの言葉。
何の効果もない事がほとんど。
無駄なのでやめましょう。

この時とにかく
「危ないよ!やめた方が良いよ!私はあなたの行動に怒っているよ!」
と言うメッセージを思いっきり目にのせてジッとずっと見てください。
見る場所は子どもの目です。
 眼だけです。
止まるまで絶対にずらさないで。

感情がこもっていなければ成功しませんが、
何度かやるうちに、
え?何?何なの?と不安になって
スピードを落としトコトコとこちらに寄ってきます。
その後は子どもの性格に寄って変わりますが、
バツが悪そうに、背を向けてひざにちょこんと座ったり、
何?用あるん?といった感じでしらばっくれて寄ってきたり。
まあ様々です。

落ちつたら、いつも通り、言葉で叱るのですが、
肝心な事がひとつあります。

初めに、何でそんな事をしていたのか、
その時の子どもの気持ちを質問しましょう。
これ大事です。

いきなり叱ってはいけません。
何がいけないかというと、
この先アイコンタクトだけでいう事聞くようにしたい訳ですから、
アイコンタクトのあとは嫌な事がある
と思わせてしまっては台無しです。
アイコンタクトの後は、
親が自分の気持を聞いてくれるご褒美タイムと思わせましょう。

その後、叱りますが、
何でダメか、と、もうしないように。
この二つを簡潔にです。
走り回っているのをやめた時点で、
なんだか悪い事は薄々本人も分かっています。
叱りはちょっとでいいです。

外でちゃんという事を聞く子、
実は、親の努力の賜物かもしれないのです。

学校で、静かにしなさ〜い！
と何度叫んでも教室が静まらない先生と、
ス〜と息を吐いて目だけで
さっと静かにさせてしまう先生といたりしますよね。

目で人を動かすには、
その人の言葉が、常に冷静で理論だった物言いをしていなければなりません。
刃向かった時に、ああ言葉でやられちゃうな。
と分からせていなければ、アイコンタクトは効きません。

外で子どもを大きな声で注意して、
親の方がうるさい！と思われている光景をよく見かけますが、
アイコンタクトでの意思疎通を獲得すると、
外で大声を出さずとも、目だけで言う事を聞いてくれるのですから、
とても楽で、他人にも迷惑をかけなくてすみます。

「あなたのところは、大人しい子でいいわね〜」
などと褒め言葉なのかイヤミなのか
分からない事を言われたりもしますが、
買い物などがゆっくりできて楽なのは、
あなたの努力の賜物です。

幼児期に理論だった説明の叱りを何度続けても、
子供はその言葉の本当の意味を半分も分かっていません。
しかし、常にゆっくりと説明してくれる
親の言葉の多さ、冷静さは伝わっています。

くじけずにやっておくと、
こう言った親が目で訴えてきた時、
子どもは、おっと!アイコンタクトきた!
今やっている事はまずかったかな～?ちょっとやめとこうかな。
となっていきます。

アイコンタクトで会話できてくると、
面白いことに、子どもも同じ事をし始めます。

言いにくい事や、相談したいけど恥ずかしいことなど、
チラチラと目で訴えてくるようになってきます。
これは、思春期になった時にとても助かります。
思春期独特の『何を考えてるのか分からない』が減れば、
良好な関係を築くのが容易です。

何か欲しい時にもしてきますので、
無視できずにトホホとなったりもしますけどね。

ここ、クリアすれば、育児って意外に楽？と思えますよ。

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