日本語能力試験N3について
日本語能力試験のN3に合格するのは、漢字を使わない国から来た技能実習生にとっては特に大変なことだと思います。
初級レベルでは漢字をあまり覚えなくても、試験ではなんとかなりましたが、N3からはそうは行きません。
これから日本語能力試験のN3の対策をするための基礎知識や対策の心構えについて書いていきたいと思っています。
これは日本語教師や技能実習生の試験に関わる人のために書いています。
うまく書けるかどうかわかりませんが、とにかくやってみます!
日本語能力試験N3について説明します
この文章のデータや内容は、全て日本語能力試験公式ウェブサイトを参考にしています。
https://www.jlpt.jp/index.html
「日本語能力試験」とは?
これは日本語を母語としない人が日本語の能力を測定する試験です。
レベルはN1からN5まであります。N1がいちばん高いレベルです。
試験は85の国・地域、249都市で受験できます。世界のいろいろな所で試験を受けることができます。
試験は1年に2回実施しています。7月と12月です。
試験は3つの要素に分かれています。
・言語知識(文字・語彙・文法)
・読解
・聴解
漢字、語彙、文法についてどのくらい知っているかという知識の量をはかる試験と、これらの知識を実際のコミュニケーションで使えるかどうかをはかる試験(読解・聴解)の2つに大きく分かれています。
試験の時間はレベルによって異なりますが、2時間から3時間弱です。
試験会場まで往復する時間を考えたら、場所によっては一日がかりの試験だと言えるかもしれません。
試験科目と試験時間ですが、これから説明するN3の場合はこんな感じです。
・言語知識(文字・語彙) 30分
・言語知識(文法)・読解 70分
・聴解 40分
合否ですが、以下の3つの区分(要素)で判断します。
・言語知識(文字・語彙・文法)
・読解
・聴解
この3つの区分の満点は各60点です。3つあるので、合計で180点になります。
合否ですが2つの観点から判断します。
各レベルで少々異なるのですが、以下はN3の場合です。
・3つの区分のそれぞれが60点満点のうち19点以上であること
・3つの区分の合計が95点以上であること
合計で95点以上でも、3つの区分のうち一つでも19点未満なら不合格になります。
ですから、どれかだけが良くできるのではなく、総合的にできる状態にならないといけません。
日本語能力試験N3とは?
日本語能力試験にはそれぞれ認定の目安が示されています。
N3は以下の通りです。
上にもある通り、「日常的な場面で使われる日本語」が出題され、それが「ある程度理解」できているかどうかが見られています。
試験対策について
実際の試験対策ですが、これは大きく2つに分けて考えるといいと思っています。
①試験問題の出題傾向を分析する
②学習者の学習タイプ及び能力タイプを知る
①は教師が行うことですが、積極的に学習者にも情報をシェアする必要があります。
授業の中でもこのような問題は出るけど、このタイプの問題は出ない等という説明と、そこから考えて、今やっている勉強が効果的かどうかが考えさせてみたらいいかもしれません。
②は対象の学習者を「学習タイプ」と「能力タイプ」の2つの観点から見て考えています。
上記①と②を合わせて試験対策の内容を考える必要があると思います。
でも、②の学習タイプと能力タイプって何でしょうか。
学習タイプ・能力タイプとは?
学習タイプは、その人の性質・性格から考えます。
人にはいろいろなタイプがいます。
例えば、集中力が続く・続かない、細かく覚えるのが好き・嫌い、計画を立てるのが得意・不得意などなど、各人の学習タイプを学習者本人と教師がそれぞれ把握する必要があると思います。
能力タイプは、つまり日本語能力のことです。
その日本語能力も、例えば語彙をどのくらい知っているか、文法の知識がどのくらいあるか、言語に関して応用力があるかどうか等、項目を立て、細かく把握する必要があります。
教師は日本語能力試験対策をするように上長から使命を受けたとき、漫然と試験対策本を選んだり、ただ学習者に問題を解かせ、答え合わせをしたりしていないでしょうか。
私もよくやっていました。
ですが、それでは望む結果は得られません。
ですから、試験対策を行うにはどうすればいいか、一歩進めて考えていく必要があると思っています。
次回からN3の「文字・語彙」「文法」「読解」「聴解」に分けて、試験問題について書いていこうと思っています。
以上、基本的な知識ばかりでしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。