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「理想」とは何か。利益重視の競争社会に疑問を呈し、より良い社会のためにITエンジニアへ[現役ITエンジニアインタビュー]
こんにちは!
株式会社テクトレでTechCommitを運営しているmochiです。
今回は現役ITエンジニアインタビューということで、
大学時代に「理想」について思考を巡らせ、利益ばかり追求する競争社会に疑問を覚え、より良い社会を目指すために現在ITエンジニアとして働かれているkazuさんにお話を伺いました。
・現役ITエンジニアとして働きたいけどいまいち目標が定まらない
・現在ITエンジニアとして働いているが、特に希望や目標がなく、将来について心配・不安を抱えている
・どのような人が現在ITエンジニアとして働いているのか気になる
などに当てはまる方にはぜひ参考にしていただきたい記事となっています!
理想と現実のギャップに葛藤し、価値観を築き上げた大学時代
ーkazuさん、本日はよろしくお願いいたします!
はい。よろしくお願いいたします!
kazuさんの紹介
奈良県出身で大阪の高校に通う。
ダンス漬けの毎日。
↓
大学は経営学部に進み、留学生と関わり多様な価値観を育む。
ビジネスコンテストでAIチャットボットを発表し、某IT企業と共同で開発・社内プロジェクトまで進む。
↓
理想と現実のギャップに悩み、就活を辞める。
自分のやりたいことを探している時、建築家の方と仲良くなり紹介で注文住宅の営業になる。
↓
「助太刀アプリ」に感銘を受け、IT化を課題に感じ、ITエンジニアを目指す。病院で夜勤をしつつ、昼間にプログラミングの勉強を行う。
↓
ドロップアウトした人達を支援する人材会社の方と価値観が合い、仲良くなる。その会社のグループ会社を紹介していただき、現在ITエンジニアとして業務を行う。
ー高校時代は建築家・建築業界に興味があったと伺いました。
はい!
小さい頃レゴブロックで何か組み立てて遊ぶのが好きでした。
ある日たまたまテレビで、「大改造!!劇的ビフォーアフター」の「匠」を見て『人の想いを繋いでいく仕事』に感動し、これが仕事だなと幼いながらも思っていました。
その思いがあり、高校時代は建築家・建築業界に興味を持ちつつ、大学でも建築に進みたかったのですが、建築家のハードルが高く感じ、当時ブラック企業や経営破綻などのニュースを度々見て感じるものがあり、全ての核である経営を学びたいと思い経営学部に進みました。
ー他に学生時代に意識していたことはありますか?
まず、大学入学するときに意識していたことは、大学在学中に自分の「行動基盤」を作ろうと決めていました。
そのため、1、2年生の時は留学生を含め、色々な方となんのために生きているのかや人生かけて何しようかなど夜な夜なディスカッションをしていました。
大学の4年間フリーだからこそ、最初の1年は特に大事だと感じ、留学生の交流を含め、留学生とたくさん遊んで価値観を育んでいました。
今思えば、渋谷、お台場などいろいろな所連れ回してました笑
ーすごいですね!その後3、4年はどのような活動をされていたんですか?
価値観とか溜め込んだものをどうやって社会実装していくのか、ゼミで5人くらいのチームを作りビジネスコンテストに出場しました。
この時取り組んでいたのが、AIチャットボットを活用し鬱予防できないかということです。
育んだ価値観から良い社会にしたいという思いや身近に引きこもりがちで鬱になりかけていた人がいたのがきっかけです。
鬱の発症メカニズムとして、ストレス要因がストレスを媒介する要因(個人や企業)を経て発症します。
発症してからは専門的な知識が必要で、下手をすると自殺に追いやってしまう可能性があるほどナイーブな問題でした。
そのため、ストレス要因と媒介要因の間にある鬱予防で何かできないかと取り組み始めました。
また、ゼミでチームを作ったときの話し合いで、今自分たちは何もないが、社会に対してインパクトのある良いことをしていきたいと方向性を決めました。
その時に「理想」も定義しました。
ーその時の理想とはなんだったのでしょうか?
極端にいうと世界平和です!
純粋な気持ちのまま理想を定義できたのはすごく良い経験になりました。
また、現状はどの段階で、理想に近づくためにはどこから着手するか、何が一番大きい原因なのか常に話し合い、探していました。
だからこそ大学時代は理想と現実のギャップがすごくて悔しい思いをしました。この悔しい思いは、その当時みんなで理想を描いたからこそ良い経験でした。
この経験がなかったら、今の価値観になってないし、今働いてる企業の理念やビジョンに共感できていなかったかもしれないです。
アンチ資本主義だった就活、子供時代の夢が膨らむ
ー就活はどのような事を行ったのですか?
正直にいうと、就活は最初の1ヶ月しないうちに辞めてしまいました。
ゼミで理想を追いかけてた弊害かもしれないです笑
就活の時に子供の時からの建築家の夢が膨らんで、都市計画・経営に興味を持ち、大きなゼネコンに入りたいなと考えて目指していたのですが、就活の蹴落とす感じ、競い合う感じがものすごく時間の無駄に感じてしまい、就活の時に周りと気持ちが合わなくなっていきました。
そこから振り出しに戻り、0から自分の楽しいこと、やりたいことを探したり、やったりしました。
色々な大学に行ったり、多様な人に会いました。
その時に出会った建築家の方と仲良くなり、注文住宅の営業のお仕事を紹介していただき、
大学卒業後はそこで働き始めました。
ー他に注文住宅の営業を選んだ理由はありますか?
事業を起こしたい気持ちもあり、「建築✖︎何か」ができないか考え、紹介していただいた企業に入ったのも理由の一つです。
また、ベンチャー企業だったので、色々な業種の方(デザイナー、建築家など)、社長との距離が近かったので学ぶことが多そうだと感じた点も理由の一つです。
実際働いてみて、営業について学んだり、建築家とディスカッションできたり、社長の近くで経営を学んだりしました。
ただ、結果からいうと1年も経たずに辞めました。
勉強にはなったのですが、社会をより良くしていくのには今の会社だと厳しいと感じたからです。
資金調達がうまくいかない資本の問題や建築現場の高齢化、IT化の遅れによる作業効率の悪さなど、会社自身にも大きな課題があり、それを解決するには外部から働きかけたほうがいいかもと考え始めたのがきっかけです。
そう考えていたある日TechCrunchに行き、その規模・構想・インパクトの大きさに感銘を受け、IT化が進んでいない企業を外部から変革(支援)するため、「今ITエンジニアにならないでいつなるのか」と注文住宅を辞めてITエンジニアを志しました。
その時TechCrunchに掲載されていた株式会社助太刀の「助太刀」アプリも衝撃を受けたアプリの一つで、IT革命を強く実感しました。
一文無しの夜勤生活を経て、ITエンジニアに!
ー注文住宅を辞めた後はIT企業に転職されたのですか?
いえ、辞めた後、直ぐに転職活動を行い、Sler系、SES系、インフラ系でそれぞれ1社内定が出ましたが、ちゃんと勉強したいと感じ、救急の病院で夜勤をしつつ、昼間にプログラミングの勉強をするというのが1年ほど続きました。
勢いで辞めてしまったので貯金はありませんでした笑
TechCrunchのWebアプリのイメージがあったので、革新的なアプリを作って最短で行ったほうがいいんじゃないかと、DMM WEBCAMPに通いました。
DMM WEBCAMPを選んだ理由は、当時転職保証が強く、転職先がしっかりしていたからです。
また、大型の資金調達を終えられた直後だったのとスクール自体も正に事業スケールされていたのも理由の一つです。
DMM WEBCAMPでは、最初の3ヶ月は自学習、チーム開発、ポートフォリオ制作を行い、その後の3ヶ月で転職活動を行いました。
色々な人が集まっており、中には自分と似たような境遇の人もおり、度々ディスカッションを行い、有意義な時間を過ごしました。
プログラミングを学んでいるうちに、精神疾患で社会的にドロップアウトしてしまった人にマンツーマンで支援できるサービス/アプリを作りたいと思い始めていました。
※現在は、友人/知人間でマンツーマン支援を細々と行っています
いつでもお気軽にDMください。(https://twitter.com/gakunarigatash)
作りたかった理由として、夜勤で働いていた救急病院で精神疾患の方と関わる機会があったことや、ビジネスコンテストのAIチャットボットが実装されなかった悔しさからです。
ーなるほど。それからITエンジニアとして働かれたのですか?
はい。
転職活動中はDMMがキャリアメンターをつけてくれていました。
ただ、自分は転職先を先に自分で見つけてしまっていて、
DMMから自分で見つけたら転職保証対象外と言われてしまいました笑
転職先などは、プログラミング事業の営業先にもなるなと思い、色々な企業に行きまくっていました。
その一つにドロップアウトした人たちを支援する人材会社を見つけ、自分の価値観に合っており、仲良くさせていただいていました。
仕事の話をしたら、「最近グループ会社ができて良かったら来る?」とお誘いを受け、その方を信頼していたので、グループ会社に行くことを決め、今もそのグループ会社でITエンジニアとして働いています。
信頼できる仲間と何事にも挑戦や成長ができるやりがい
ー今の仕事を始める前と始めた後のギャップって何かありますか?
現在ITエンジニアとして務めている会社が4年目に入り、成長段階というのもあって、日々の業務が想像していたより忙しいと感じています。
また、ベンチャーということもあり、エンジニア以外の業務が多いのもギャップの一つです。
例えば、自社の倉庫と連携して物流ワークフローを組むために現地まで行き、どういった作業工程で梱包しているのか伺ったりというのが、思っていたITエンジニアとは違う部分ではあるかなと思います。
整っていなかったり、思ってるよりも泥臭いです笑
ー業務においてやりがいなどありますか?
自分たちでやりたいことや挑戦したいことを決められる点です。
挑戦させてほしいって言ったら挑戦させてくれる環境で、失敗しても「全力でやったんだから次に活かそう!」と受け入れてくれることが、すごく前向きに次の挑戦に繋げることができています。
めちゃくちゃチャレンジングなことにはポジティブです。
どんなに忙しくても理想について話し合う理想家でありたい
ー業務において心がけていること・大切にしていることはなんですか?
出来ていない部分もあるのですが、振り返りが大事で心がけています。
基本的には都度都度で振り返りを行い、全体的なことや抽象的なことは1週間に1回、自分のキャリアなどもっと抽象度が高いことは1ヶ月に1回行っています。
また、いつも大切にしていることは、気持ちの部分で「理想家」であり続けるということです。
どんなに忙しくても、同僚など周りの人と理想について話し合います。
忙しいと先のことなど理想的な部分を忘れがちで楽しくなくなってしまいますよね。
なので、たまには未来とかロマンを話すことを意識し、大切にしています。
情熱大陸やプロフェッショナル仕事の流儀も原動力になっています。
ー挑戦していく上でうまくいかなかったことから学ぶことはありますか?
はい。
ベンチャーなので要件がまとまっておらず、手付かずなことが多いです。
期限に作業が追いつかずに遅れてしまうこともあるので、仕事の進め方や実装する内容の要件定義する力であったりは勉強しています。
また、これがうまくいかなかったら、ここにも影響が出るという観点から松竹梅で見積もって意思決定する力などは日々の業務の中で学べています。
もちろん対応力もそうなのですが、次に繋げるとうい点で仕事・課題を作る力、常に問い続けるということは学びになっています。
理想について考え続けたkazuさん、これからの想い
ー将来やりたいことがあれば教えてください。
ずっと考えているメンタルヘルスの分野で、ITを用いて小さいところからでも課題解決を行いたいです。
うつ病が治ってきたけれどいつ発症するかわからず社会で働けない人、パニック障害があって働けない人にITの楽しさなどを起点に、生きていることの楽しさとか実感をシェアしていきたいなと思っています。
(最近TechCommitのもくもく会運用なども手伝っていますが)TechCommit内での案件紹介などが出来ればその支援にもつなげられると感じていて、TechCommitとメンタルヘルスが協働すれば可能性が広がりそうと感じています。
また、TechCommitはメンバーの発言が活発で、コンテンツとして充実していると感じていて、Techcommitのように、多くの業界で“温かい(血の通った)“シェア/ギバー文化を築きたいなと考えています。
また、趣味のダンスも続けていきたいと思っています。
現在コロナでなかなか出来ないので、スマートハウスとかであたかも空間を一緒に共有できるといいなと思っています。
具体的に決めてはいないのですが、実現させてみたい事の一つです。
オンライン体験をよりリアルな体験にするのは面白いと感じており、それはメンタルヘルスケアにもつながってくると感じています。
ー今後ITエンジニアで働くことに関心がある方に何かあればお願いします。
まだまだ、ITエンジニアとして働き始めたばかりなので恐縮ですが、
ぜひ、ITエンジニアの文化・優しさに触れていただいて、自分と一緒に関わってくださる人を増やしたいですね。
特にシェアの文化が優れており、お互いを高め合う人道的な競争がIT業界にはあると感じています。
力の強い人が勝つみたいな競争から、どれだけいいことをしたか、社会に貢献出来たか見たいな競争になっていってるのがいいなと思います。
ITの良い点として、会社に入ることが全てではなく、起業やサービスをローンチできたりと選択の幅を広げ易いことだと思います。
自分が思い描いてる「理想」はITエンジニアで実現できると考えているので、一緒にどうしたら理想に近づけるか、もっと改善できるかなど話し合ってみたいです。
教えてもらったり、優しさを享受したりして、それをシェアできたらもっと楽しい瞬間が増えると思うので、一緒に作っていきたいです。
絶対ワクワクするし、後悔しないと思います。
まとめ
今回は理想と現実のギャップに葛藤しながらも、より良い社会のために理想を追い続け、現在ITエンジニアとして働かれているkazuさんにインタビューさせていただきました。
厳しい現実に直面しながらも、「理想」を追求し、実際に行動されているkazuさんはより良い社会のためにとすごくかっこ良く魅力的でした。
私自身改めて人生を見つめ直し、自分なりの「理想」を定義し、理想に向かって進もうと感じました!
kazuさん、ありがとうございました!
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また、この記事を読んでTechCommitのことに興味を持っていただけましたら、ぜひトップページを覗いてみてくださいませ。
今後もこのように現役ITエンジニアとして働かれているメンバーのお話を『現役ITエンジニアへのインタビューマガジン』にまとめていきますので、よろしければフォローもぜひお願いします。