旅を終えて
2024/2/5〜3/28
Los Angels → New York
走行距離:4,955km
パンクした回数:8回
使ったお金:145万円
(自転車の購入から航空券など今回の旅に関する総費用)
通過した州
カリフォルニア州→アリゾナ州→ユタ州
→コロラド州→ニューメキシコ州→🚃
→ミズーリ州→イリノイ州→インディアナ州
→ミシガン州→オンタリオ州(カナダ)
→ニューヨーク州→マサチューセッツ州→コネチカット州
→ニューヨーク州→ニュージャージー州
宿泊
・野宿 24泊(公園15、ガソスタ7、空港1、キャンプ場1)
・宿 26泊
・夜行列車 1泊
帰国して4日が経ちました。
僕の旅はこんな感じです。カスっただけのところも含めると、14もの州を走ることができました。
でもアメリカの州は50もあります。2ヶ月走っただけでは、全体の3分の1にも満ちません。
分かりきっていたことですが、自転車の旅人にとってアメリカは半端なく大きかったです。
日本に帰ってきて意外だったのは、微塵も懐かしさを感じなかったことです。
最寄駅の風景、左車線の道路、自宅の布団から見た景色。
それらは当たり前の光景としてこの目に映りました。
所詮たった2ヶ月の旅で人は変わりません。少しばかりの経験を積んで、ちょっとだけ英語が上達して、あとはひたすら楽しい思い出を作ってきただけです。
なので、この旅を経て人生観が変わったとか、そんな大層なことはありません。
ただ、思うことはあります。人生その時しかできんことは絶対にやっておけということです。
今回の旅は、色んな面から見ると全く最適な時期ではありませんでした。
まず真冬。単純に命の危険性が高まりますし、重装備になって荷物も増えます。これのおかげで初期投資もかなり増えたし、ホテル泊も重量もかなり増えました。
あと円安。1ドル151円なんて聞いたことがありません。
アメリカの物価高も相まって、支出がとんでもないことになりました。
それでも僕は今いきました。旅が始まる前書きの通り、今しかこの挑戦はできなかったからです。
旅を終えた結果、いったことに後悔は微塵もありません。
というか後悔に値する出来事は1つもありませんでした。転職という人生の狭間における、最高の2ヶ月でした。
逆に今いっていなかったら、たぶん一生後悔していたと思います。
少し危険が増しても、お金が厳しくても、長い人生で今しかできないことは絶対に今やっておけ、というのを身に沁みて実感しました。
旅をするにあたって、全然進まんという欠点を除けば自転車というのは最高のツールだと思います。
風景だけじゃなく、街の香りや音、空気感まで、アメリカを五感で体感できました。
また、通常の旅行だったら絶対にスルーするような町でも、自転車ならたっぷり堪能できます。
名前を聞いたことがない町、もう一生行かないと思う町。
自転車じゃなければ僕の人生に登場することは決してなかったと思います。
人気の大都市から、誰が行くねんという田舎町まで、西から東へあらゆる町を通過しました。正直なんの印象もない町もあります。
それでも、人との交流があった町は全て覚えています。月並みなことですが、今回の旅でいちばん面白かったのは現地の人々との交流です。
大きな荷物を携えた自転車乗りのアジア人、ということで本当に色んな方々から声をかけていただきました。
登り坂とか強風とか、どんなにしんどい状況でも話しかけられるとなぜかとても嬉しく、そして楽しかった。
彼らとの交流は生涯忘れないと思います。
今回の旅では本当に色んなことがありました。
砂漠で遭難したり、
マイナス10℃のなか野宿したり、
極寒で自転車が凍結したり、
タイヤがバーストして落車したり、
LAからNYは、苦難の連続で果てしない道のりでした。
その度に色んな人たちに助けられてきました。
砂漠から街へ100km運んでくれた方、
山のてっぺんで水とアイスをくれた方、
これでうまいもん食えよとお金をくれた方、
ガソリンスタンドの野宿を快諾してくれた方、
日本からエールを送ってくれた友人たち、
そんな方たちが支えてくれたから、無事に横断を達成できました。
遥か前にも同じようなことを言った気がしますが、こんな旅は人生最後だと思います。今度こそ。
旅はいずれ過去のものになりますが、出会った人たち、見た光景は忘れません。
モニュメントバレーの赤い土、
どこまでも続く砂漠の一本道、
テントから見る満天の星空とコーヒー、
荒野を走りながら拝む夜明けと日の出、
終わりの見えない登り坂の果てに望む大地、
感動のファイナルツアー、
大都会の煌めき、
エールを送ってくれた人たちの笑顔とGod Bless You。
時間が足りなくて一部は鉄道でスキップしましたが、これが自分のアメリカ横断です。
最高の2ヶ月でした。
支えてくれた全ての方々に感謝しています。たくさんの支援とエールをありがとうございました。
自転車の旅人にとってアメリカは広すぎました。
次は絶対に車で、この国をまた巡りたいです。
これにて僕の旅は終了です。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
またいつかどこか、自転車の上でお会いしましょう!
おわり