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医師事務作業補助者の実際の仕事内容と医師・看護師との関係性

医師事務作業補助者の実際はどんな仕事を行っているのか?
本やネットのお仕事情報に載っていないリアルと、スキル向上、やりがい向上、業務効率化などのポイントを私の経験からお伝えしていきます。

ただ、病院ごとの体制によるので一概には言えないことですので、参考までに読んでください。


まず、医師事務作業補助者とは、その名の通り医師の事務作業を担当するお仕事です。

仕事内容は、本やネットのお仕事紹介そのままのことが基本です。

具体的には
診療情報提供書や医療文書等の書類作成代行業務
病棟でのサマリ(患者情報や治療情報のまとめ)の作成
入院資料の作成、退院準備など
外来でのカルテ入力代行、患者対応
その他はNCDや手術の症例登録などです。


しかし、基本軸は上記の仕事内容ですが細かいことは病院ごとにやり方実際に担っている業務がかなり違います。

例を挙げるとすると、

例:診療情報の作成
A病院:下書きを医師事務作業補助者が作成→医師が確認、発行
B病院:医師事務作業補助者が医師に作成依頼→できたものを封筒に入れて患者に渡す。

例:外来補助
A病院:診察の会話の内容を電子カルテに記録、検査オーダー入力、検査予約、処置予約、次回の外来予約、入院予約、手術予約(それに伴う麻酔予約、輸血や自己血予約、歯科予約)、諸々の同意書を用意し患者さんに記載してもらう
B病院:電子カルテ記載や予約は医師が行い、その後の患者説明を医師事務作業補助者が行う
C病院:A病院で行っている業務+患者説明すべて担う


例:書類業務
A病院:決まった種類の書類のみ作成する→医師が確認・訂正し発行
B病院:患者から依頼が来たすべての書類のわかるところのみ下書き作成する→医師が確認・訂正し発行
C病院:患者から依頼が来た全ての書類の全ての項目(検査データまで医師事務作業補助者がチェックして入力する)下書き作成する→医師が確認・訂正し発行

その他の手術奨励登録、NCD登録などのほかにも、
手術に使用しインプラント(整形外科手術)、人工弁や人工血管の登録や医療機器登録制度の案内、整形外科などで発行する装具証明書の説明、糖尿病の自己注射の針とチップの管理、在宅酸素の指示書の代行作成
などなどなど、細かい作業もたくさんもあります。


このように、病院ごとに実際に行う内容は違いがあります。

「医師事務作業補助者が行う仕事ではないのでは…?」
「なんでもかんでも仕事がまわってきて、私たちは何でも屋?」
ということも多くでてくる場合もあります。

医師事務作業補助者は医師の事務作業を行う職種です。

私の今までの経験から、【医師の仕事かどうか?】が明確に線引きされている病院は、仕事も明確になっており、何でも屋にはなりません。

仕事を決めるとき、依頼されたときに、
上長と内容を見極め相談し、
「それは医師の仕事なんでしょうか」
「医療事務、看護師、誰でもできる仕事であれば、私たちは引き受けません」
と、各部署としっかり調整をしないと、
いい加減な管理となり、本来やらなくて良い仕事まで回されることがあります。


何でも屋で仕事ができて、要領よくこなせてしまう方もいるけれども、
何でも屋がやりがいを感じるのは間違いで、
「医師事務作業補助者がやるべき仕事」をやるのです。


また、医師や看護師との関係、パワーバランスも関係していると思います。

そもそも医師や看護師が医師事務作業補助者についての認識がされていないことがあり、それはとても残念だと思っています。(この件についてと改善方法は後の記事に記載します)


医師と看護師の医師事務作業補助者の認識について例を挙げます。

例:医師
A病院の医師:医師事務作業補助者って何?実際何してるの?
B病院の医師:本当に助かる!付いてくれて良かった。
C病院の医師:(医師事務作業補助者がついたはいいものの思い通りにいかなくて)怒る、怒鳴る、不機嫌

例:看護師
A病院の看護師:医師事務作業補助者って何?
B病院の看護師:(病棟も外来も看護師のテリトリーなので)医師事務作業補助者がいなかったら私たち看護師がもっと負担になったし、先生の外来ももっと時間がかかっていた。スムーズにいっている。本当にありがたい。
C病院の看護師:(病棟も外来も看護師のテリトリーなので)やり方を乱さないでほしい。


ちなみに私が今までに働いた総合病院の中の一つは、
医師も看護師もBの「本当に助かる!」の考え方でした。
本当に重宝されていて、先生たちは医師事務作業補助者の取り合いで、なぜ自分には付いてくれないんだ!と怒る医師がいるくらい人気者でした。


私が働いた他の総合病院はAの「医師事務作業補助者って何?」の考え方でした。
医師事務作業補助者の役割をきちんと理解している医師が少ないことがとても残念です。
看護師は、医療事務との違いが理解できず、医療事務に依頼する内容を医師事務作業補助者に依頼してしまいますが、同じ事務員なのになぜやることを線引きしているのか理解できていません。


Cのような「やり方を乱さないでほしい」「医師事務作業補助者がいたところで思った通りにいかない」タイプの病院は私は経験していませんが、
同僚は前職で経験していて、冷遇されているようで働きずらかったそうです。

仕事をするということは、我慢やいやなことはつきものですが、こんなものか…って妥協しなくても、もっときちんとしたところがありますよ、って教えてあげたい。

医師が忙しく激務なのは重々承知で、人間だからイライラすることもあると思います。忙しいのか社会的地位があるからなのか何なのかわかりませんが、思い通りにならないだけで怒鳴るような医師は、社会人としてだめだと思います。
先生の顔色を伺いながらビクビクしている職員が本当にいます。
医師だからって崇める必要ありません。

私たちは、日々忙しく頑張っている先生たちの力になれるように一生懸命協力したいと思っています。

ですので、人間関係というか医師や看護師との関係が悪いところは、医師事務作業補助者にとってとても働きづらいと思います。

こればかりは働いてみないとわからないのですが…

病院の体制として、様々な職種が歩み寄る努力をしてほしいなと思います。


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