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医師事務作業補助者の作成する書類 書類作成代行業務の流れ

今回は、医師事務作業補助者の書類作成代行業務についておはなしします。

【書類作成代行とは?】
書類作成代行の「書類」とは、医師が発行する診断書や証明書のこと。
これを医師事務作業補助者が下書きし、医師が確認・訂正・発行、患者さんにお渡しするという流れです。

ちなみに私の働いた病院での流れです。
①医事課の書類窓口で受付・書類預かり。(原本と患者さん記載の依頼書をファイルに入れる)下書きソフトがあり、受付登録。
②預かった書類が入ったファイルが医師事務作業補助者に渡る
③医師事務作業補助者が下書き(下書き作成ソフトで、PC上で作成できるものがほとんどですが、たまにソフトに登録されていないものは手書きで下書きします。)
④下書き作成ソフト上で「医師に依頼」ボタンを押すと、医師がソフト上で見られるようになります。
⑤原本と依頼書の入ったファイルを医師に渡す。(外来か病棟に医師にいらいするもの専用ボックスがあり、そこに入れておけば医師が確認してくれる)
⑥医師は原本と依頼書の入ったファイルを見つけたら下書きソフトを立ち上げ、医師事務作業補助者が下書きした書類の内容を確認・修正があれば修正追記をし、発行、著名し押印。
⑦発行した書類を原本と依頼書の入ったファイルに入れて、医師事務作業補助者行きのボックスにいれる
⑧医師事務作業補助者が回収、内容や印など抜けがないか確認
⑨医事課書類窓口へ渡す
⑩患者さんは書類窓口に受け取りに来る
といった感じです。多少違うところがあるかもしれませんが、大まかはどこも一緒なのではないかと思います。

【具体的にどんな書類があるのか】
☆役所からの書類
・医療要否意見書
 →生活保護受給者が医療を受けるために役所が要否を問う書類
・訪問介護要否意見書
 →生活保護受給者が訪問看護を受けるために役所が要否を問う書類
・給付要否意見書
 →生活保護受給者がオムツ、医療材料(ストマなど)、移送(介護タクシーな ど)を利用するために役所が要否を問う書類
・病状調査意見書
 →これから生活保護を受給する予定の者が、治療状況や傷病によりどの程度の稼働能力があるのかを役所が問う意見書
・介護主治医意見書
 →介護が必要な者がどの程度の医療介護サービスを利用できるか検討する ために医師の意見や治療状況を役所が問う書類

☆個人が依頼する書類
・一般診断書
 →理由は問わず、患者さんの希望の内容を記載する。例えば、「病名、入院日数、治癒見込み、今後の仕事の稼働能力を記載してください」と依頼があればその内容を記載する。提出先は患者さんが必要なところへ。職場や学校がほとんど。
・生命保険の診断書
 →入院、通院、手術、悪性腫瘍(がん)、死亡、身体障害、介護要否などを証明する書類。一言に生命保険と言っても会社ごとに様式は様々だし、同じ会社の書類でも複数の種類がある。提出先は保険会社。
・傷病手当金給付意見書
 →病気で仕事を休んだ時に給付金がもらえる申請をするため、医師の意見を記載した書類。労務不能と認めた理由などを記載する。これも会社(健康保険組合)ごとに様式は様々。提出先は職場になります。
・身体障害者診断書
 →診断障害者の申請に必要な書類。障害者手帳の発行や助成を受けるために提出する書類。肢体不自由、心臓機能障害、呼吸機能障害、聴覚障害、言語障害、腎臓機能障害、ぼうこう直腸機能障害、小腸機能障害、肝機能障害、咀嚼機能障害、免疫機能障害などがあります。提出先は役所。
・臨床調査個人票
 →難病指定の疾病をもった患者さんが指定難病医療受給者証の発行や助成などを受けるために提出する書類。検査結果や病状、投薬など記載内容は細かい。提出先は役所または保健所。
・障害年金診断書
 →身体障害のある者が、障害年金の等級を決定するために提出する書類。提出先は日本年金機構。
・受信状況等証明書
 →障害年金診断書を提出する者が、初診日の認定に使用する書類。転院などしている場合、初診の病院に依頼があり、初診日にどのような状況であったかを確認する。提出先は日本年金機構。
・出産手当金支給申請書
 →出産したときに手当金を請求するための書類。提出先は職場。
・小児慢性特定疾病意見書
 →18歳未満の児童が対象疾患に罹患した際に助成を受けるための書類。提出先は役所。
・公安委員会提出用診断書
 →運転を控えたほうがいい疾病がある者が運転が可能か意見する書類。この書類で医師に認めて貰えれば運転できる。精神疾患、てんかん、ペースメーカー植え込み、脳梗塞、認知症、アルコール依存症、糖尿病(低血糖)、睡眠障害など。提出先は警察署。
・訪問看護指示書
 →訪問看護や訪問リハビリを受ける者に対し、訪問看護職員に対し指示や留意事項などを記載する書類。個人での依頼または訪問看護職員が依頼をする。提出先は訪問看護事業所。
・自賠責書類
 →交通事故で受傷した者の治療経過の証明書。自動車保険会社が代理で依頼することもある。提出先は自動車保険会社。

こんなにもありますが、これが主に依頼が来る書類で、件数が少ない書類も言えば、B型肝炎や石綿(アスベスト)被害の証明書などなど、もっとありますが…。

【どんなことを記載するのか】
下書きって簡単に言っても、作成が結構大変なんです。
こんなにも種類があって、全部様式や記載項目は違うんですよね。慣れていない書類だと記載漏れがでてきてしまうこともありますのでよく注意が必要です。
記載項目としては、病状経過や治療経過を文章で記載、検査結果、既往、病理結果、後遺症、入院期間、通院日、投与薬剤など。
カルテから拾い出して入力していく作業は、結構時間がかかることもあります。特に経過が長い患者さんはさかのぼってまとめるのに苦労します。
基本的には医師事務作業補助者がすべて下書きをしていますが、電子カルテ上ではわからないこと(実際本人と会って会話しての身体状態や認知機能は詳しくカルテの文ではわからないことがあります)そんなときは、その部分だけ空欄にして医師の記載をお願いしています。

実際に会っていないから、どんな患者さんかわからないことも多いけど、嘘や予想は記載できないし、記載したもので患者さんの申請等級や助成が変わってしまうものもあるので、責任をもってしっかりと作成しなければなりません。

【一日どれくらい作成するのか】
私は他の業務(外来、病棟など)も兼務しながら書類作成することがほとんどで、丸一日を書類業務に充てられる日は少ないですが、丸一日作成した日は、少なくて8件、多くて20件くらいです。
差がありすぎですが…。その日来た書類がなんの書類かわからないし、書類の様式や患者さんの病歴から時間をかけず作成できるものも、時間がかかってしまうものもあるのです。
私は8~9年医師事務作業補助者の経験があり、たくさんの書類を作ってきたので、知識と経験から割とパッパッとこなせるのですが、新人さんや不慣れな方は件数をこなすことより正確にやるほうが重要です。


次は、書類の具体的な作成の仕方について投稿しようと思います!

読んでいただきありがとうございました!

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