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HEY BOY GOD LUCK

THE BUZZMOTHERS収録。

パンクロックのような荒々しいリフに
憂いや嘆きでも、不満や憂鬱のアウトプットでも無く、あくまで攻撃的な歌詞。
それも、皮肉るわけでは無く
山田亮一節を存分に効かせながらも、かなりストレートな言葉での攻撃。

バズマザーズ(及びハヌマーン)は
下手に(?)演奏が複雑で上手く
暗くて深い歌詞の楽曲が多いが故に
サブカルチャーのレジェンド的な認識を持たれることも少なくない。
この楽曲は、そんな彼等がサブカルチャーのレジェンドでは無く
忌野清志郎やヒロトマーシーのように、
生粋のロックスターだという事を
改めて思い知らされる、一曲になっている。


そんな潔いロックンロールナンバー、
HEY BOY GOD LUCK。
僕は、この楽曲は他の山田亮一の楽曲と比べてかなり特殊な曲だと思う。

というのも、この曲は
僕達リスナーを明確に肯定してくれているからだ。


僕達が勝手に共感して、勝手に肯定された気分になることが出来る山田亮一の楽曲は沢山ある。
幸福のしっぽ、比喩で濁る水槽、ナイトクライヌードルベンダー、ect…
挙げ始めればキリがない。

でもこの曲は、僕達が勝手に肯定された気分になってる訳じゃない。

「俺はアイロニーで馴れ合いの甘露煮を切り刻むぜ」ではなく
「切り刻めアイロニーで 馴れ合いの甘露煮を」。
「自分勝手ばら撒いて孤独になって卑屈になった」じゃ無くて
「自分勝手ばら撒いて孤独になって卑屈になるべし」。


このように、この楽曲では
明確に僕達リスナーを肯定してくれている。
簡易的な肯定をしてくれる曲はあれど、
こんな風に明確に僕達を肯定を肯定してくれる曲は
山田亮一の他の曲を漁ってもあまり無いと思う。
(全部改めて聞き漁って確認するのはダルいからしないけど)

社会から否定される価値観を、大好きなロックスターから肯定してもらったんだ。
明日からも胸を張ってアイロニーで馴れ合いを拒絶しようではないか。



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